
製品やサービスに関する問い合わせの窓口であるカスタマーサポートは、電話やチャット、AIボットなどさまざまなものがある。利用者としては、問題が解消されるのに時間がかかってイライラしてしまった人もいるのでは?
MMDLaboが運営するMMD研究所とPKSHA Technologyは共同で、予備調査では20歳から69歳の男女1万5000人、本調査ではカスタマーサポートに不満を感じたことがある人1000人を対象に「カスタマーサポートに関する利用者の意識調査」を実施して、その調査結果を発表した。それによればAIで自己解決する人の存在やカスタマーサポートに不満を感じた人が意外と多いことがわかった。
サービスや製品の解決したい問題をAIで自己解決した人は46.2%
20歳から69歳の男女1万5000人からサービスや製品に関して解決したい問題に直面した時に、他者を介さずに自己解決で対処した7602人を対象に、AIも活用して対処しているか質問すると、46.2%は「AIを活用している」と回答している。
企業のサポートサービスで重視しているのは「対応の早さ」や「解決までの早さ」
20歳から69歳の男女1万5000人に企業への問い合わせ時に重視する項目を複数回答可で質問すると、「対応の早さ」が46.1%でトップで、次いで「解決までの早さ」(44.7%)、「土日でも対応できること」(35.6%)という結果になった。さらにオペレーターによるサポートに不満を感じた1643人とFAQ・チャットボットなど非対人のサポートに不満を感じた1355人に、問い合わせを行ったことがある内容について複数回答可で質問すると、どちらも「サービスや商品の不具合やエラーの対応について」が最多で、対オペレーター(n=1643)では52.6%、非対人(n=1355)では49.1%という結果になった。
カスタマーサポートに不満をもった経験がある人は半数以上
オペレーターに問い合わせたことがある人とFAQ・チャットボットなど非対人で自己解決をしたことがある4298人に、問い合わせ時に不満を感じたことがあるか質問すると55.6%が「不満を感じたことがある」と回答している。
予備調査から抽出したカスタマーサポートに不満を感じたことがある1000人に、カスタマーサポートに不満を感じた項目を複数回答可で質問すると、対オペレーター(n=700)では「電話・チャットの待ち時間が長い・つながらない」が59.4%と最多で、非対人(n=700)では「知りたい情報が見つからない」が69.1%で最多という結果になった。
カスタマーサポートに怒った経験がある人は25.2%
20歳から69歳の男女1万5000人に問い合わせやクレーム対応の場面で、オペレーターに強い口調や攻撃的な言動をした経験を質問すると、経験がある(「頻繁にある」と「たまにある」の合算数値)は25.2%だった。さらにオペレーターによるサポートに不満を感じた1643人とFAQ・チャットボットなど非対人のサポートに不満を感じた1355人に、問い合わせの不満から製品やサービスを移行した経験を質問すると、「実際にやめたことがある」は対オペレーター(n=1643)では34.2%、非対人(n=1355)では50.8%という結果だった。
オペレーターのサポート対応で不満を感じてサービスをやめた562人とFAQ・チャットボットなど非対人のサポート対応で不満を感じてサービスをやめた688人に、不満がたまった項目について複数回答可で質問すると、対オペレーター(n=562)では「電話・チャットの待ち時間が長い・つながらない」が60.8%で最多、非対人(n=688)では「知りたい情報が見つからない」が73.2%でトップだった。
今回の調査では、ユーザーがカスタマーサポートに寄せる期待は、チャネルによって異なっていることが明らかになったという。非対人のセルフサービスには、自己解決するために必要な情報が充実していて、簡単に見つけられることが求められている。一方でオペレーター対応では、スムーズにつながることや最後の砦として問題解決力が強く期待されている様子が見て取れた。提供する企業側は、こういったことを考えながらカスタマーサポートを提供してほしい。
「カスタマーサポートに関する利用者の意識調査」概要
調査対象:
<予備調査>20歳~69歳の男女
<本調査>対オペレーターのカスタマーサポートに不満を感じたことがある人、非対人のカスタマーサポートに不満を感じたことがある人、どちらのカスタマーサポートにも不満を感じたことがある人
調査期間:2025年6月27日~2025年6月30日
有効回答:
<予備調査>1万5000人 ※人口構成比に合わせてウエイトバックを実施
<本調査>1000人
※本調査対象者1000人の内訳は以下のとおり。
対オペレーターのカスタマーサポートに不満を感じたことがある人(n=300)、非対人のカスタマーサポートに不満を感じたことがある人(n=300)、どちらのカスタマーサポートにも不満を感じたことがある人(n=400)
調査方法:インターネット調査
設問数:
<予備調査>14問
<本調査>5問
※本リリースでは、アンケート調査により回収されたサンプルを人口構成比に合わせるために予備調査のみウエイトバック集計。
※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある。
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2475.html
構成/KUMU