1653km走行して分かったBMWの快適さ
「BMW R1300GS」の初回点検は1000km走行後である。北海道に行けば当然クリアーしてしまう距離なので「Motorrad Suginami」にて初回点検の予約を済ませておいた。ツーリング中に1000kmを超えると、サービス時期超過! というアラートが表示されるようになった。さすがハイテク、これ以外にも空気圧やあれやこれやで警告してくれる。トリップコンピュータを表示させれば、平均速度、燃費、航続距離、走行時間、休憩時間なども教えてくれる。
アップハンドルのポジションはかなりオフロードよりで体勢がラク、ハンドルポジション調整キットの必要性は感じなかった。これだけ上体が起きていると問題になるのが走行時の風、電動スクリーンが効果を発揮してくれ高速道路を走行中でもヘルメットのシールドを2段上げても風が来ず快適だった。電動で高さを調整すると体に当たる風の強さと、ヘルメット内の風斬り音が変わってきた。ネイキッドのドゥカティM900と比較すれば、ほとんど風を受けないので疲れ方がかなり違う。
前後のサスペンションはEVOテレレバーとEVOパラレバーが使われ、路面から衝撃をほとんど吸収してくれる。その乗り心地はオフ車でオンロードを走っているような柔らかい感じで、ボクサーツインによる低重心化が独自の安定感とあいまり、ゆったりとした気分になれる。中低域に厚みのあるトルクフルなエンジンは回転数を上げることをライダーに要求せず、心地よい鼓動感で加速してくれる。ドゥカティのエンジンは回せば回すほどエキサイティングだったが、BMWは淡々とした直線道路ではライダー負担を掛けずに移動できるため北海道ツーリングとの相性が良いのだ。
今回の総走行距離は10日間で1653kmと悪天候と暑さのために意外と伸びなかったが、慣らしを終えるという目的は達成できた。平均燃費は23.2km、最高で24kmだった。満タンで440km走れる計算になる。旅費はフェリーの往復が最も高価で8万230円、これに食費、高速代、ガソリン代、キャンプ場代、日帰り温泉入浴代を足して合計12万9723円だった。フェリー泊以外は全てキャンプ場に泊まっているため宿泊費がかなり安上がりだ。これに対してキャンプだが自炊せずに外食したため食費はフェリー代の次に高くなった。林道を走れなかったことが残念だが、ツーリングの満足度はかなり高く、支払った金額に見合う旅だったと言える。
写真・文/ゴン川野