
目次
約40年にわたってトレンド/モノを紹介してきた小学館の雑誌「DIME」。2025年9・10月号ではガンプラ発売から45周年を記念してその軌跡をまとめた特集を掲載中。その中で、2025年秋から2026年冬にかけて発売が予定されているガンプラから、注目度が高いものを紹介する企画をピックアップした。
最注目の「PG UNLEASHED 1/60 νガンダム」については企画&設計をした株式会社BANDAI SPIRITSの曽根さん、稲吉さんに直接取材して話を聞いた。
本誌でも好評だった最新のガンプラ情報を参考に、従来のガンプラ好きも最新のGQuuuuuuXからガンダムシリーズを見た人も、2025年秋-2026年冬の新作キットの購入を検討してみてはいかがだろう。
ガンプラ45周年記念を象徴する新作キット「PG UNLEASHED 1/60 νガンダム」と開発秘話
BANDAI SPIRITS『PG UNLEASHED 1/60 νガンダム』6万6000円(税込)(2026年1月発売予定)
2026年の最注目商品として脚光を浴びているのが、劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する主役機を全高約36cmのサイズで超精密に設計したキット『PG UNLEASHED 1/60 νガンダム』(以下PGU vガンダム)だ。
https://bandai-hobby.net/site/pgu-rx93/

企画&設計者が語るPGU νガンダム開発秘話
PGU νガンダムの全容をガンプラの企画&設計を行うBANDAI SPIRITSホビーディビジョン ホビークリエイション部の稲吉太郎さん、曽根大地さんに聞く。
企画&設計したのはこの2人!

BANDAI SPIRITS
曽根大地さん(右)
稲吉太郎さん(左)
ガンプラ最高峰グレードの新作として発表された『PG UNLEASHED 1/60 νガンダム』。約5年前に発売したPGU第1弾『PGU 1/60 RX-78-2 ガンダム』を意識して開発を進めたと企画担当の稲吉さんは話す。
「企画担当としては正直かなりのプレッシャーがあり、期待に応えるハードルの高さも感じました。過去に好評だったポイントを購入者のレビューやアンケートから汲み取り、金属パーツやエッチングシールといった異素材のパーツも第1弾と同様に採用しています」
νガンダムは、劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でアムロ・レイが乗った機体で、遠隔攻撃などが可能なフィン・ファンネルが印象的な大型MS。キットでは全高約36cm(フィン・ファンネル含めて約55.7㎝!)と超大型サイズのため、素材選びも重要だったと設計担当の曽根さんは振り返る。
「フレームには剛性の高いABS素材を採用しています。また、通常はひとつの軸だけで保持するような可動箇所に複数の軸を用いることなどにより、嵌合(かんごう)調整がしやすい設計にしました。一番負担の掛かる腰を多重構造にしたり、ロック機構を施したりするなどの工夫も盛り込んでいます」
ガンプラといえば可動も重要なポイント。劇中で魅せた〝ビーム・サーベルの両手持ち〟のポージングも自然に決まるという。そのほか、組み立てやすさにも配慮。パーツ数が多い分、製作途中にランナーの残り枚数を確認しやすいように工夫されていて、取り扱い説明書の内容もわかりやすくなっているそうだ。発売に向けて期待が大きく膨らむ。
企画&設計者が語るPGU vガンダムのこだわりポイント
・金属製パーツを採用したことによる高い再現性
建造中のイメージで内部構造をリアルに再現。頭部のバルカン砲やメインスラスターのノズルには金属パーツを採用。金属製エッチングシールなど、プラ素材とは異なるようなメタリックな質感を実現する。また、樹脂パーツでは再現が難しい小サイズのケーブルは赤・青のリード線で表現。



・台座なしでも自立できる安定性
台座なしでも自立できる剛性を持たせるべく、フレームにABS素材を採用。可動と保持を両立する絶妙な嵌合は、バンダイホビーセンターで匠が金型で調整しているからこそ。コクピットを内蔵する胴体部の多層構造も見どころ!


・フィン・ファンネルの”表情”と多彩なギミック
キットの背面に備えるフィン・ファンネルは〝マント〟がコンセプト。これまでは平面的に6枚をつなげていた。一方の新製品では緩やかなカーブのニュアンスを付けられる仕組みをフィン・ファンネルに仕込んでいる。
6基はそれぞれ個々に連結が可能。スライドシャッターなどの多彩なギミックにより、連結時はガッチリとロックされ、保持力を強める。個々を分割した際は、劇中同様に〝折り畳み形態〟や〝コの字形態〟にもなる



・各所に仕込まれた可動機構
上腕付け根とヒジ関節が〝ロール可動〟する設計だ。各所に仕込まれた可動機構が、まるで人が動いているような自然なフォルムを作り出す。なお、可動する五指の先端に、設定通りの開閉機構も用意。シャアのMSサザビーとの戦闘シーンを想起させるビーム・サーベルの構えも再現可能。

映画・アニメが大きく話題となった「機動戦士ガンダムGQuuuuuuX」の新作ガンプラキット
6月末に最終回を迎えた最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』。1月に先行上映された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』は興行収入が30億円を超える人気に。6月20日からは再上映を開始した。〝GQuuuuuuX〟が大きな注目を浴びた理由のひとつは、46年前にテレビ放送された『機動戦士ガンダム』との関連性だろう。『-Beginning-』では『機動戦士ガンダム』の第1話を新たな解釈とアプローチで描いて話題に。ほかにも『機動戦士ガンダム』を想起させるシーンが多く、ガンダムやザクといったおなじみのMSが新デザインで登場。往年のファンなどを熱くさせた。
そんな劇中のMSを題材にしたガンプラが続々と発売されている。いずれも精巧な作りで、劇中さながらのシーンを再現できるものばかり。色分けされたパーツにより、塗装をしなくても組み立てるだけで設定画に限りなく近いカラーリングに。合わせ目が目立ちにくいパーツ構成を含め、進化が進むガンプラの最新技術を実感できるようになっている。
ジムを思わせるデザインながら〝ゲルググ〟と名付けられたキットもラインアップするなど、同作品ならではのサプライズとともに、ガンプラづくりを満喫できるのだ。
BANDAI SPIRITS『HG 1/144 白いガンダム』 2420円(税込) (2025年12月発売予定)
人類史上初のMS戦を繰り広げる白いガンダム。頭部の再現度が特に高い。
https://bandai-hobby.net/item/01_6781/

BANDAI SPIRITS『HG 1/144 ザク(GQ)』 2420円(税込) (2025年12月発売予定)
サイド7への潜入シーンが印象的なザクとシャア専用ザクのガンプラ。特徴的な太もものタンクも忠実に再現。各種武器も付属する。
https://bandai-hobby.net/item/01_6772/

BANDAI SPIRITS『HG 1/144 シャア専用ザク(GQ)』 2420円(税込) (2025年12月発売予定)
https://bandai-hobby.net/item/01_6782

BANDAI SPIRITS『HG 1/144 GFreD』2530円(税込) (発売中)
大型装置イオマグヌッソの内部で戦うGFreD(ジフレド)もガンプラ化。可動域が広く再現度は高い
https://bandai-hobby.net/item/01_5961/

放送から30周年、ガンダムGWXの主役機ガンプラキット
ガンダム作品では宇宙世紀とは異なる物語設定の作品も人気。その先駆けとなった『機動武闘伝Gガンダム』『新機動戦記ガンダムW』『機動新世紀ガンダムX』が2024年より順次30周年を迎えていて、関連の新作ガンプラが続々と登場! RG特有の可動域の広さと造形の緻密さに注目だ。
BANDAI SPIRITS『RG 1/144 ウイングガンダムゼロ』4620円(税込)(2025年9月発売)
『新機動戦記ガンダムW』の主役機キット。パーツを組み替えることで、高速機動用のネオバード形態に変形できる。
https://bandai-hobby.net/item/01_5968/

第一期放送から10周年、「機動戦士ガンダム 鉄拳のオルフェンズ」ルプスのMGキット
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期に登場する主役機のMGキット。外装はもちろん、ガンダム・フレーム(内部構造)も含めて精密に設計されたキットだ。劇中の激闘を再現可能な拡張パーツ(別売り)も展開予定。
BANDAI SPIRITS『MG 1/100 ガンダムバルバトスルプス』7150円(税込)(2025年11月発売)
https://bandai-hobby.net/item/01_6764

その他、本誌の特集から抜粋した記事ではプロモデラーのオオゴシトモエさんや「月刊ホビージャパン」の木村編集長に話を聞いている。
「キュベレイは10体以上作りました」プロモデラー・オオゴシトモエさんのめぐりあい〝ガンプラ〟
アニメ『機動戦士ガンダム』のモビルスーツを模型にした「ガンプラ」が登場して45年。それに人生を大きく変えられた人がいる。プロモデラーのオオゴシトモエさんだ。 ガ…
「月刊ホビージャパン」の木村学編集長が語る!RX-78-2を見ると〝ガンプラ〟の進化を俯瞰できる!
ガンプラが誕生して45年。DIME最新号は、プラモデルの常識を打ち破ってきたガンプラ45年の軌跡と”その先”を徹底取材! 雑誌の中でも紹介したホビージャパンの…
取材・文/桑木貴章
撮影/羽田 洋
本誌編集/田尻健二郎
WEB記事構成/吉田博明
©創通・サンライズ ※一部の撮影画像は開発中のものを撮影したものです ※一部の画像は開発中の設計データを使用したCGです/画像はイメージです
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2025年6月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。