
世の中のトレンドを届ける雑誌『DIME』編集部が、SNSで見つけた気になるニュースを紹介。
今回は、夏場に増加するモバイルバッテリーの発火問題。モバイルバッテリーの製造・販売を行なうアンカー・ジャパンに話を聞きに行きました。
モバイルバッテリーはなぜ発火する?保管方法にも要注意
モバイルバッテリーが発火するのは、モバイルバッテリーに搭載されているリチウムイオン電池が原因です。
アンカー・ジャパンの担当者は発火しやすい3つのシーンを解説してくれました。
「1つ目が強い衝撃や物理的な損傷です。モバイルバッテリーを落とす、ポケットに入れたまま座る、重いものを載せるなどの過度な力を加えるといった衝撃を与えることで、内部の電池が変形・破損し、内部短絡につながり、発火に至ることがあります。
2つ目が高温多湿な環境下での放置。高温環境では電池の温度上昇とともに予期せぬ化学反応や内部部材(セパレーター)の収縮・変形が進み、破裂・発火のリスクが高まります。特に炎天下の車内は温度が50℃を超えることもあり非常に危険で、直射日光が当たる場所での長時間の放置も発火につながる可能性があります。本体を水濡れさせると回路の腐食や電子部品の破損によるショートを引き起こし、異常発熱による製品不具合につながる可能性があるため、水気の近くや高湿度の環境での使用や保管は避けてください。
最後に経年劣化です。モバイルバッテリーは消耗品であり、繰り返し充放電を行うことで内部の電池が劣化します。劣化が進むと、本体の充電時間が長くなる、バッテリー残量の減りが早くなる、給電が遅い・充電できない、充電中に本体が以前よりも熱くなる、電池が膨張する(内部でガスが発生している可能性があり非常に危険)、または製品の外殻やパーツが破損するといった症状が見られることがあります」

8月に入り一部地域では、猛暑日(35℃)どころか酷暑日(40℃)を超える日々が続いています。こうした高温環境はモバイルバッテリー(リチウムイオン電池)にはどのような影響を与えるのでしょうか?
「モバイルバッテリーに採用されているリチウムイオン電池は極端な高温に弱い特徴があり、直射日光が当たる場所での長時間の放置はリスクが高まる可能性があります。モバイルバッテリーの使用推奨温度範囲は0°C~40℃、保管温度範囲は0℃~35℃とされています。不適切な保管状態も発熱・発火のリスクにつながります」(アンカー・ジャパン担当者)
暑い時期は外出時する際にも注意が必要です。
「自宅を不在にする際に直射日光が当たる場所に放置したり、その場所でモバイルバッテリーへの充電を続けたりすると本体の温度が高まりリスクが高まる危険性があります。また、夏場の車内は想像以上に温度が高くなるため、モバイルバッテリーを放置すると重大な事故につながる危険性があります」(アンカー・ジャパン担当者)
モバイルバッテリー(リチウムイオン電池)の処分方法は?
経年劣化したモバイルバッテリーは、どう処分したらいいのだろうか
結論から言えば、処分方法は自治体によって大きく異なっており、一概には言えません。
また、自治体の回収以外にもリチウム蓄電池リサイクルの推進を行う団体やメーカーによる回収を使う方法もあります。
詳しくは「【アンカー・ジャパン✕環境省】モバイルバッテリーの正しい処分方法」をご参照ください。
リチウムイオン電池はモバイルバッテリーだけでなく、ハンディファンなどの小型扇風機や充電式ワイヤレスイヤホン等にも搭載されています。モバイルバッテリーと同じく取り扱いに注意する必要があるので十分に注意しましょう。
取材協力/アンカー・ジャパン https://www.ankerjapan.com/?srsltid=AfmBOoplZARoi2ypeMGFGNMXM7-fDYLs4cO1YYuPfdxUEmMmN99GQp0p
取材・文/峯亮佑(DIME編集部)