
これだけ物価が上がっていても売れている商品は一体何が違うのか──。それを読み解くために今回もDIME編集部は総力取材!「この商品にはお金を出してもいい」と消費者の心を動かすに至ったモノやサービスを深堀りする。
グルメ ビールもRTDも「ビターテイスト」が目玉トレンド
味ぽんやランチパックなどの定番が新境地を開拓。さらにアルコールは〝苦味〟、グミやパンは〝食感〟といった、明確なヒットキーワードがあるのも印象的だった。
近年は手軽に飲めるRTD(Ready To Drink)が好調だが、今年に入り、ビール好きでも満足できる苦味の強いRTDやビールが登場。アルコール業界を支えるビールのヘビー・ミドルユーザーの支持を獲得し、ヒットにつなげた。
サントリー『THE PEEL(レモン)』183円(350ml)
発売後2か月で年間販売計画の5割を突破

自然なレモンの味わいのレモンサワーを食事中に楽しんでほしいという思いから、果皮に注目。果皮由来の香りやコク、ほろ苦さによって日常の食事に合う味わいを実現している。
〈ヒットのカギ〉〝ビールしか飲まない〟層をあえてターゲットに
ビールユーザーがレモンサワーに抱く「甘くて食事に合わない」を払拭。「ビールとRTDの境域に位置するレモンサワーを目指しました」(サントリー・玉腰 潤さん)
アサヒビール『アサヒ ザ・ビタリスト』オープン価格(実勢価格各約237円/350ml)
発売2か月で年間販売目標の5割、100万箱を突破

苦味を愛するヘビー・ミドルユーザーに向けて、今までにない「苦みのおいしさ」を追求。自社のビール比較で最も苦味値が高く、さらにキレを生む酵母を使用することで、スッと消えるスッキリとした後味に。
〈ヒットのカギ〉ビール好きのツボを押さえた苦味
ひと口目から感じる鮮烈な苦みと後味の新しさで、クセになる味。「ビール好きの方々より『もうひと口と飲みたくなる』という声をいただきます。大人の世界観を表現したデザインも好評です」(アサヒビール新ブランド開発部・山田 佑さん)
アウトドアで注目のモバイル調味料が話題
コロナ禍で盛り上がったアウトドアブームは下火傾向だが、そこで注目されたスパイスやご飯の友が食卓へ。液体を粉末化したり、パッケージを工夫するなどして手間を軽減したり、使ってみたくなる仕掛けのある調味料がヒット!
ミツカン『無限さっぱりスパイス by 味ぽん』オープン価格(実勢価格約539円)
2か月の販売目標数量をわずか4日で完売!


発売60周年を迎えた『味ぽん』がこのタイミングで粉末化し、大きな話題に。新しい形状に新規性・意外性を感じる人が続出、粉末の利便性に感動する声が多くあがった。
〈ヒットのカギ〉インサイトに着目。〝やみつき感〟も話題
「さっぱり味をサクサク食感で食べたい」というユーザーの隠れたニーズに着目。「スパイス的な要素も追加し、やみつき感の追求にも注力しました」(ミツカン・吉岡真優さん)
情熱価格(ドン・キホーテ)『秒でどこでもTKG!? 卵かけ風ご飯のたれ』647円
7か月で60万個販売!ドンキ公式TikTokで1100万回再生

ドン・キホーテでは昨年より「めしドンキ」として、様々なご飯の友をリリースしている。中でもこちらは手軽に卵かけ風ご飯が楽しめる新発想のパッケージなどで、SNSを中心に大きな話題を集めた。


醤油たれと卵ソースが1つの容器に詰められ、ご飯さえあればパキッと割るだけで、どこでも簡単に卵かけご飯が味わえる。常温保存が可能なので、お弁当などでも大活躍。
〈ヒットのカギ〉タレと卵をひとつの容器にIN
商品自体の目新しさもあり、発売まもなくTikTok投稿された動画が大バズり。「日本人はもとよりインバウンド需要も取り込めました」(ドン・キホーテ・両角利彦さん)