
疲れや不調にどれだけ抗ってベストなパフォーマンスができるか
役者は体が資本といいますが、僕も歳を重ねてその意味をより実感するようになって。若い頃はなかった疲れや不調にどれだけ抗ってベストなパフォーマンスができるか……それがいまの僕のテーマなんです。
役作りには質のいい眠りが欠かせないと思うので、湿度管理など寝室を快適に整える〝睡眠ケア〟が2025年上半期のマイブームかな。効率よく台詞を覚えようと早寝を心がけて、4月から配信のNetflix映画『新幹線大爆破』でも早起きして脚本に向かいました。
僕が演じた車掌の高市は爆弾から乗客を守ろうと全身全霊で格闘するハードなシーンもあって、タフな現場でしたね。この作品はパニック映画の枠を超えて、人間ドラマとしてもすごく見応えがある。
新幹線は様々な人を乗せています。僕の中で印象深かった乗客は修学旅行生の柚月(豊嶋花)。柚月と高市が話すシーンでは、その時々の心理状態が車窓からの風景と絶妙にシンクロしていて。現場ではお芝居に集中していて気付きませんでしたが、映像を観て〝なんてドラマチックなんだ!〟と。計算し尽くされた演出があって、着眼点を変えることで繰り返し観ても思わぬ発見があるんです。
ちなみに僕は台本で犯人を確認せずにお芝居して、予想を外しました。怪しいとマークしていた2人がどっちも違った(笑)。犯人を知ると見え方がガラッと変わるから、観返す楽しみがあるのもヒットの要因じゃないかな。
ここ半年は「古着」と「睡眠」と「麻辣湯」が気になってます
プライベートで熱いのは古着、ブーツ、バイク、ギターで、特に古着はキテますね。古い生地にロマンを感じて萌える。〝輝きつづける魅力は何だろう〟なんて研究していると、時間を忘れます。服を並べて査定する古着屋ごっこも楽しくて。「商品」にはちゃんと手書きの値札も付けます(笑)。相場は日々変動するんですよ。ここ半年ほど、朝6時くらいから毎日そんな遊びをしていても全然飽きない。そうやって自分の〝好き〟をとことん追求するマニアです。今後は流行などにも広く目を向けてみようかな、とも思います。
あっ、でも麻辣湯はよくデリバリーして食べますよ。韓国が舞台のバラエティー『チョナン・カン』をやっていたので韓国料理の辛さにはなじみがあるけれど、中国料理の〝麻〟はちょっと別物なんですよね。食べきれないくらい辛いのにまた頼んでしまう中毒性があって、人気なのも納得。あぁ、話していたら食べたくなっちゃった!
睡眠ケアと古着に激ハマり!

俳優・歌手
草彅剛さん
1974年、埼玉県出身。91年CDデビュー、2017年「新しい地図」で活動開始。10月期の『終幕のロンド ーもう二度と、会えないあなたにー』(カンテレ・フジテレビ系)で主演を務める。

公式YouTube「ユーチューバー 草彅チャンネル」では激アツな古着愛を語る動画が、6月にも立て続けに3本配信されたばかり。
世界80カ国でランキング入り!
Netflix映画『新幹線大爆破』とは?

1975年公開の『新幹線大爆破』(東映)をNetflix×樋口真嗣監督がリブート。主演に草彅剛。今年4月から配信がスタートし、日本のNetflix週間TOP10(映画)で1位、非英語映画としてグローバルで2位を獲得。世界80カ国でランクインする快挙を遂げた。

爆弾を仕掛けられた新幹線が時速100kmで走りつづける──。車掌の高市(草彅さん)は爆破を回避すべく奔走。〝絶対に新幹線を止めてはならない〟使命を帯びた運転士の松本(のんさん)は必死で運転台に向かう。JR東日本が特別協力し、事前研修では実際の業務や鉄道人の矜持もキャストへ伝えられた。
取材・文/渡部美也 編集/千葉康永