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寝顔も隠せる!深夜バス「WILLER EXPRESS」のシートが劇的に進化していた

2025.08.19

「高速バス」に、あなたはどのようなイメージを持っているだろうか。節約志向の人が利用するもの?シートが狭い?深夜はスマホを出すのも憚られる?

もちろんこういった側面がないとも言い切れないが、移動マーケティング会社『WILLER(ウィラー)』の高速バスは、一味も二味もちがう。『ウィラー』はとりわけシートの開発に力を入れており、移動時間も有効活用したい働きマンの味方なのである。

そこで今回は『ウィラー』の高速バス『WILLER EXPRESS(ウィラー・エクスプレス)』に迫った。深夜の移動にも関わらず、ほとんど眠れず朝日の美しさに涙した皆の衆、刮目せよ!

「高速バスでいいか」ではなく「高速バスがいい」

『ウィラー・エクスプレス』は、多くの人が一度は見たことがあるであろうピンク色のバス(画像提供:WILLER EXPRESS)

全国各地をつなぐ高速バスをはじめ、空港までの移動バス「空港シャトル」、かつて日本一の赤字路線といわれてきた鉄道会社「京都丹後鉄道」の運行、食と観光が融合した「レストランバス」など。業界の既成概念にとらわれず、“移動”に新たな価値を創造する『ウィラー』。

そのルーツは、1994年に創業した、スキーツアーをメインとする『西日本ツアーズ』だ。低コストで都市と都市を結び、全国各地を巡ることができる仕組みをつくろうと、2006年7月に高速ツアーバス『ウィラー・エクスプレス』の運行を開始。全国へと路線を拡大した。

「当時、深夜に運行する高速バスはありましたが、電話や窓口での予約が主流でまだまだ利用しづらい状況だったのです。そこで弊社は業界に先駆けてインターネットでのチケット販売をスタートし、全国の都市と都市を結ぶ路線や運行ダイヤを整備していきました」(以下「」内、すべてウィラーエクスプレス株式会社 商品本部事業企画チーム・須﨑良太さん)

2016年4月に入社。運行に関わるシステム企画や車両シートなどの開発に携わる、『ウィラー』商品本部事業企画チーム・須﨑 良太さん(画像提供:WILLER EXPRESS)

開業初年度の2006年は、1日に38便を運行。その後、法規制やコロナ禍など紆余曲折ありながらも、2024年には1日で229便を運行するまでに。高速バスの運行数だけ見ても、23年間で約5.5倍に伸びている。

「東京~名古屋、東京~大阪など主要都市を結ぶ路線のほかに、地方都市への高速バスもあります。なかでも主要都市を結ぶ路線は昼間もご利用が多いので、約1~2時間ごとにバスを出しています。

また、こうした便数の多い路線は、バスの供給量を保ちつつシートのバリエーションも増やして、『ゆったり過ごしたい』『安くすませたい』などといった、お客様の様々なニーズにお応えしています」

ニーズに合わせた多彩なバリエーションを提案することで、いまや「高速バスでいいか」ではなく「高速バスがいい」という客が増えているそうだ。

ヘッドレストやレッグレスト、ドリンクホルダーなどはどのシートにもついている。(画像提供:WILLER EXPRESS)
電源がとれるコンセントまたはUSBを完備(画像提供:WILLER EXPRESS)

長時間移動を快適に楽しくするオリジナルシート

『ウィラー・エクスプレス』には、大きく2つのこだわりがある。

2007年に登場した『リラックス』(画像提供:WILLER EXPRESS)

その一つが、2006年から開発しはじめたオリジナルシートだ。種類は、シート機能によって現在6種。“移動のためではなく、休息するためのシート”を意識し、長時間移動を快適に、楽しく過ごせるよう工夫が凝らされている。

中でも比較的便数が多く、利用しやすい価格の4列シート『リラックス』を見せてもらった。んんっ? なにやら不思議な物体が顔まわりを覆っているぞ……?

4列シート『リラックス』(画像提供:WILLER EXPRESS)

「これは寝顔も隠せるフードで、私たちは『カノピー』と呼んでいます。

かつてのシートは狭く窮屈で、なおかつ夜間は車内が暗いこともあり、高速バスは男性が乗るものというイメージがありました。しかし我々としては、女性にもご利用いただきたい。

そこで女性のお客様や女性社員に意見を聞いたところ、“寝顔を見られたくない”という声が多くあがったんです。これにより2007年に生まれたのが、カノピー付き4列シート『リラックス』です。カノピーはベビーカーをヒントにしたもので、下ろすだけで顔まわりが覆われて、小さな個室のようにくつろげます」

2023年に登場した『プライム』(画像提供:WILLER EXPRESS)

2023年には『リラックス』をバージョンアップした、4列シート『プライム』も誕生した。こちらも便数が比較的多く、価格も良心的。『リラックス』のカノピーを1.5倍ほど大型化することで、男性など身長の高い人も窮屈感がなく過ごせるシートだ。

左が『リラックス』、右が『プライム』のカノピー。(画像提供:WILLER EXPRESS)

「お客様から“夜間もスマホを使いたい”というお声があり、『プライム』のカノピーの内側にはスマホホルダーを設置し、夜間もスマホを操作していただけるようにしました。車内も真っ暗に消灯するのではなく青い光の調光にして、ぼんやり明るく、多少の光が漏れても気になりにくいよう配慮しています」

『プライム』はカノピー内にスマホホルダーがついている。(画像提供:WILLER EXPRESS)

ここまでに紹介してもらった2種のシートでも、十分快適に移動できそうだ。しかし須﨑さんがわれわれビジネスパーソンにイチオシするのは、3列シートの『リボーン』。このシートが配置された高速バスは現在2路線で運行しており、路線は主要都市を結ぶコースのみ。運賃は先の2種と比べて倍ほどするが、乗車率は高く、予約は争奪戦なのだとか。

2017年に登場した『リボーン』。(画像提供:WILLER EXPRESS)

「『リボーン』は眠りのための最適な環境を整え、高速バス=疲れるというイメージを一掃するために、2017年に生まれました。

通常、バスの座席は37~45席あるところ、『リボーン』は3列×6列の18席のみ。座席はすべて、両サイドと後ろを板で覆ったシェル型です。シートは最大傾斜約155度とほぼフラットに近い状態まで倒せますが、シェル型なので後ろのお客様に迷惑をかけることはありません。足も伸ばせるので、出張などで明日に備えてしっかり体を休めたい方におすすめですよ」

リクライニングはリモコンで操作できる。(画像提供:WILLER EXPRESS)
『リボーン』は読書灯付き。(画像提供:WILLER EXPRESS)

さらに、眠りに配慮した調光や騒音も軽減するなど、『リボーン』はまるで飛行機のビジネスクラスのよう。ゆったりとしたシートは体格のよい男性も安心して眠れるであろう。

安全で心地よい運行をささえる「ハイウェイパイロット」

もう一つの大きなこだわりが、「ハイウェイパイロット」の存在である。

「『ハイウェイパイロット』とは、安全・安心な運行とおもてなしを両立する、ワンランク上の運転手のことです。バスの運転手=大変な職業などというイメージを払拭するべく、名称を変更しました」

運転技術が高く、サービス精神にあふれたハイウェイパイロット(画像提供:WILLER EXPRESS)

ハイウェイパイロットが生まれた背景には、人手不足の深刻化があるという。『ウィラー』では運転手のことを「ハイウェイパイロット」とネーミングしてブランド化し、待遇の底上げも図っている。

「ハイウェイパイロットにとって、健康管理はもっとも重要です。だから法定の健康診断はもちろん、脳ドッグや肺や心臓のCTを撮るなど、様々な検査を実施しています。また、検査結果もきちんと追いかけ、再検査が必要な場合はその費用も負担しています。

夜勤を担当するハイウェイパイロットは年2回の健康診断もあり、こちらには会社独自のランクを設けています。そして、ランクが一つ上がるごとにインセンティブが1万円。もっとも健康なランクに君臨し続ける人には、毎月1万円を渡しています。

それから、2018年に新木場にできた本社には、ハイウェイパイロットの宿舎も併設しました。これにより、休息時間をしっかり確保できるようにしています。本社には社員食堂もあり、健康を気遣ったメニューを食べることもできますよ」

本社の社食で提供されている、ある週のランチ(画像提供:WILLER EXPRESS)

2024年には、ハイウェイパイロットの育成施設『WILLER LABO(ウィラー・ラボ)』も新設。主に若年層を中心に育成している。

2025年に行われた入社式(画像提供:WILLER EXPRESS)

「ハイウェイパイロットになるには、ドライバー経験はなくても大丈夫です。とくにホテルや飲食店など、サービス業に従事していた方のジョブチェンジを募り、ウィラー・ラボに配属します。そして、3ヶ月間の研修と自社養成を行い、各営業所でデビュー。もちろん研修中もお給料は出ますよ」

ラボでの研修のようす(画像提供:WILLER EXPRESS)

サービス業出身者に注目しているのは、ハイウェイパイロットを務める上で欠かせないことが、おもてなし精神だから。細やかな気配りや心のこもった言葉選びは、教育だけで身につけることは難しいため、もともとサービス業にいた意識の高い人たちを中心に募っているそうだ。

うまく活用すれば前泊の必要ナシ!

最後に、おすすめのサービスや利用方法も聞いた。

「ご予約いただく際につけられる、目的地の銭湯やシャワー施設などを一緒に予約していただけるオプションがおすすめです。

たとえば東京から大阪方面へのご利用の場合、東京発が23時まで出ているので、食事をゆっくり取った後、高速バスで眠って大阪へ。7~8時に大阪に到着するので、予約していた銭湯やシャワー施設を利用していただけば、さっぱりとした状態で一日をはじめていただけますよ」

快適なシートで移動時間もぐっすり。シートによっては夜間にスマホも使用でき、目的地でひとっ風呂浴びられるオプションまであるとは! もはや前泊でホテルをとる必要はナシともいえる。ホテルの値段も高騰していることだし、時間の有効活用も考えると、よりよいシートのバスを予約して移動に予算をとるのもありかも?

「シートは我々の“顔”ですので、企画力やお客様からの声を生かしたシートのさらなる開発をすすめています。仕事に遊びに、どうぞご活用ください!」

取材協力/ウィラー

取材・文/ニイミユカ

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