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「人と比べるのはよくない」はウソ?他人との比較で得られる意外なメリット

2025.09.29

人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。

そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?

この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。

年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。

比較を使うと「気付く力」が上がる

「人と比べるのはよくない」

そんなことを、小さいときから教わってきました。

比較というのは、ネガティブなイメージで使われることがあります。

人と比較するのがよくない理由は、「人にはそれぞれのよさがあるから」ということや、比較することで自己肯定感を下げたり、逆に上げすぎたりするのもよくないと思われているからです。

確かに、自分と人を比較することでコンプレックスを感じたり、くやしい思いをしたりすることはあると思います。

でも、比較することは悪いことばかりではありません。

比較のよさ、それは「相手が大切にしている価値観が明確になること」です

相手に比較させることで、その人の価値観や見ている世界がより見えるようになるのです。

比較を活用したもののひとつに、日本酒の利き酒があります。日本酒を比較することで、それぞれの味の違いがハッキリします。

以前、60代の人でゴルフ好きの人がいたので、なぜゴルフがそんなに好きなのか聞いたことがあります。

すると、その人は少し悩んだような顔をして、こう言ったのです。

「ゴルフがなぜ好きなのか考えたことがなかったです。なので、なんで好きなのか、自分でもハッキリしませんね」

好きなことは、理屈ではなく感情で好きなので、確かにその理由を自分なりに分析している人は少ないかもしれません。

そこで私はこんな提案をしてみました。

「たとえば、ゴルフとゲートボールを比較すると、ゴルフの好きな理由を見つけられるんじゃないでしょうか?」

さっそく、その人は比較を始めました。

彼はゲートボールがあまり好きではなかったので、より比較がしやすかったと言っていました。そして、比較からはっきりしたことがわかりました。

「比較することで自分が好きなことが何かがよくわかりました! 私が好きなのは『自然に触れられる』『風向きや天候などを予想できる楽しさ』『ウェアでおしゃれができる』という要素でした。これからはその部分をより意識すると、もっとゴルフが楽しくなりそう!」

自分でも気付いていなかったことに、比較を通して気付くことができたのです

比較はさまざまな場所で使われています。

最近は減っているのかもしれませんが、以前はアメリカの広告ではよく比較広告がありました。競合する他社の製品と自社の製品をお客さんに体験してもらい、どちらがいいかを目隠しして選んでもらうというタイプの広告です。

なかなか刺激的な手法なので、日本のCMで行われることはほぼないと思いますが、これも比較をすることでどちらが優れた製品かをハッキリさせるというものでした。

■相手の考えは、聞いてみないとわからない

以前、私が提供している才能診断のサービスに対して、料金が高いと主張するお客さんがいました。

料金は約3万円です。90分ほどかけて対面で分析を行い、その人が気付いていない才能を明らかにしていくものです。

私自身は科学者ですが、国から研究費をもらって特定のリサーチを行う大学には所属せず、会社として自由に研究を行っています。そのため、研究費を会社として得なければならないため、ノウハウを提供することで会社として研究資金を得ています。

私自身、海外に渡航して情報を得たりと、これまで投資してきた膨大な知識で作成しているプログラムなので、講演会や個人コンサルなどの料金と比べるとかなり割安な金額だと思っていました。

しかし、そのお客さんは「高い」と言うのです。そこで、勇気を出して聞いてみました。

「高いと思われるんですね。わかりました。思われるのはしょうがないと思うのですが、今後の参考のためにも、ぜひお聞きしたいことがありまして……、なぜ高いと思われましたか?」

すると、生涯忘れられないような意外な一言がとんできたのです。それはこんな言葉でした。

「西先生、牛丼だったら何杯食べられると思いますか?」

「????」

なんと、その男性は牛丼と比べることで高いと思っていたのです。10 年前のことで当時、牛丼は一杯280円でした。

牛丼と比べると高い。

しかし、牛丼と才能では、全くジャンルが異なります。

牛丼が好きなのはもちろんいいのですが、才能を理解するための診断と牛丼は全く別物です。

診断では、1回の体験でその後の人生の方向性を明確にし、自己肯定感も高まり、仕事の適性やパートナーとの相性までわかるため、生涯の人生の質が上がっていく価値を提供しています。

何と比較しているかは頭の中で行われていることです。言葉には出てこないかもしれません。

「相手はなぜそんなことを言うんだろう?」

そう思うときは、相手の頭の中で、何かと比較していることがあるのかもしれません

ここで大切なのは、何と比較してそう考えるのか、お互いに意見を共有することです。

それが他者理解につながり、コミュニケーションの質が高まっていきます。

☆ ☆ ☆

未来の自分のために、今日からできることを!

年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)

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楽天ブックスで購入する

いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。

(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。

構成/DIME編集部

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