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「老害」といわれる人のコミュニケーションはどこに問題があるのか?

2025.09.16

人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。

そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?

この記事では、書籍『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。

年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。

「老害」と言われる人のコミュニケーション

伝え方が下手な人は、おおむね自己中心的に考える傾向にあります。

コミュニケーションがうまい人は、相手や周りのことも考えながら会話する傾向にあります。

あなたは、どちらに当てはまりますか?

たとえば、老害と言われる人や、年収や役職が高い人は、自分視点をとりやすい傾向があることがわかっています。自分視点とは、自分の目で見ているかのような視点です。こういう視点を持っている人は「自己中心バイアス(自己中心性バイアス)が強い人」です。バイアスとは、「偏った考え方」でしたね。

つまり、「自己中心バイアスが強い人」というのは、自分中心で考える傾向が非常に強い人のことをいいます。

また、SNSで正義を振りかざし、人を誹謗中傷する人にも自己中心バイアスが強い人が多いそうです。

自分と直接関係がない有名人のスキャンダルを取り上げて、徹底的にたたいているような人は「自分の意見は絶対に正しい」という思い込みを持っていて、自分視点をベースに思考していきます。

クレーマーも同じです。

クレーマーには、自己中心バイアスで凝り固まった人が多いのです。

ちなみに、自己中心バイアスが強い人の特徴はこんなことがあります。

● 自分の考えは「常に正しい」と思いがち
● 人の話をちゃんと聞いていない
● 視点が自分にばかり向いている。他者に視点が行きにくい

自己中心バイアスがやっかいなのは、相手を攻撃しているときに本人に悪気がないという点です。「自分は正しい」という見方しかできなくなっている状態なので、そうなってしまうのです。

そこを指摘すると、「相手がわかっていない」「相手が悪い」となってしまいます。コミュニケーションというものは、相互に意見交換や理解し合えたりすることでうまく成り立つものですから、前述のような考え方で人に接してしまうと、相手に負担をかけてしまうことは明白ですね。

もうひとつ、視点には「外から」自分を見ているような観察者視点もあります。観察者視点を持っている人は、自在に自分視点と、他者視点を行ったり来たりすることができます。

自分視点は観察者視点に比べて、より鮮明です。自己中心に見るほうが、自分事でわかりやすいので、どうしても自己中心バイアスは強くなる傾向にあります。

違う視点から見るためには、そのためのトレーニングが必要です。

また研究結果で、自己中心バイアスにはこんな特徴があることもわかっています。

● バイリンガルの人は、自己中心バイアスが低い

バイリンガルとは、二カ国語を話せる人のことです。バイリンガルの人は自分の意見をハッキリ言う人が多いという印象があるかもしれないですが、実は自己中心バイアスが低いという調査結果があります。

その理由は、視点の固定化が起きにくいせいではないでしょうか。日本の視点、他国の視点。複数の視点を持ちやすい環境にいることが、自己中心バイアスを低くしている理由なのではと思っています。

ちなみに、自己中心バイアスが低くなると、対人ストレスが減る傾向があります。実際に世界のリサーチでも、バイリンガルの人は、なんと認知症になる年齢が平均4~5歳ほど遅くなることもわかっています。

自己中心バイアスは環境によっても大きく変わります。

親として、自分の子どもと接するときだけ自己中心的になる人もいます。家で妻に対してだけはそうなる人もいます。

時と場合によって、切り替わることがあるのです。ですから、なおさら自分では気付きにくいものなのです。

環境によって大きく変わるということは、裏を返せば、自己中心バイアスは弱めることもできるのです。

自己中心バイアスを弱くするコツは、視点をいろいろな方向に向けることです

簡単にできそうなことですが、視点が固定してしまっている人は、そんなシンプルなことでも、実行するのに時間がかかることもあったりします。

■自己中心的な人を手のひらで転がす方法とは

こんな相談を受けたことがあります。

「夫は性格が自己中心的で、自分のことばかりの人です。そんな夫をもっと他人のことを考えられる人に変えることはできないでしょうか?」

なかなか骨のある相談でした(ちなみにここでは、あえて「骨のある相談」としていて、「難しい相談」と言わないようにしています。理由は「難しい」という言葉を使うと、脳の機能がストップしてしまうためです。「難しい」という言葉はできるだけ使わないことをおすすめします)。

環境によって自己中心バイアスを弱めることは可能ですが、それには根気強い対応が必要になります。

そんなときに私がおすすめしたいのは、相手の持っているクセをうまく利用するという方法です。

自己中心バイアスをテコの原理のような感じで使うのです。

自己中心的な人は、ほめられると調子にのりやすい傾向があります。ほめられると天狗になってしまう人がいますが、あんな感じです。「俺はすごい」「俺は最高だ」みたいに。

そういう人に対して、真正面から「もっと謙虚でいるべき」などと話しても伝わりません。

こういう人の扱いに長けているのが、クラブで働いているホステスさんです。

「あなたみたいな人に出会ったことないです」「すごいですね」というように、相手の自己中心バイアスを刺激してあげると、相手は「だろ? 俺すごいだろ?」という感情になってきます。

そうなったタイミングを見計らって、お願い事をすれば、相手が何かをやってくれる可能性が高まります

相手を変えようとすると、対決する図式になってしまいます。ですから、相手の特徴を利用すれば、勝手に相手がこちらのニーズを読み取って動いてくれるのです。

特に自己中心的な人は、自分視点なので、人から命令されるのが嫌いです。命令された瞬間に「いや、俺のほうが正しい」と心が燃え上がります。

相手の特徴をうまく利用したほうが、賢い対応策になるのです。

☆ ☆ ☆

未来の自分のために、今日からできることを!

年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)

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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。

(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。

構成/DIME編集部

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