
人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。
そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?
この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。
年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。
人を嫌いになるきっかけの9割が匂いだった
男性は嗅覚の衰えが女性よりも速く、自分の匂いがわからなくなってしまうこともあります。実際にすごい加齢臭がしていても、本人は自分の匂いに気付いていない可能性があるので、注意が必要です。
ちなみに、若い女性特有のいい匂い(桃や花のような甘い香り)は「ラクトンC10」「ラクトンC11」という成分で、10代後半がピークで35歳でなくなってしまいます。男性の加齢臭(古本のような匂い)は「ノネナール」で、40歳頃から増加することがわかっています。
ある衝撃的な調査があります。東北大学の坂井信之先生が800人を調査した結果、「人を好きになるきっかけは見た目」「人を嫌いになるきっかけの9割は匂い」だったのです。人と接するときは、まずは自分の匂いに気を付ける必要があります。特に高齢の男性は、加齢臭を意識していい香りをつけると友人ができやすいかもしれません。また、口臭も気にしたいところです。
いい香りがすることは、脳にもいいし、友だちや知り合いも増えやすいので一石二鳥です。さらに、いい香りはその人の顔の印象をよりよく見せる効果があると言われているので、一石三鳥です。
ちなみに女性も男性よりは少ないですが、40歳くらいから加齢臭が出始めます。最新研究で加齢臭ノネナールは肌にダメージを与えることもわかっているので、見た目の老化にもつながります。
一方で、50~70歳になっても加齢臭が出ない人が半分ほどいます。こういう人は「肌を清潔にしている」あるいは「抗酸化力が強い人」だと考えられます。ノネナールは、皮脂が酸化して発生する物質で、活性酸素が多い体質になると増えるからです。
加齢臭が発生しやすい部位は「頭」と「耳の後ろ」「お腹や背中」「首の後ろ」です。
では、加齢臭はどうやって防いだらいいのでしょうか。清潔にすることは大前提ですが、具体的な方法がいくつかあります。
・マイクロバブル浴をする
シャワー浴や湯浴よりも効果があることがわかっています。
・コエンザイムQ10を摂取する
実験の結果、65~74歳の女性の加齢臭を軽減しました。
・家にいるよりも外に出る
在宅勤務のほうが出社するよりも1.5倍加齢臭が出ることが報告されています。
加齢臭は活性酸素がつくられることで起きるため、健康のバロメーターとしても活用できます。加齢臭が出る人は体が酸化しやすい人で、それは脳もダメージを受けます。過剰な脂質やアルコールはほどほどにして、抗酸化物質をたくさんとり、睡眠や適度な運動をすることで活性酸素を減らせば、加齢臭も減ってくるはずです。
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未来の自分のために、今日からできることを!
年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)
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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。
(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。
構成/DIME編集部