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知ってた?〝脳にいい〟とされるストレスの正体

2025.09.19

人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。

そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?

この記事では、書籍『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。

年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。

「いいストレス」と「悪いストレス」を分けて考える

ストレスは体にも脳にもよくありません。そんなことは知ってるよと言うかもしれないですが、ストレスのマイナス効果は、あなたの想像以上かもしれません。

たとえば、ストレスが多いと脳で炎症が起こりやすくなります。脳に損傷が起きることもあります。よくストレスがたまると胃が痛くなると言いますが、胃だけではなく脳もダメージを受けています(もちろん体のほかの部位にも悪影響があります)。

ストレスがない状態をつくることは言ってみれば最強の健康法です。歴代世界最高年齢(没年122歳)のジャンヌ・カルマンさんは、喫煙を100歳を超えてもして、自分の好きなように生きてきたので、その分ストレスがなかったようです。

ストレスがないと、睡眠の質も全く変わります。睡眠の質は認知症にも直結するので、やはりストレスは大敵です。

ただ、すべてのストレスが悪者というわけではないのです。ストレスには「悪いストレス」と「いいストレス」があります。

「悪いストレス」とは、不安や執着、怒りなど、マイナスの感情に支配されて起きるストレスです。

「いいストレス」は、新しいことに挑戦したり、運動で体に適度な負荷をかけることで起きるストレスです。

この2つをまとめてストレスと呼んでいるので混乱しそうですが、分けて考えることが大切です。

「いいストレス」は意識的に生活の中に取り入れていったほうがいいものです。

脳は軽いストレスを受けたほうが再生能力が上がります。運動をするのでもいいですし、新しいことに挑戦するのでもいい。これが認知機能を刺激して、脳を再生してくれます。

一日中ボーッとテレビを見ていると、ストレスはないかもしれませんが、脳は衰えます。修復機能も働かなくなるので、ストレスが「0」の状態は、いいこととは言えないのです。

また、飲酒をする人に朗報です。お酒も軽く飲むことは「いいストレス」を与えてくれます。ですから無理をして禁酒する必要は、脳の観点だけで見ればありません。もちろん飲みすぎは「悪いストレス」になってしまうので、適量が大切です。

と言っても適量とはどのくらいかと思うかもしれないですよね。「いいストレス」というのも、程度がわかりにくいかもしれません。そんなときは次のようにして「いいストレス」かどうかを計ってください。ストレスのセルフ判断法です。

・ストレス0とストレス10(マックス)を10段階に設定する。

・いま感じているストレスがこの10段階のどこにあるかを決める。数値は自分の感覚で大丈夫です。すごいストレスならば「8」とか、この程度なら「3」とか。

「いいストレス」はこの判断で「1~2」にある状態です。「3以上のストレス」になると「悪いストレス」に分類されます。

では「悪いストレス」を減らすには、どうしたらいいのでしょうか

悪いストレスとは、不安・執着・怒り・寂しさ・恐れ・悲しみなどが原因で起きるものと、病気や不調、過度の運動や睡眠不足などから起きるものとがあります。

病気や不調などが原因の場合は、やはりその元を治す必要があります。

一方で、不安や執着など、メンタル面の悪いストレスは解消方法があるので、それを紹介します。

■悪いストレスの解消方法

・不安の消し方

不安がなくなりスッキリするまで書き出す

不安は、準備ができていないとき、方法がわからないときに感じます。だから、不安をなぜ感じるのか、それをなくすためには何があればいいかを、思いつくままに書いていきます。不安の原因を特定することで、不安が消えていくこともあるからです。

・執着の消し方

遠い場所に移動してみる

たとえば旅行に行ったとき、悩んでいたことがちっぽけに思えることがあります。私たちは執着している結果や人、出来事と距離をとると、その対象を客観的に見ることができます。これを「オーバービューエフェクト」と言います。場所を変えると、「客観視」を司る前頭前野が活性化しやすくなるため、冷静に物事を見ることができるようになります

何かに執着しているときは、旅行に行ったり、普段と違う場所で1日過ごしてみることをおすすめします。物事を大局的に見たとき、執着していたものがとても小さく思えたりします。

・寂しさの消し方

人とつながるのが一番ですが、それができないときは「自然や大好きなものとつながること」です。つながりは人間だけでなく、 自然、動物、物、なんでもいいです。

特に注目されているのが、ガーデニングです。

ガーデニングは世界でも注目されていて、シンガポールでは孤独とうつを防ぐために高齢者にガーデニングを推奨しています。

ブリストル大学の研究で、土と触れ合うと、土の中にいる細菌がセロトニンの分泌を促進するため、幸福度が上がるとも言われています。また、ガーデニングは低強度の運動のため、長い時間無理なく動くことができ、若返り効果のあるサーチュイン遺伝子の活性化も期待できます。

・怒りの消し方

2週間、利き手と反対の手を意識的に使ってみる(食事のとき、ドアを開けるとき、何かをとるとき、コップを持つときなど)

怒りの感情は、脳の自制心を司る前頭前野の活動が衰えると抑えられなくなります。たとえば、大勢の前で怒鳴りちらすことがないのは、怒りが起こっても「大勢の前だから」と理性(自制心)が活性化して、怒りの気持ちを消してくれるからです。利き手と反対の手を使うということは、普段使っていない部分を意識して動かさないといけないため、自制心が鍛えられます。すると、怒りもコントロールしやすくなるわけです。

また、自制心は、感謝することや人を許す気持ちと関係しています。感謝や許す気持ちを常に持っている人は、突発的な怒りが少ないというデータもあります。日頃、感謝の気持ちを人に伝えたり、感謝できることを何かに書き出すことも、怒りを消す方法としておすすめです。

☆ ☆ ☆

未来の自分のために、今日からできることを!

年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)

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楽天ブックスで購入する

いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。

(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。

構成/DIME編集部

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