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齢を重ねると怒りっぽくなるのはなぜ?性格が〝ガンコ化〟する本当の理由

2025.09.15

人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。

そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「増量版 脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?

この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。

年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。

歳とともにガンコになる人とずっと柔軟な人は何が違うのか?

加齢とともに年々怒りっぽくなったり、ガンコになる人もいれば、いくつになっても柔軟な考え方を持ち、しなやかなイメージの人もいます。

以前、相談を受けた70代の男性は「ガンコな自分に全く気付いていないわけではなく、できればいつまでも柔らかい頭でいたいと思っていても、ついついガンコな部分が出てきてしまい、自己嫌悪に陥ってしまう」と話していました。

ガンコとは、自分が正しいと思うことを変えないことです。

「自分が正しい」「自分が正義」そういう思いが強すぎて、人の意見をなかなか認められないわけです。

これは「脳のバイアス」(偏った考え方)が関係しています。バイアスが「ガンコな思考」を生み出しています

それともうひとつ、ガンコさには「マインドセット」も関係します。「マインドセット」とは、その人がそれまでの人生の中で構築してきた固定化された考え方のことです。価値観や信念、それに思い込みなども含まれた、その人の考え方のベースです。

ガンコは「保守化バイアス」「サンクコスト効果」というバイアスと、「硬直マインドセット」の3つの要素が生み出しています。

「保守化バイアス」とは、新しい情報や証拠などを出されても、自分の信念や考え方を修正することなく、自分の考えに固執してしまう考え方です。

よくある「最近の若者はダメだ」「自分たちの若い頃はもっとやっていた」といった、自分たちが生きてきた時代を肯定する考え、若い人を否定する考えは、まさに保守化バイアスが脳に広がっている状態です。

このバイアスが強いと変化に鈍くなり、まわりからも「ガンコ」「頭が固い」という評価をされてしまいます。

保守化バイアスを軽減する方法は、新しいものに触れる頻度を上げることです。まさに、この本で老人脳の予防法として紹介していることです。新しいものに触れる機会が多くなれば、保守化バイアスは弱まるはずです。

それともうひとつ、これは保守化バイアスだけでなく、あらゆるバイアスに対して言えることですが、「自分がそのバイアス(考え方)の影響を受けていることを自覚する」ことが大切です。自覚しているだけで改善のきっかけになるので、ガンコだと周りから言われたり、自分でそう思ったときはこの対策をしてみてください。

2つ目は「サンクコスト効果」です。これもバイアスのひとつで、信じてコツコツと積み上げてきたことがもし間違いだと明らかになっても、かけてきたコストが無駄になることを恐れて、いまの行動を正当化しようとする脳の働きです。サンクは沈んだ(sunk)という意味で、日本語で「埋没費用」と言います。これまで信じてきたことが無駄にならないように、たとえ周りから見ると理不尽な選択であったとしてもそれを正当化し、しがみつき続けてしまいます。あまりメリットはないとわかっていても、意地で自分の意見を押し通します。

継続してきた勉強法で成果が出なくても、そのまま続けてしまう。やっているダイエット法が自分には効果がないことが明確になっても続けてしまう。こうした自分のやっていることを否定したくない理由でとってしまう言動には脳の働きがあることを認識し、気にしておくだけでガンコさの軽減につながります。

■しなやかマインドセットを持つ

3つ目は「硬直マインドセット」です。

「マインドセット」は、その人の考えのベースになるもので、ガンコな人と柔軟性のある人は、このマインドセットが違っています。ガンコな人は「硬直マインドセット」、柔軟な人は「しなやかマインドセット」があります。

マインドセットが自分の能力や行動にどう影響するかということはカリフォルニア大学の研究で、かなりわかってきています。

ガンコな人は「自分の能力は生まれつき決まっている」と信じている人が多いのです。一方で柔軟性があって成長意欲が高い人は、「脳は使えば使うほどよくなっていく。能力はどんどん上がっていく」と信じている人が多いです。

この思考の違いによって、人生が大きく変わります

成長意欲が高い人の学習能力は伸びやすく、自分の能力は生まれつき決まっていると考える人の学習能力は伸びにくい傾向にあります。

これには環境も影響します。成長意欲の高い親の子どもは成長意欲が高くなりやすいですし、仕事でも成長意欲の高い人がいる組織は、全体の成長意欲も高まりやすくなります。もちろん逆もです。

過去の自分の考えにとらわれていると「ガンコ」はますます硬直化していきます。そういった自分を変えるためには、くり返しになりますが「新しい体験の数を増やすこと」と「ドーパミンを増やすこと」の2つです。

たくさんの新しい体験をした人ほど、考えや視点が増えて柔軟性が増してきますし、ドーパミンを増やすことで意欲が高まり、相手を理解しようという気持ちも高まります。

☆ ☆ ☆

未来の自分のために、今日からできることを!

年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)

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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。

(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。

構成/DIME編集部

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