
人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。
そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?
この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。
年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。
「書く」ことが怒りや恨みを消してくれる
「書く」ことは曖昧なものの解像度が上がり、見える化できるので、脳の認知機能にとっていいことばかりです。
心理学でトラウマを解消する方法のひとつに「書く」という方法があります。実は人に「話す」よりも「書き出す」ほうが効果があると言われています。
書き方は簡単です。「スッキリするまで、とにかく書き出す」だけです。ストレスに感じていることを思いっきり書き出していきます。
スッキリするまでは、自分にウソをつかずに、とにかく思ったことを書き出します。罵詈雑言でもOKです。思ったことを一滴も自分の中に残さない感じで、全部を書き出してしまうのです。
この方法は、アメリカのトラウマ治療で実際に行われています。
書き出す時間は人によってまちまちです。10分で終わる人もいますし、1時間の人もいます。1日かかる人もいれば、1週間かかる人もいます。
すると、心が少し軽くなることに、書いている本人がだんだん気付いてきます。イメージとしては心が落ち着いてくる感じです。そして、さらに書き続けることで、だんだんとトラウマがなくなっていく可能性が高まります。
完全になくなったら、その後しばらくの間は、書き出したことを見返さないことです。最低でも1カ月は見返さない。そして、1カ月後に見てみると、「あれ、こんなこと思っていたんだっけ」くらいのものになっているはずです。
トラウマに限らず、怒りや恨みを消す方法としても有効です。
私たちは頭の中で1日に数千~数万回も思考をしています。ほとんどの思考は、ちゃんと整理されていたり、言語化されているわけではなく、感情とくっついた状態でモヤモヤと出てきています。
書くことは、そこから一言一言を選び出していく行為です。ですから、考えや気持ちが整理されていくのです。
また、書くことは体の運動機能も使っています。これも脳にとってプラスの作用になります。
ぜひ、「書く」ことを生活の中にうまく取り入れていってください。
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未来の自分のために、今日からできることを!
年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)
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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。
(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。
構成/DIME編集部