
人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。
そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?
この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。
年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。
人生を楽しませてくれる100のメニュー
人生の目的はなんですか?
そう聞かれたとき、あなたならどう答えるでしょうか。
スーパーエイジャーたちに共通する「人生の目的」がありました。それは「この瞬間を楽しむこと」です。
仕事で出世したい
マイホームを手に入れたい
収入をもっと増やしたい
人からもっと称賛されたい/目立ちたい
何かを成し遂げたい
若いときはこういう思いを持っていた人もいるかもしれませんが、高齢になっても元気に活動しているスーパーエイジャーは「いまを楽しむこと」に貪欲です。
一方で、元気のない高齢者に話を聞くとこんな言葉が出てきます。
「何をしても楽しくない」
「生きていてもつまらない。死ぬのを待っているような状態」
できれば、人生最期のときに「楽しい人生だった」「いい人生だった」と思ってお別れしたいですよね。だからこそ、「楽しむ」を脇に置かず、「楽しむ」を優先して日々を送りたいものです。
そんなことを言っても、楽しむ方法がわからないという声があったので、「西式 自分を楽しませてくれる100のメニュー」をつくりました。
きょうやることを見つけてもらうための100のリストです。何をしたらいいかわからない人でも、このリストを見れば「これがやりたい」というものが見つかるはずです。
それでもまだ何をしていいかわからない人は、ダーツのように目を閉じてエイヤ! で指を差してその項目を実行するでもいいし、100枚のカードにしてランダムに選んでもいいです。
もちろん、これは脳にとっても刺激があり、認知機能を高め、老人脳を予防する効果もあります。
ちなみに、紹介する100のメニューは私が選んだものですが、もし自分流のものをつくりたいときは、自分で100個書き出すのもいいと思います。
このリストの中には「旅行の予約を入れる」というメニューもあります。先に説明したように、旅行の予約を入れただけで幸福度が上がります。遠足の前の日にワクワクする、デートのある週はずっとハッピーになる、そんなイメージです。
さらにすごいのは、旅行の計画の場合は、直近ではなく、半年後の旅行の予約を入れるということでも幸福度につながります。
6カ月後に理想の場所に行くと思うだけで、なんだか期待感が膨らみ、日々の生活に活力が生まれます。
人生を楽しむためには、いろいろな工夫が必要です。
この100のメニューもぜひそのひとつに加えてください。
■自分を楽しませてくれる100のメニュー
1 好きな映像を見る
2 好きな音楽を聴く
3 旅行の予約をする
4 新しいお店に行く
5 新しいパンを食べてみる
6 お取り寄せしてみる
7 美しい花を部屋に飾る
8 植物に水をあげる
9 動物をなでる
10 好きな友だちと話す
11 緑を見る
12 フワフワしたものに触れる
13 新しい洋服を買ってみる
14 靴下の色をカラフルにしてみる
15 爪をキレイに整える(ネイルをする)
16 太陽の光を浴びる
17 波の音を聴く
18 小鳥のさえずりを聴く
19 川が流れる音を聴く
20 鼻歌を歌ってみる
21 深呼吸してみる
22 肌触りのよいパジャマを買う
23 極上の枕を買う
24 髪の分け目を少しだけ変えてみる
25 髪の色を変える
26 ミニシエスタ(昼寝30分)をする
27 空を眺める
28 お風呂に新しい入浴剤を入れる
29 キャンドルの火を眺める
30 楽しいダンスの映像を見る
31 いつもより10センチだけ大股で歩いてみる
32 背筋をグッと伸ばす
33 マッサージを受ける
34 温かい飲み物を飲む
35 1分だけ新しいことを行動してみる
36 星を眺める
37 一人の時間を持つ
38 小さな親切をする
39 ユーモアを言ってみる
40 お笑い番組を見る
41 美味しいものを食べる
42 プチ贅沢をする
43 誰かを応援する
44 ガーデニングをする(土と触れ合う)
45 水と触れ合う
46 美味しい空気を吸う
47 好きな香水をつける
48 室内で香をたく
49 新しい家電を買う
50 シャワーヘッドを変えてみる
51 電子ゲームに少しだけ触れてみる
52 スポーツに触れる
53 メイクを変えてみる
54 シャンプーを変えてみる
55 ハンドソープをよい香りのものにする
56 下着の色を変える
57 モデルルームで理想の家を体験する
58 憧れの新車に試乗してみる
59 見たかった映画を見てみる
60 行きたかったホテルに泊まってみる
61 憧れのレストランで食事してみる
62 書店に行ってみる
63 好きな乗り物に乗る
64 新しい色や形の靴を買ってみる
65 飲んだことのないお酒を飲んでみる
66 インターネットで好きなものを検索してみる
67 晩酌に好きなつまみを買ってみる
68 朝ごはんを少し豪華にしてみる
69 眼鏡のフレームを新しく変える
70 サプライズを仕掛ける
71 クッションを変える
72 あいづちを増やしてみる
73 よく噛んで食べる
74 夜の部屋の明かりを暖色系に変える
75 好きな人の写真をはる
76 宝くじを買ってみる
77 ビュッフェに行く
78 幸せだったことを思い出してみる
79 感謝の手紙を書く
80 文通相手を探してみる
81 思考ゲームをする(オセロ、将棋、クロスワードパズルなど)
82 読書をする
83 部屋の模様替えをする
84 異性や年代が違う人と接してみる
85 お茶を飲む用に質のよいカップを買う
86 生き物を育てる
87 新しい道を歩いてみる
88 好きなお店を見つける
89 懐メロを歌ってみる
90 人によい情報を教える
91 理想の姿を想像する
92 スマホで新しいアプリをダウンロードする
93 物に名前をつけてみる
94 肉や乳製品を食べてみる
95 食事の香りを堪能してみる
96 質のよいものをひとつだけ身につける
97 ベッドの位置を変える
98 憧れのお皿を買ってみる
99 脳活ドリブルをする
100 家族や友人、同僚に感謝の言葉を伝える
☆ ☆ ☆
未来の自分のために、今日からできることを!
年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)
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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。
(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。
構成/DIME編集部