
人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。
そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?
この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。
年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。
手で書く習慣が脳の認知機能を上げる
デジタル機器を使うことで脳が活性化されることもありますが、一方で「手書き」も脳の認知機能へのプラス効果が高いので、どちらも取り入れたほうがいいと思います。手で書くことは特に記憶の定着に効果があります。
脳の活動は「キーボードでタイピングしているとき」より「手書きのとき」のほうが活発になります。手書きは体を動かすだけでなく、視覚、筆記の音、感触など、五感から刺激が入るため、記憶に残りやすいのです。若い頃、勉強で手書きノートを工夫してつくった人も多いと思いますが、ノートに書くことはこういう理由から意味があったわけです。
また、スケジュール管理も手帳に手書きで書き込んだほうが、デジタルの予定表を使うよりも、記憶を想起するときに脳の活動が活発になります。
ほかにも手書きの効果はいろいろあります。
たとえば手紙を書くことは、認知機能の向上に効果があります。特に文通は、「手書きの効能」×「人とのコミュニケーション」とダブルに働くので、ぜひおすすめです。
手書きによるコミュニケーションは、「デジタルでタイプした文字」と比べて思いが伝わりやすく、よりポジティブな効果が望めます。ただ同じ手書きでも速記の場合は残念ながらその効果が弱まります。要は、丁寧に文字を書くことなのです。丁寧に書いた文字が相手にプラスの影響をもたらすわけです。丁寧に書くことはミラーニューロン効果(鏡のように自分にはね返ってくる効果)で結果的に自分のことも大切にできるため、一石二鳥です。
また、「感謝の手紙を書く」と人生の満足度が高まるという研究結果もあります。感謝の手紙は、自分が想像している以上に相手が喜んでくれることがあるからです。それによって心の距離が近づき、信頼関係が生まれることもあるので、何かをしてもらったときは感謝の手紙を書くことを習慣化していくのもいいと思います。幸せも実感できるとてもいい習慣です。
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未来の自分のために、今日からできることを!
年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)
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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。
(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。
構成/DIME編集部