人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。
そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?
この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。
年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。
65歳を過ぎたらどんどんデジタルツールを活用したほうがいい理由
老人脳になりやすい人の特徴にひとつに「新しいことに挑戦しない」ということがあります(ここまでに何度か紹介してきました)。
慣れたことならいいけれど、新しいことにトライするのは面倒で、不安。自分にはできないと勝手に決めつけている。でも、それでは脳の老化が進みます。
小さなことでいいので、新しいことにトライしてみてください。
スマホとの付き合い方は先ほど解説しましたが、X(Twitter)やInstagram、Facebook などのSNSは、高齢者ほどやったほうがいいと私は思っています。認知機能を上げる「脳活効果」をかなり期待できるからです。言ってみれば「脳活SNS」という感じです(もちろん、適度な付き合い方が大事です)。
私たちは、つながりと自分の時間、この2つを持つことが大切です。特に高齢になって、外に出て人と会うことが少なくなった人は、人とのコミュニケーションをとるツールとしてSNSを活用することをおすすめします。
「自分にはSNSはハードルが高い」と感じる人は、まずは、インターネットで、好きな食べ物やお店、商品、アーティストや音楽、ニュースなどを検索するだけでも大丈夫です。私たちの脳は、複数の中から選択するとドーパミンが出ることがわかっています。好きな記事やサイトをクリックして選択するだけで、脳が活性化します。
たとえば、見たい映画があった場合、インターネットで「映画名」を入れてみましょう。すると、映画の詳しい情報や映像、主演の人のインタビューなども掲載されていて、映画がもっと楽しくなったり、意外な情報などもあって、脳が更に活性化しやすくなります。
その他、「全国のお菓子」「地方の郷土料理」などもインターネットで検索して、購入することができます。その土地のものを食べるだけで、五感が刺激されて更なる脳の活性化につながっていくでしょう。
SNSだけでなく、認知機能を上げるためにデジタルツールを積極的に活用してほしいので、その方法を紹介します。
たとえば、旅行に行くことが難しい場合は、Google Earthなどを使ったバーチャル旅行をしてみましょう。実際に旅行に行くのではなく、バーチャルで効果があるのかと思うかもしれませんが、脳の活性化という側面でみると、バーチャルでも十分効果があります。
脳は「イメージしたこと」と「現実」をあまり区別できません。味覚と嗅覚はどうにか区別できますが、それ以外のものは、現実ではなくバーチャルなものであっても、同じ反応をするのです。
ですから、もし実体験が難しかったら、バーチャルな体験をするのでもいいですし、インターネットを活用するのもいいのです。
実際にインターネットが高齢者の脳を活性化するという研究データも出ていますし、インターネットで検索することは知力を押し上げるとも言われています。
デジタル機器は、脳にさまざまな刺激をもたらすツールです。ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
ただし、デジタル機器を使うときには注意も必要です。スマホとの付き合い方と重なる部分もありますが、次の3つは特に注意してください。
・寝る前に見ない
・1日の使用時間を決める
・姿勢に気をつける。座りすぎにも注意
この点を守って、トライしてもらえたらと思います。
☆ ☆ ☆
未来の自分のために、今日からできることを!
年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)
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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。
(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。
構成/DIME編集部







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