
人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。
そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?
この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。
年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。
室温・湿度で作業効率も変わる
部屋の温度が集中力や作業効率に影響するとわかっています。寒かったり、暑かったりすると、やはり効率は落ちるのですね。脳の状態にも大きく影響します。
アメリカの実験でこんなものがあります。フロリダにある保険会社で、主にパソコン作業をしている女性を対象に、室温と作業の効率を調べる実験が行われました。
フロリダは避暑地としても有名ですが、年間通して暖かい場所です。オフィスでは冷房がついていることが多いのですが、室温が20度のときよりも25度のときのほうが、圧倒的に作業効率が上がったそうです。
タイピングミスが44%減少
タイプする文字量が150%増加
すごい違いです。室温を変えただけでこんなに違うなら、1年通したらどれだけ差が出ることでしょうか。
ちなみに、寒いだけでなく、室温が高くなりすぎるのもNGです。室温が25度を超えると、1度上がるごとにパフォーマンスが2%低下したそうです。
ヘルシンキ工業大学の研究では、オフィスワークをする人を対象にリサーチした結果、22度が最も作業効率が上がる温度だったそうです。
また、湿度も大切です。湿度が35%以下になると乾燥でまばたきの回数が増えるため作業効率が下がったり、70%以上だと疲れを感じやすくなることも指摘されています。私もいまでは湿度管理ができる空気清浄機をリビングに置いているのですが、部屋が快適だと集中とリラックスの状態が生み出されやすくなるため、同じ時間でも多くの仕事がこなせるようになり、目も疲れにくく仕事がはかどるようになりました。
集中力が落ちてきたという自覚がある人は、部屋の温度と湿度に注意を向けてみてください。
また、子どもの勉強効率も同様に上がります。子どもや孫が勉強に集中できる室温や湿度を、ぜひ設定してあげてください。
☆ ☆ ☆
未来の自分のために、今日からできることを!
年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)
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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。
(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。
構成/DIME編集部