
マーケティングアプリケーションズは、グループ会社のWOW WORLD、ニューストリームの両社と共同で、関東の私立大学7校の卒業生700名を対象に「大学ブランド力に関するNPS(※)調査」を実施。結果をグラフや図表にまとめて発表した。
本稿では同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。
NPS調査により卒業生が考える各大学の魅力や改善課題を可視化
※ NPSとは、Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)の略で、顧客がどれだけその商品やサービスを他人に推薦したいかを測定する指標。顧客満足度やロイヤルティ(信頼や愛着、忠誠心)の評価に使用される。 Net PromoterおよびNPS、Predictive NPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標。
■調査の背景について
近年の少子化の進行により、日本の私立大学では、入学志願者の減少が深刻な課題となっている。大学が安定的な経営を維持するためには、志願者を確保し続けることが不可欠であり、そのためにはブランド力の戦略的な管理・強化が重要だと言われている。
そこで、同社グループではNPSを軸とした大学ブランド調査を実施することで、卒業生の視点から見た各大学の魅力や改善課題を可視化。大学経営の意思決定に活用してもらうことを目的に、関東私立大学7校(早慶・MARCH)の卒業生700名を対象とした独自調査を行なった。
調査結果(抜粋):早稲田大学が7大学の中で最も良いスコアに
NPSの基本設問となる「あなたの大学を知り合いの受験生にどの程度薦めたいと思いますか?(0~10の11段階で回答)」を軸に、以降の質問では推奨度に影響を与える「学習環境・教育の質」「学生生活・キャンパスライフ」「立地・施設」「卒業後の進路・将来のメリット」などについて5段階評価で質問して、回答を分析した。
その結果、全体の比較においては早稲田大学が7大学の中で最も良いスコアとなり、メンタルヘルスや学生生活全般の相談体制は7大学ともスコアが低いことがわかった。
NPSについては早稲田大学が最も推奨者が多く、総合的に高いスコアとなっている。

一方、他の大学では中立者や批判者の割合が高く、推奨度を下げる要因となっている。このことから、中立者を推奨者に引き上げる施策や、批判者を減らすための改善策が各大学で求められていることが明らかになった。

NPSが最も高かった早稲田大学についてポートフォリオ分析をしたところ、全体的に満足度が高いことが判明した。学生支援分野や学生生活分野、卒業後分野では弱みである重点改善項目が多いものの、学習・教育分野においては重点維持項目が集中しており、それらが同大学の強みであることが示されている。

◎各大学別の詳細な調査結果はこちらから
「早慶・MARCH私立大学ブランド力NPS調査」
https://www.webcas.jp/form/cxscore-university-input/
調査概要
内容/早慶・MARCH私立大学の大学ブランド力NPS調査
調査主体/株式会社WOW WORLD、株式会社ニューストリーム、株式会社マーケティングアプリケーションズ
調査方法/インターネットアンケート調査(調査ツール:MApps forSurvey)
調査期間/2025年5月14日~5月25日の12日間
調査対象者/早稲田大学・慶應義塾大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の卒業生(2018年~2025年卒業)
有効回答数/700名(男性:303人、女性397人/各大学100名ずつ)
構成/清水眞希