
人生100年時代。年齢を重ねることは、経験と知恵が深まる素晴らしい旅です。でも、一方で記憶力や集中力の低下に不安を感じることがあるかもしれません。
そんな中、脳科学者・西剛志氏が提案するのは、「脳の若さ」を保つためのシンプルな習慣。実際に、80歳を過ぎても好奇心を持ち続け、学びを楽しむ人たちが実践していることとは?
この記事では、書籍『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』から、脳を元気に保つヒントを抜粋・再編集してわかりやすくご紹介します。
年齢に関係なく、今から始められる「脳のメンテナンス」を一緒に学びましょう。
いくつになっても「生きがい」があるだけで脳は大きく変化する
「生きがいはなんですか?」
そう聞かれて、あなたならどう答えるでしょうか? 即答できた人は、脳の認知機能が衰えにくい人です。
アメリカで「生きがいと脳の関係性」を調べたこんな研究があります。
■調査内容
250人の高齢者を10年にわたり調査し、亡くなったときに脳を解剖。
すると、生前に生きがいを持っている人と持っていない人で明らかな違いが判明。
生きがいがある人は、脳が萎縮していても認知機能が高い。
生きがいはこういうものじゃなきゃいけないということはありません。その人が心からそう思えればなんでも大丈夫です。
植物を育てたい、切手を集めたい、ゴルフを極めたい、孫を育てる助けをしたい……、本当になんでもいいのです。
たとえば、アイドルを応援することが生きがいだというならそれでいいですし、スポーツのサポーターを本気でやるのもいいと思います。旅行を生きがいにするのもいいですね。旅行に行くという目標を設定するだけで実は認知機能が上がることがわかっています。
旅行の計画があると、その旅行に行くまでの間、なんだか頑張れたり元気が出たりしませんか? あの感覚です。計画を立てただけで脳の前頭前野が活性化しています。
また、大きな生きがいではなく小さく達成しやすい生きがいのほうが、前頭前野の先端にある前頭極と呼ばれる領域が活性化することもわかっています。
反対に生きがいがないと、脳の機能は下がってしまう可能性があります。
特に、外に出ない、運動もしない、さらに生きる目標もないとなると、脳にとってはマイナスが幾重にも重なってしまいます。認知症のリスクも当然高まります。
生きる目標を日常の中に組み込めるといいですね。
年間の目標であれば、旅行とか、コンサートに行くとか。日常の目標であれば、「この仕事が終わったらケーキを食べよう」とか。
毎晩の晩酌を楽しみに働いている人もいますが、これも脳科学的には正しい行動です。老人脳を改善したり、予防できる効果が期待できます。
☆ ☆ ☆
未来の自分のために、今日からできることを!
年齢に関係なく、脳も心も、日々の習慣で変えていけます。小さな一歩が、未来の自分を大きく変えるかもしれません。ぜひ、今日からできることをひとつ、始めてみませんか?

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』
著者西 剛志
発売日2022年8月13日
価格1400円(税別)
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いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法を伝授!スーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るコツを届ける一冊です。
(著者情報)
西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表取締役。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院非常講師や特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。 子育てからビジネス、スポーツまで世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、大人から子どもまで才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めて1万人以上をサポート。テレビなどの各種メディア出演も多数。著作は『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(アスコム)をはじめとして累計発行部数10万部を突破。
構成/DIME編集部