東急ハーヴェスト、エクシブなど再び注目を集める「リゾート会員権」は投資か？それとも負債か？

夏の蒸し暑い都会を離れ、軽井沢の緑陰や八ヶ岳の澄んだ空気に身を置きたい。ワーケーションの拠点が欲しい…。

そんな希望を実現すべく、かつて一世を風靡した「リゾート会員権」が再び注目を集めつつある。しかし、その輝かしい響きの裏で、バブル期に「負の遺産」と化したのもまた事実である。

果たして、令和時代でのリゾート会員権は、我々の人生を豊かにしてくれる「資産」なのか。それとも、気づかぬうちに家計を追い込む「負債」なのか。本記事でまとめた。

リゾート会員権の需要はコロナ禍以降成長の兆し

リゾートトラスト社は、この業界のトップ企業であるが、その契約高データを見てみると、コロナ禍を境に伸び始めている。

平日に仕事をするワーケーション拠点や、インバウンド需要による主要観光地のホテル価格の高騰に対してのコスパの良さなどの需要が、リゾート会員権の需要は個人富裕層、法人ともに高まっていると考えられる。

そもそもリゾート会員権とはどういう仕組み？

リゾート会員権は、特定の保養施設群を優先的に利用する権利である。「ホテル」と「別荘」の中間的な存在と捉えると理解しやすい。

バブル期は値上がり益を狙う投機対象になりがちだったが、現在は、実際の利用価値を求める対価となっている。その権利は以下の3つの大別できる。

（1） 所有権型

不動産（土地・建物）の持分を、複数の会員と共同で所有する形態で、不動産として登記され、固定資産税も発生する。資産性は高いが、手放したい時に売却しにくい流動性の低さがデメリットもある。東急ハーヴェストクラブがこの形態を採用している。

（2） 利用権型

運営会社に預託金を預け、施設を利用する権利を得る。不動産所有権はないため資産性は低いですが、初期投資や税金の負担は軽くなる。

（3） タイムシェア型

特定の部屋を1週間などの単位で「時間所有」する。ハワイなどの海外リゾートで主流だが、日本では、エクシブがこの方式を採用し、権利を他の会員と交換したり、利用しない権利を預けたりできるシステムもある。

リゾート会員権を手掛ける企業とブランド例

これらの企業以外にも、鉄道会社系やホテルチェーンなどが運営する会員制リゾートがある。

ホテルや別荘との違い

不特定多数が利用するホテルとは異なり、利用者が会員に限定されるため、一定のプライベート感と帰属意識「自分のリゾート」感覚が得られる。また、GWやお盆などの繁忙期でも、一般のホテルより予約が取りやすい「優先利用権」が最大のメリットである。

また、別荘を個人で所有する場合、清掃や管理、修繕といった手間とコストが常に付きまとう。リゾート会員権だと、運営会社が管理を行なうため、手間なく常に快適な状態の施設を利用できる。また、一つの別荘に縛られることなく、全国に展開する複数の拠点を気分や目的に合わせて利用できる違いもある。

東急ハーヴェスト vs エクシブ それぞれの特長

実利用価値を重視する現在の市場で注目されているブランドに「東急ハーヴェストクラブ」と「エクシブ」がある。その思想とシステムは大きく異なり、どちらが優れているかではなく、どちらが自分のライフスタイルに合うかを見極めることが重要だ。

特定の場所を「ホーム」として家族とカジュアルに過ごしたいならハーヴェスト。様々な施設で「非日常」という贅沢を味わいたいならエクシブが選択肢となる。