
毎日暑い日が続く中、スマートフォンを操作しながら不具合が生じていないだろうか。スマホも熱を持つと熱中症になるといわれる。
人の熱中症対策は水分補給や体を冷やすことだが、スマホには同様の対策を行ってはいけない。スマホ熱中症の正しい対処法とNG対処法、素朴な疑問をスマホ製造メーカーに聞いた。
スマホ熱中症とは?
スマホ熱中症とは、高温環境下でスマホを使い続けた際に、スマホの内部に熱がこもって劣化や不具合を生じる症状をいう。
●よくある症状
・画面が暗くなる
・動作が遅くなる
・フリーズする
・故障する
スマホ熱中症の正しい対処法とNGな対処法
スマホ熱中症が疑われた際の正しい対処法とNGな対処法それぞれについて、AQUOSを手がけるシャープと、OPPOを手がけるオウガ・ジャパンの担当者の回答をもとに紹介する。
●正しい対処法
1.操作や充電を中止する
まず、負荷のかかるアプリの使用や充電を中止することだ。特にゲームや動画撮影、テザリングなどは高負荷となる。内部の部品からの発熱を抑えることが大事だ。また一時的に受発信しないようにする「機内モード」をオンにするのもおすすめだ。
2.風通しの良い涼しい場所へ移動する
直射日光を避け、風通しの良い涼しい場所に移動させよう。ケースを装着している場合は外すことで熱がこもるのを防げる。
オウガ・ジャパン株式会社 プロダクト部の丹下紘彰氏によれば「高温警告が表示された場合は、自然に温度が下がるまで待ってから再使用することが最も安全」という。
●NGな対処法
・冷蔵庫や冷凍庫に入れる
・保冷剤や氷水で直接冷やす
これらの行為は、急激な温度変化により結露して内部のショートや故障の原因となるため厳禁だ。
10円玉やモバイル扇風機は使える?
ところで、スマホ冷却方法として「10円玉を背面に当てる」「モバイル扇風機の風を当てる」といった方法が話題になることがある。これらは実際に有効なのだろうか?
●10円玉を当てる
10円玉の原料「銅」は熱伝導率が高いため、スマホの熱を吸収する効果が期待できるが、その効果は限定的で、著しく温度を下げるほどの効果はないという。
●モバイル扇風機
モバイル扇風機で風を当てる方法は、スマホの表面から熱を奪い、効率的に冷却するのに有効だという。ただし注意点がある。
シャープ株式会社 通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部の今井啓介氏は「エアコンの冷風を直接当てるなど、急激に冷やしすぎるのは結露の危険性があるため注意が必要です」と注意喚起する。
またオウガ・ジャパン丹下氏は「小型扇風機は空気の流れを作り、自然放熱を促すため、硬貨よりも効果が期待できますが、軽度の過熱時にのみ有効であり、深刻な過熱には不十分です。結局のところ、安全で確実な方法は、使用を中止し、日陰で自然に冷ますことです」と述べた。