
近年、SNSではショート動画をよく目にするようになった。
特にInstagramではリールと呼ばれるショート動画を投稿できるが、まだフィード投稿などと比べて、そのノウハウを会得していないところもあるのではないだろうか。
そこで今回は、Instagram集客のプロに、集客の面からリールでやってはいけないことや集客テクニックを聞いた。
Instagramのリールの需要
今回話を聞いたのは、株式会社サイバー・バズでSNSマーケティング支援に携わる宮田桂氏だ。日々、企業などのInstagramなどのSNSマーケティングをサポートしている。
近年、Instagramのリールの需要の状況に変化はあるのだろうか。
【取材協力】
宮田 桂氏
株式会社サイバー・バズ ソーシャルメディア事業部 エグゼクティブ
SNSマーケティングにおける戦略立案・コミュニケーション設計・企画・メディアプランニングに従事。2025年4月より営業本部長からエグゼクティブに転換。SNSを通じた生活者とのコミュニケーションにより、幅広い業種におけるブランド・サービス課題解決に取り組む。
「Instagramのアルゴリズムの変化により、タイムライン・発見タブ共にリールの表示枠が増加しています。特に日常的にリール視聴時間が長いユーザーは発見タブの表示が全面リールになるなど、生活者のショート動画需要に合わせ、リールのレコメンドが強化されています。
リール投稿の効果としてはフォロワー外流入を獲得できる点が大きく、フィード投稿に比べ3~8倍のフォロワー外インプレッション(※1)の実績が出ています(サイバー・バズ子会社、株式会社ソーシャルベース調べ)」
※1 自分以外のユーザーに、アカウントのコンテンツが閲覧された回数
Instagramのリール投稿前のNG行動5選
知らず知らずのうちに、集客の面からこんなNG行動をとってしまっていたら気をつけたい。
まずは投稿前のNG行動から、宮田氏にピックアップしてもらった。
1.サムネイル、表示(セーフゾーン)を無視したクリエイティブを作る
「リール投稿時には静止画のサムネイルも投稿しますが、サムネイルと動画が連動していなかったり、セーフゾーンというプロフィールアイコンなどで隠れない位置にコンテンツを適切に配置するなどの配慮がないと、閲覧者にアカウントイメージが煩雑な印象を与えかねません」
2.無音視聴を想定せずにテロップを軽視する
「Meta社の公開情報では、Instagramの音あり視聴は90%超ですが、視聴タイミングによっては無音視聴ユーザーもいます。無音視聴を想定せず、テロップなどの視覚的要素を入れていないことが、効果を下げる要因になるかもしれません」
3.トレンドやミーム(※2)に飛びつき、なんとなく投稿する
「トレンド=集客コンテンツとは限りません。トレンドやミームのエッセンスを動画に取り入れることは重要ですが、本来の目的とターゲットを前提に置いた動画制作が大前提です」
※2 SNSなどで模倣されて拡散する面白ネタ
4.フィード面に表示させない設定で投稿する
「リール投稿時に、フィード面に表示させない設定にすることもできますが、リール・フィード両面からの流入・視聴を狙えるチャンスを逃すことになります。フィード面に表示させ、なじむようなサムネイルの工夫をしましょう」
5.他プラットフォーム用動画を転用する
「TikTokなどの他のプラットフォームのロゴ入り動画を転用することは、Instagramが公式に『リーチ(投稿の届く範囲)を制限する可能性がある』と示唆している、明確なNG行動です」