
GoogleのChromebookは、WindowsやMacと比べて安価な設定のモデルが多く、高速起動や高いセキュリティが魅力のノートPCです。クラウド中心の運用で、仕事や学習、スマホ連携にも役立ちます。コストを抑えつつ快適なPCを求める初心者におすすめなので、その使い方をご紹介します。
目次
ノートPCといえばWindows PCやMacシリーズが主流ですが、ネットを利用したクラウドサービスの充実により、グーグルのChrome OSを搭載した、Chromebookと呼ばれる製品が、続々と登場しています。
Chromebookの魅力は、Windows PCやMacシリーズと比較して、安価に購入できる点。その分、一般的なPCとは違う、特徴的な使い方、機能が求められます。
そこで本記事では、Chromebookの特徴や、基本的な使い方、おすすめの運用方法について紹介していきます。
Chromebookの特徴
早速、Chromebookの特徴について紹介していきます。
■Chromebookの特徴
Chromebookは、グーグルが開発したChrome OSを搭載するPCを指します。そのため、Android OSとの親和性が高く、Google Playストアから、Androidスマホと共通の多くのアプリをダウンロードできるといった特徴があります。

Chrome OSは、一般的にはPC内蔵ストレージに保存する多くのデータを、クラウド上(Google ドライブ)に保存するのが特徴。また、作業の多くはGoogle ChromeやGmail、Google ドキュメントといったアプリにて行うことになります。
■Chromebookはコスパが高いって本当なの?
Chromebookは、ほとんどの作業をクラウドやブラウザで行います。そのため、処理を行うチップセットやメモリといったパーツの性能に、極端に依存しないのが特徴です。
つまり、PCスペックがあまり高くない製品でも、比較的快適に動作します。そのため、ほかのPCと比較すると、コスパに優れた製品が多いとされています。
■Chromebookを使うメリット
コスパ以外にも、Chromebookを使うメリットは多数あります。
起動の速さと動作の軽さ
Chrome OSは、ほかのPCと比較して、PC本体に保存するデータ量が少ないといった理由から、起動が早く、動作が軽いといわれています。
クラウドサービスやアプリは、接続しているWi-Fiといった通信環境によって速度が変わることもありますが、こちらも動作は快適なことが多くなっています。
セキュリティ性能も高い
Chrome OSは、サンドボックスという仮想環境でプロセスを実行しています。そのため、仮にウイルスに感染したWebサイトを開いた場合も、システムとWebサイトが分離されているため、PC自体がウイルスの影響を受けないとされています。

加えて、セキュリティアップデートを含む、OSのアップデートが自動的に行われるため、常に最新の状態で、安全に利用できます。
機種変更も容易
Chromebookは、行なった作業やデータをほぼすべてクラウドで管理します。そのため、データはGoogle アカウントに紐づけて保存されています。
つまり、Chromebookの機種変更を行う際には、同じGoogle アカウントでログインをするだけで、ほぼすべてのデータを移行することができます。
■Chromebookのデメリット
Chromebookは、一般的なPCとは違う使い方をするデバイスであるため、デメリットも存在します。
Chromebookは、オンラインで使用することをベースとしてデザインされているため、オフラインでは作業がしにくくなります。一定の作業は可能で、オンラインになったタイミングで、自動的に同期されますが、基本的にはオンラインで使用すると覚えておきましょう。
また、Chromebookで使用するアプリは、Androidスマホと同様に、Google Playストアからインストールするため、これまでWindows PCやMacで使用していたアプリが利用できない可能性があります。ほかのPC用に購入している周辺機器も、Chromebookには非対応のものがあります。
初心者も安心。Chromebookの基本操作
ここからは、Googleアカウントの設定方法やアプリのインストール方法など、Chromebookの基本的な操作方法について紹介していきます。
■初期設定:Googleアカウントの設定方法
Chromebookを使うためには、まずGoogleアカウントでログインをします。
初めてChromebookを起動して初期設定を進めていくと、Googleアカウントでのログインする案内が表示されます。案内通りにGmailアドレス、パスワードを入力しましょう。また、Googleアカウントを持っていない場合は、こちらで作成するとよいでしょう。

Androidスマホが手元にある場合は、Androidスマホと接続することで、簡単にGoogleアカウントにログインすることもできます。
Googleアカウントでのログイン後は、引き続き案内に従って初期設定を行うことで、Chromebookを使い始めることができます。
【参照】Chromebook を設定する
■画面操作:タッチパッドとキーボードの使い方
Chromebookのキーボード、タッチパッドは、基本的にWindowsやMacと同様に文字入力、カーソル操作が行えます。普段からPCを使用している人であれば、あまり違和感なく使用できるでしょう。ただし、キー配列はモデルによって異なるので、注意が必要です。

Chromebookのキーボードで特徴的なのは、虫眼鏡アイコンの「検索キー」(またはランチャーキー)が配置されている点です。検索キーを単体で押すと、インストール済みのアプリ一覧が表示されます。

そのほか、WindowsやMacでいうファンクションキーには、独自のアイコンを用いたキーが配置されていますが、動作はアイコンの通りであるため、あまり迷うことなく使えるでしょう。
なお、外付けのWindows向けキーボードを接続して使用する場合は、Windowsキーが検索キーやランチャーキーとして動作します。
■アプリのインストールと管理:利用可能なアプリ
Chromebookで使用するアプリは、基本的にGoogle Playストアを経由します。そのため、Androidスマホで利用できるアプリが、ほとんどそのままインストールできるようになっています。
インストールしたアプリは、検索キーから起動できるアプリ一覧に追加されていきます。
【参照】Chromebook に Android アプリをインストールして使用する
Chromebookの便利な運用方法

最後に、Chromebookの便利な活用方法について紹介していきます。
■仕事に役立つ活用例
先に触れた通り、Chromebookは、価格面に優れた製品なので、とにかくPCを安く購入したい人、移動用のサブ端末を探しているというビジネスパーソンにおすすめできます。
Googleアカウントがあれば、基本無料で利用できるGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートといったアプリが利用できるため、簡単な文書作成、表計算は可能。データはクラウドに保存されるため、Windows PCやMacをメインPCとして使用していても、簡単にアクセスできます。
また、Google Playストアで配信されているOfficeアプリや、ブラウザ版のOfficeソフトにもアクセスできるので、普段WordやExcel、PowerPointといったアプリを使っている人でも、ある程度問題なく使用できるでしょう。
■学生向け:学習に役立つアプリと使い道
学生が授業、課題用のPCとしてChromebookを活用するのも、1つの手段です。授業ノートはGoogleドキュメントで作成、メモ書きはGoogleキープを使うなど、Googleの純正アプリにも、学習面で活躍できるものが多数用意されています。
Chromebookは、セキュリティ面に優れているのに加え、データの移行も簡単なので、学生時代に蓄積したデータを、新しいChromebookからも簡単に閲覧できるのが、1つのメリットでしょう。
■Chromebookとスマホの連携方法
Chromebookは、Androidスマホと連携し、シームレスに操作ができるのも特徴です。接続作業は、Chromebook、AndroidスマホそれぞれのBluetoothをオンにし、Chromebookの設定アプリから行います。

ChromebookをAndroidスマホと接続すると、スマホからChromebookのロックを解除する「Smart Lock」や、スマホのモバイル通信を使用する「インスタントテザリング」、Chromebookからスマホの機能にアクセスする「スマートフォンハブ」といった機能が利用できるようになります。
