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発売から50年を迎えた日本の新定番みやげ「ハイチュウ」の歴史と進化をたどる

2025.08.03

ユニークな食感や、ジューシーな味わいが楽しめる森永製菓のソフトキャンディ「ハイチュウ」。

1975年に日本で誕生してから50周年を迎え、2024年4月1日~2025年3月31日の国内販売実績は前年同期比110%と、今も躍進を続けており、来たる8月12日は語呂合わせから「ハ(8)イ(1)チュウ(2)の日」と、日本記念日協会により制定されている。近年では日本の新定番お土産として、海外でも人気を集めているという。

そんなハイチュウのエピソードを集めたレターが森永製菓より届いたので、概要をお伝えする。

お土産ハイチュウの広がり

ハイチュウは、観光客の多い地域でのお土産需要に着目。その土地ならではのハイチュウを提供したいと考え、1995年から日本各地の特産品や名産品をモチーフにした「地域限定ハイチュウ」を展開している。

例えば、沖縄限定のマンゴー味やパイナップル味、北海道限定の夕張メロン味、関西限定のミックスジュース味などがある。パッケージも地域の特徴を活かしたデザインになっており、その地域でしか手に入らないという希少性があることから、旅行の記念やお土産としても人気だという。

■海外にも広がるハイチュウ人気

同社ではハワイで「HI-CHEW」が販売されており、日本人観光客やアジア系の人だけでなく、現地の人も購入していることに着目。2008年に米国森永製菓を設立して、アメリカ西海岸での販売を強化した。

しかし2008年当時は日系やアジア系のスーパー、地元スーパーのアジアフードコーナーなどで取り扱ってもらえたものの、当時は企業も商品名も認知が低く、一般的な菓子コーナーには並べてもらえなかった。

テスト展開にこぎつけても、アメリカでは全国の販売金額が目標に届かなかったらすぐ不採用となるからだ。そのため、商品の改良を重ねながら何度もテスト販売を繰り返すなど、粘り強く商談を続け、2014年~15年頃にやっと全国規模のスーパーのキャンディコーナーに「HI-CHEW」が採用されることが決定。

これを機に「HI-CHEW」の認知が拡大。偶然にも同じ時期に、日本人メジャーリーガーがチームに日本の「ハイチュウ」を差し入れしたところ大変好評で、メジャーリーガーの間で「HI-CHEW」が一躍広まった。この出来事も「HI-CHEW」の人気を加速させる一因となったという。

こうして「HI-CHEW」のユニークな食感やジューシーさは、海外でも幅広い世代に愛され、販路はアジアから米国、オセアニアへ、そして米国での躍進をきっかけに欧州へと広がり、現在は世界30か国以上で販売されるまでになった。

海外市場では、通常品に比べ砂糖使用量を削減した健康軸の商品や、キャンディの個包装をなくし、環境に配慮した商品等、様々なニーズに対応する商品ラインアップの拡充や、多様な包装形態の展開が進められている。

■日本の空の玄関口である成田空港に「ハイチュウショップ」がオープン

訪日外国人や夏休みに海外旅行を楽しむ日本人にも人気のハイチュウの世界観をもっと楽しんでもらうため、成田空港第3ターミナルにハイチュウ発売50周年記念POP UP SHOP「ハイチュウショップ」が2025年7月10日(木)から10月14日(火)までオープンしている。

国内外で人気の定番ハイチュウはもちろん、限定フレーバーのほか、Tシャツ、オリジナルステッカー、ポーチなど、同店でしか手に入らない限定商品が多数揃っている。

写真上:ハイチュウショップの様子、写真下:ハイチュウショップ限定商品

ハイチュウの歴史

■1975年:高級・高品質な新感覚のキャンディ「ハイチュウ」発売

1970年以降、洋食や油を使ったスナックが流行。その中で同社は、後味にキレのあるような甘みと酸味のバランスを楽しめる菓子が求められているのではと考えた。

そこでキャラメル製造にて長年培った技術とノウハウに加え、ゼラチンを使用することで「かむほど溢れ出すフルーツの美味しさと、ユニークな食感」を実現するハイチュウを開発。当時は箱入りで、粒は上下が白く真ん中にフルーツ色のキャンディを挟んだ3層構造だった。

ネーミングは、チューイングキャンディにハイクラス・ハイグレードの「HI」を付けて、「ハイチュウ」とした。

■1986年:10代向けおしゃれキャンディを目指してリニューアル、売り上げが倍増

大人に向けて「ハイチュウ」を発売したものの、メインの購入者は子ども。そこで、ティーンに向けたおしゃれなお菓子となることを目指して、品質や形態が変更された。

品質は、外側と内側の二重構造の「あんこ巻」を新たに採用。外側はフレッシュ感や香りを重視した味わい、内側は果汁そのものの味わいを重視して仕上げており、外側と内側が口の中で融合することで、本物のフルーツを食べているようなフレッシュな味わいを表現した。

そして、スタイリッシュに持ち運べて、食べながら小さくなるスティックパックという形状に変更。狙いどおり若い層にヒットし、初年度で一気に売り上げは倍増した。

2013年には中と外の層を逆転。濃厚なフルーツの味わい層を外側にすることで、噛み出しから広がるフルーツ感を強化した。

■2024年:ロゴをカタカナの「ハイチュウ」から英語表記の「HI-CHEW」に

2021年3月期にはコロナの影響で、売上が15%減少。しかし、コロナ下でのストレスを発散するため『かみたい』とのニーズに着目し、食感に特徴のある新製品の発売などに取り組んだことで、21年以降は徐々にV字回復した。

そして、2024年3月期にはブランドロゴを「ハイチュウ」から英語表記の「HI-CHEW」にリニューアルしたことが発信力の強いZ世代を中心にSNS上で拡散され、若年層を中心に売上拡大につながった。

■2025年:50周年を迎えて盛り上がりを見せる「HI-CHEW」

50周年を迎え、2月にはハイチュウの今と未来を楽しむイベント「ありがとう 50CHEW 年 HI-CHEW MUSEUM」やハイチュウ総選挙を実施。ハイチュウ総選挙の総投票数は1万2021票にものぼり、人気第1位は1566票を獲得した絶対的王者グレープ、第2位は1982年に発売されたグリーンアップル、第3位は1992年に発売されたヨーグルトとなった。

また、50周年を記念して、一口で王道フレーバー3種を楽しむことができる「ハイチュウ<王道ミックス>」を発売。原料と配合バランス、練り上げ時間や温度など綿密に調整する必要があるシートに2種類の異なるフレーバーを組み合わせることに成功し、ハイチュウ50年の歴史の中で初めて、ひと粒に3つのフレーバーを入れることが達成された。

ハイチュウをより楽しむための小ネタタ

■今までに発売した「ハイチュウ」は200種類以上に

「ハイチュウ」の特長は独自の食感とフレーバーの再現性が高いこと。ストロベリーも、あまおう、紅ほっぺ、スカイベリー、ポーランド産ストロベリーなど、品種の違いまで再現。「話題性」「新規性」を考え、流行トレンドを意識した商品作りが行なわれている。

フレーバー選定については、フルーツの季節感やその時代のトレンドはもちろんのこと、例えば秋冬なら空気の乾燥、風邪の流行、受験などシーズンごとにキーワードを挙げて商品の切り口を考えているのだ。

こうして様々なハイチュウが発売されてきたが、中には評価が低かったものもある。例えば、ドリアンは味や匂いをリアルに再現しすぎて不評だったという。

■味だけではない、ハイチュウは種類によって食感も変えている

ハイチュウの特徴と言えば、柔らかくて弾力のある食感。この美味しい食感を作り出すために欠かせないのが、ゼラチンと砂糖だが、ハイチュウの種類によって食感も変えている。

関連情報
https://www.morinaga.co.jp/hi-chew/

構成/清水眞希

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