
2025年7月16日、第173回芥川龍之介賞および直木三十五賞の選考委員会が開かれたが、2025年上半期は両賞ともに「該当作なし」となった。
全国の〝芥川さん・直木さん〟からお気に入りの一冊と選評を募集、本家に代わって表彰
これにより、書店にとっては貴重な売上機会の損失が危惧されているという。出版不況が続き、ただでさえ書店の経営は厳しい中、ベストセラーが期待できるチャンスを逃したくない……。
そう考えた都内の書店5店舗と読書好きの有志が手を組み、『かってに芥川賞・直木賞』を立ち上げた。
参加したのは、双子のライオン堂(東京都港区赤坂)、芳林堂書店(東京都渋谷区高田馬場)、久美堂(東京都町田市)、黒田書店(東京都日野市)、銀座堂書店(東京都渋谷区八丁堀)の5店舗。

『かってに芥川賞・直木賞』の内容としては、日本全国の名前が〝芥川さん・直木さん〟から、とっておきの一冊と選評を募集。
ピックアップされた、これらの書籍を「かってに芥川賞」「かってに直木賞」と称して表彰することと併せて、該当作がなかった本家の芥川賞・直木賞に代わって、書店の店頭コーナーにて紹介するというもの。
現在も協力書店の募集を続けており、制作した店頭販促用POP・ブック帯・ポスターなどの販促物を、希望の問い合わせがあった店舗へ届ける活動を推進。出版不況を共に乗り切るため、本賞をきっかけに、書店の垣根を超えた協業の輪が広がっている。
■日本全国の〝芥川さん・直木さん〟から集まった書籍・選評の一部を紹介




「該当作なし」対策が各地で出現、書店のオリジナル芥川賞・直木賞が話題に
今回の芥川賞・直木賞の「該当作なし」の発表を受け、SNSでは、売上機会の損失を不安視する書店の声に多くの共感が集まった。同時に、様々な書店が「該当作なし」対策に乗り出し話題となっている。


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構成/清水眞希