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ワゴンとSUVのいいとこどり!?ロングドライブで体感したトヨタ「クラウン エステート」の完成度

2025.07.31

16代目となるトヨタ・クラウン。2022年に驚きを持ってまずはクロスオーバーが発売され、2023年にスポーツとセダン、そして2025年に最後のピースとなるエステートが登場した。2022年のワールドプレミアで紹介された新世代クラウンの「群として開発された」4車種がここで揃ったことになる。

ここでは最新のクラウンエステートのHEVモデル、クラウンエステートZグレードの試乗記をお届けしたい。実は、16代目クラウンの初作、クロスオーバーがそうであるように、18年ぶりに復活したエステートも、トヨタのHPにあるように、新型ラージSUVに分類されている。つまり、ワゴンとSUVを融合させ生まれた、伸びやかでスタイリッシュなデザインを纏い、大径21インチタイヤを履く、駆動方式がE-Four(電気式4輪駆動)=4WDのみのエステート=ステーションワゴンということだ。SUVに分類されるのは、SUVならではのフルドアを採用していることからも理解しやすいかも知れない。

ボディサイズは全長4930×全幅1880×全高1625mm。ホイールベース2850mm。クロスオーバーが全長4930×全幅1840(スポーツと同じ)×全高1540mm。ホイールベース2850mmだから、全長は同じ。全幅で+40mm。全高は-85mm。ホイールベースは同一だ。つまり、16代目クラウンシリーズでもっとも車高が高いのがエステートということになる。

インテリアは16代目クラウン全シリーズ共通のアイランドアーキテクチャーを採用。その意味は、ディスプレーやシフトなどの機能をひとくくりにして、アイランド=島のように配置するデザインである。

基本部分はクロスオーバー、スポーツと共通部分が多いFFのGA-Kプラットフォームを用いている。パワーユニットはこのZのハイブリッド、RSのPHEVが用意され、このZは2.5L直4エンジン、190ps、24.1kg-mに加え、フロントモーター182ps、27.5kg-m、リヤモーター54ps、12.3kg-mが組み合わされる。WLTCモードでの燃費性能は1890kgもの車重に235/45R21サイズもの大径タイヤを履いていながら20.3km/Lを達成しているのだから立派だ。今回、真夏に約660kmを走破した外気温35度越え、高速道路70%、一般道&山道30%、2名乗車+荷物満載の行程での実燃費は17.8km/L(WLTCモードの約88%)を記録したのだから、燃費性能は文句なしとて言っていいだろう。

また、クラウンのFFシリーズに共通するDRS(ダイナミックリアステアリング)も装備。これは車速に応じて後輪の向きを前輪と同じ、または逆向きに制御する4輪操舵で、ダイナミックな操縦性と小回り性に寄与してくれる機構だ。

エステート最大の特徴はもちろん、ラゲッジルームにある。その寸法は開口部地上高約720mm、奥行き1070mm、幅1030~1430mm、高さ690~780mm。容量は約570Lで、クロスオーバーの450Lを大きく上回るスペースだ。いや、凄さはそこだけではない。実は、後席を倒すと、標準装備の「ラゲージルーム拡張ボード」をパタリと倒すことで全長2000mmのフラットスペースが出現。つまり、ショートサーフボードやロードバイクなどの長尺物の積載はもちろん、車中泊も余裕でこなせる、高級感たっぷりのカーペットが敷かれたラゲッジルームに仕立て上げられているのだ。

さらにアクティブライフをより快適にするデッキテーブル、引き出し式デッキチェアまで販売店オプションとして用意されているのだから、エステートはその広大なラゲッジルームを生かした独自の使い勝手を提案する、もっともアクティブに使えるクラウンということになる。

そんな新型クラウンエステートZで今回、真夏の東京→栃木の山奥→山中湖→東京という、約660kmのロングドライブを試みた。都内の混雑した道をスタートした時は、普段、ドイツ製コンパクトステーションワゴンに乗っている筆者としては、全長、全幅が気になるはず・・・と構えていたのだが、ワゴンとSUVの中間的運転視界の良さ・高さから、鼻先の視認性はともかく、意外なほど緊張感はなかった。

ACCなしの一般道で先行車やカーブに対して減速操作をサポートし、歩行者、自転車運転者、駐車車両に対する操舵、減速支援まで行ってくれる「プロアクティブドライビングアシスト」の絶妙な制御も運転のしやすさ、安全性に大きく寄与。また、クラウンがこだわり続けてきた小回り性の良さ=最小回転半径5.5mが功を奏し(DRS効果もある)、途中、立ち寄った高速道路のPAやカフェでの縦列駐車も意外なほど楽々だったのだ(モニターのおかげもある)。スムーズな減速を可能にしてくれるパドルシフト(-/+)も完備する。

出足はトヨタのHVモデルならではのモーター走行。静かに、トルキーに、スルスルと前に出る。乗り心地は21インチタイヤを履いているとは思えないふんわり優しい、「いかにもクラウンな」心地よいストローク感あるタッチを示す。きつい段差越えなどでは21タイヤらしいゴツゴツ感が顔をだすこともあるにはあるが、その角も丸められ、不快なショック、突き上げとは無縁だ。一部ルートではかなり路面が荒れた道を走ることになったのだが、それでもふわりと荒れた路面を吸収。乗員の快適感を大きく損なうことはない。なるほど、21インチタイヤを履いていても、クラウンはクラウンだ・・・と思わせてくれた場面でもあった。

空いた山道では1890kgもの車重を感じさせない気持ちいい走りを披露。さすがに軽快至極とは言えないものの、4WDのE-Four、DRSの効果もあって、回頭性は抜群、ドシリとした安定感は鉄壁だった。

クラウンエステートに大いに感動したのは、高速道路を使ったロングドライブでのことだった。直進安定性は見事で(運転が疲れない理由になる)、夏休み期間の行楽シーズンのお約束でもある渋滞区間では、レーダークルーズコントロール=ACCとレーントレーシングアシスト作動中であれば、トヨタチームメイトの”アドバンストドライブ”によるハンズオフドライブが行え(0~約40km/h)で、けっこうな停止時間でも自動再発進を行ってくれるのだから運転に関わるストレスは最小限である。

それにも増して評価できるのが、シートの良さだ。外気温35度超えの環境の中、前席シートベンチレーションによって背中、腰、太腿部分がすぐに涼しくなる快適性もさることながら、とにかく本革の除電スタビライジングプラスシートのかけ心地、フィット感、サポート性が素晴らしく、速度を問わない車内の静粛性の高さと合わせ、今回の真夏のロングドライブでも運転疲労はないに等しいほど。これは助手席の同乗者も同様だったのである。まさに「移動時間の質を高める」というトヨタによるエステートの説明通りの完成度を見せつけ、実感させてくれたのだった。

筆者の個人的印象だが、先代までのクラウンのロイヤルカスタマーがデザインや極上の快適感で選ぶなら遅れてやってきた王道のセダン(ハイブリッドZ)。しかしわが家のように愛犬と暮らしている愛犬家家族、あるいはアウトドアやスポーツを楽しむ機会、荷物が多いアクティブなユーザーには、荷物をたっぷり積めて、車中泊も可能(AC100V/1500Wコンセントも完備)で、とにかく長距離、長時間運転でも疲れにくい、このステーションワゴン×SUVのキャラクターを持つ、最低地上高175mmのオールラウンダーなトヨタ最上級のエステート(ハイブリッド、PHEVともに)を本気で薦めたくなっている・・・。その上で、高級リゾートホテルのエントランスにも最高に似合い、いつまでもどこまでもステアリングを握っていたくなる、それがクラウンエステートであると結論付けたい。

トヨタ・クラウンエステート

文/写真 青山尚暉

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