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衝撃的な薄さ、軽さまで進化した究極の折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold7」にみる衝撃の完成度

2025.07.30

2025年7月8日、サムスンは折りたたみスマホの最新モデル「Galaxy Z Fold7」「Galaxy Z Flip7」を発表した。日本では、Galaxy S25シリーズと同様に、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアに加え、SIMフリーモデルが展開される。

折りたたみスマホは、ディスプレイを畳んで使用するという性質上、厚みや質量がかさばったり、折り目部分の凹みが気になるといった、使いにくさを感じる部分がある。一般的な、板状のスマホに慣れたユーザーからすると、敷居が高いというイメージが拭いきれていない。街中でも、徐々に折りたたみスマホを持つユーザーが増えているようには見受けられるが、爆発的な普及には至っていないように見える。

そんな中、Galaxy Z Fold7は、これまで折りたたみスマホに持たれていたイメージを払拭するような、画期的なデザイン変更が行われており、いよいよ本格的に、多くの人が使いやすく、折りたたみの利便性を享受できる製品に仕上がっているように感じる。今回、メーカーより製品をお借りできたので、使い勝手をレビューしていく。

閉じても薄さ8.9mm、質量215gのデザイン美

Galaxy Z Fold7最大のアップデートポイントは、薄さ、軽さといった筐体デザイン面だ。本体サイズは、閉じた状態で約158.4×72.8×8.9mm、質量は約215gとなった。前モデルから見ると、閉じた状態で厚さ3.2mm、質量24gも削減されたことになる。

数ミリ、数グラムの違いと思われるかもしれないが、この差は見た目、握り心地のためには、非常に大きなアップデートだ。たとえば、iPhone 16 Pro Maxは厚さ約8.25mm、質量約227g、Galaxy S25 Ultraは厚さ約8.2mm、質量約218gとなっている。

つまり、Galaxy Z Fold7は、閉じた状態だと一般的な大画面スマホと似たようなサイズ感ながら、開くと大画面になるというわけだ。「折りたたみだから多少分厚くても、重くても仕方ない」という妥協をなくしたことで、今まで板状のスマホを使っていたユーザーにも、圧倒的に使いやすく仕上がっている。薄さはもちろんだが、特に、他の折りたたみスマホと比べ、圧倒的に軽いのに驚く。重いスマホは、長時間使用していると、どうしても手首や指が痛くなってきてしまうため、板状スマホと変わりないレベルにまで軽くなったのは、大きな改善ポイントだと感じる。

iPhone 16 Proとの比較

また、折りたたんだ状態で使用するサブディスプレイの縦横比率が変わり、少し横幅が広くなったことで、板状のスマホにちかい握り心地になっている。Z Fold6以前のモデルは、横幅が狭いことで、握りこむように持てたものの、キーボードでの文字入力がしにくかったり、アプリの表示が縦に間伸びすることがあったため、個人的には、非常に有用なアップデートポイントだと感じている。

実際に数日間使用していても、サブディスプレイの使い勝手は一般的なスマホとほぼ変わらず、薄くなったことで、ズボンのポケットなどにも収まりがよくなっている。サブディスプレイは6.5インチと比較的大きいため、すべての操作を片手でするのは難しいが、あくまで「一般的なスマホの範疇で」だ。折りたたみ機種としての、筐体的なデメリットは、ほとんど目につかないレベルに進化していることが実感できた。

気になるのは、本体が極端に薄型化した結果、背面に搭載されているカメラの出っ張りが非常に大きくなっており、デスクに置くと、非常に不安定になる。ケースをつければある程度解消できるだろうが、せっかくの薄さが活かされなくなってしまうため、取捨選択が難しいところだ。

また、無駄のない高級感のあるカラーリングや、角ばったデザインはクールで気に入っているポイントなのだが、電源ボタンの位置が、側面の下側によっているため、本体を握った際に、自然に親指の位置に来ないのが気になる。電源ボタンは、指紋認証センサーが内蔵されているため、ロック解除の際や、パスキー認証の際に、少し使いにくさを感じる。

メインディスプレイは8.0インチにサイズアップ

開いた状態で使用するメインディスプレイは8.0インチと、前モデルよりややサイズアップしている。大型化を目指したというよりは、サブディスプレイの縦横比率変更に伴い、メインディスプレのサイズも変更されたといった形だろう。

再度薄さの話になってしまい恐縮だが、Galaxy Z Fold7を開いた場合は、4.2mmで、画像の通り、ほとんどUSB-Cポートの厚みいっぱいにまで薄くなっている。開いた状態で本体を持つと、薄すぎてやや不安になる程だ。片手での操作は基本的に想定されていないのだろうが、持ち方には少々気を張る必要があると感じる。

スマホとタブレットを併用している人にとっては、ご承知のとおりだろうが、8インチクラスの画面サイズがあると、スマホとは一段違う視認性になる。PC版レイアウトでもWebページが見やすかったり、動画視聴も有意義になる。Galaxyとしては7世代目ということもあり、特徴的な画面比率に対応するアプリもどんどん増えている。

動画やゲームを画面いっぱいに表示するのはもちろん有用だが、個人的には、複数のアプリを同時に起動する使い方が非常に気に入っている。ブラウザとチャットアプリを同時に開けば、気になったサイトをすぐに友人とシェアすることもできたりと、何かと便利なシーンが多い。フローティングウィンドウとして、アプリの上に別のアプリを重ねて表示できるといった、Galaxyらしい柔軟性も、使い勝手を向上させるポイントだと感じる。

ただし、今回のモデルより、前モデルまでは利用できたSペンに非対応となっている。加えて、メインディスプレイのインカメラも、従来はUDCと呼ばれる、ディスプレイ下に埋め込まれたカメラだったのが、一般的なパンチホールカメラになった。

いずれも本体を薄型化するためのポイントだが、Sペンでの手書き入力や、インカメラの欠けがない大画面ディスプレイを気に入って使っていたユーザーからすると、残念なポイントかもしれない。

Galaxy Z Fold7を使っていると、メインディスプレイの仕様に変更はあったものの、基本的には、折りたたんだ状態での使い勝手を向上させることに注力し、開いて使う大画面ディスプレイは、プラスアルファの要素とされているように感じられる。そういう意味では、板状のスマホを使っているユーザーが初めて手にする折りたたみ機種としての要点が押さえられており、スムーズに慣れることができるようになったのが、大きなアップデートポイントだと感じる。

グーグルとのパートナーシップで他者を先導するGalaxy AIも大画面に最適化

サムスンとしては、2024年に発売されたGalaxy S24シリーズより、自社AI機能を「Galaxy AI」として実装している。2025年発売のGalaxy S25シリーズではAI機能をよりアップデートし、今回、同様の機能がGalaxy Z Fold7でも利用できる格好となる。

AI機能としては、通常のフラッグシップモデルであるGalaxy S25シリーズの機能と遜色ないが、メインディスプレイの大画面に最適化されたデザインになっているのが特徴だろう。天気やスケジュールなど、ユーザーにパーソナライズ化された情報をまとめて表示するNow Briefが、その一例だ。

ギャラリーアプリでの画像編集機能を利用すると、左右に編集前、編集後の画像を並べて表示できるため、微調整を行いやすい。

そのほか、レコーダーアプリでの文字起こし、要約機能や、テキストの要約や整理ができる入力アシストなども利用できる。グーグルのGemini、Gemini Live機能も電源ボタンの長押しで呼び出せるように、今スマホで使えるAI機能の最前線を走っているといえる。Gmailに届いたスケジュールを、Geminiを介してGoogle カレンダーに追加できるなど、実用的なAI機能が搭載されるペースが早いのも、Galaxyを使いたくなるポイントだ。

折りたたみモデルでも妥協しないカメラ

アウトカメラは、約2億画素の広角、約1200万画素の超広角、約1000万画素の望遠という構成。これまで、折りたたみスマホがゆえに、画素数が極端に高いカメラは搭載されてこなかったが、今回はGalaxy S25 Ultraと同様の、約2億画素カメラが備えられ、センサーサイズなども大型化することで、「Ultraスペックを折りたたみスマートフォンで。」というコンセプトを体現している。

実際に試すと、確かに屋内外で明るく綺麗な写真が、簡単に撮影できる。とはいえ、そもそもGalaxyシリーズは、撮影した写真を自動的にAIで補正し、綺麗で映える写真に仕上げるのが1つの特徴であるため、「さすがGalaxy」という仕上がりという印象だ。

暗い場所やポートレート撮影など、撮影環境を問わず、さっと綺麗な写真が撮影できるのが、Galaxyシリーズの強みだと改めて感じる。また、ワンタップでズーム倍率や撮影モードの切り替えができるアプリのUIも使いやすい。

超広角カメラでの撮影も、メインカメラよりはやや暗くなるが、歪みなども見られず、綺麗に撮影できる。望遠カメラは光学3倍ズーム、デジタル30倍ズームに対応。光学ズームはメインカメラに負けず劣らずの精細さで撮影ができる。

超広角
2倍ズーム
3倍ズーム
10倍ズーム
30倍ズーム

大きく改善されたと感じるのが、メインディスプレイに搭載されている、約1000万画素のインカメラ。従来はUDCだったところが、一般的なパンチホールカメラになったことで、明るく、被写体をしっかりと捉えた写真の撮影ができる。

折りたたみスマホならではの使い方が、ディスプレイを90度近くに折り曲げることで、スタンドを使わなくても本体が自立するため、定点から写真や動画を撮影する際に便利だ。この場合、カメラアプリのUIも、フレックスモードに切り替わる。また、カバーディスプレイにプレビューを表示することで、より高性能なアウトカメラで自撮り撮影ができるのも特徴だろう。

細かい仕様も高水準にまとめられた1台

搭載SoCはSnapdragon 8 Elite for Galaxyで、メモリ、ストレージ構成は12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+1TBの3サイズ展開となる。近年のフラッグシップ市場や、AI機能をスムーズに使うための要件を考えると、メモリは16GBに統一してもよかったのかもしれないが、使っていてストレスを感じるシーンはほぼなく、ゲームアプリなども含めて、快適に動作する。

生体認証は顔認証、指紋認証の両方に対応しており、おサイフケータイ機能にも対応。セキュリティアップデートの有効期間は2032年7月と、5年の保証があるのもポイントだ。

バッテリーは4400mAhで、動画の再生時間は24時間とされているが、体感ではそこまで長時間駆動する感触はない。Galaxyのハイエンドシリーズ全般にいえることではあるが、ハイパワーで複数のタスクがこなせる代わりに、バッテリーの消耗は激しい印象だ。特にメインディスプレイを開いて使用する時間が長いと、それだけバッテリーも消費するので、使い方に合わせ、モバイルバッテリーもセットで持ち歩くのがおすすめだ。

ハードウエアのアップデートが顕著な新モデル

スマホの進化にソフトウエア、ハードウエアの2軸があるとすれば、今年のGalaxy Z Fold7は、とにかくハードウエアの進化に振り切ったモデルだ。Sペンの非対応、UDCの廃止など、従来のファンからすると残念なポイントも見られるが、薄型、軽量化の恩恵は凄まじく、折りたたみスマホがニッチな端末ではなくなる可能性すら感じられる。

サムスン公式ストアでのSIMフリーモデルの販売価格は、最小構成の256GBモデルが26万5750円となる。日本で販売されるスマホとしては、間違いなく最高値クラスの価格設定となるため、購入をためらってしまう気持ちも生まれるが、初めて持った時の軽さ、薄さに対する感動は凄まじいものがあった。3キャリアから販売されるため、全国的に実機を手にする機会があるはずなので、まずは筆者が感じた感動をご自身で体験してもらいたい。

どうしても価格がネックだが、進化した折りたたみのギミックを使ってみたいという人や、大画面よりも携帯性が欲しいという人には、縦折タイプのGalaxy Z Flip7という選択肢もある。カバーディスプレイがより大型化し、Galaxy AI機能も折りたたんだまま利用できるなど、こちらも負けず劣らず、ユニークな使い方ができるスマホだ。価格は16万4800円からと、一般的なハイエンドモデルと遜色ない設定なので、Galaxy Z Fold7と同様に、ぜひ一度手に取って、感触を確かめてほしい。

取材・文/佐藤文彦

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