(6) 【ヘルス&ビューティー】アース製薬(4985)

「アースジェット」や「ごきぶりホイホイ」といった殺虫剤、「サラテクト」などの虫よけ剤は夏の定番商品。デング熱やジカ熱といった蚊が媒介する感染症への警戒感の高まりもあり、虫よけ需要は安定的に推移している。面白いのは、殺虫剤で培ったエアゾール技術や製剤技術を、冷却スプレーや消臭剤、入浴剤「バスロマン」のクールタイプといった夏の快適性向上商品へ展開している点だ。
(7) 【ヘルス&ビューティー】資生堂(4911)

日焼け止めは、もはや夏の美容アイテムの域を超え、紫外線から肌を守る健康必需品へと進化した。その同社の日焼け止めブランド「アネッサ」は、国内のみならずアジア全域でのブランド力がある。汗や水、熱でUVブロック膜が強くなるなどの独自の技術が、高い信頼を得ているようだ。また、インバウンド需要の回復が、都心店舗の売上をけん引する。
(8) 【レジャー・サービス】ラウンドワン(4680)

猛暑、ゲリラ豪雨、台風。夏のレジャーは常に天候リスクと隣り合わせだといえる。そんな中、全天候型のアミューズメント施設は盤石の強さを発揮する。同社では、ボウリング、カラオケ、ゲーム、スポッチャ(スポーツアトラクション)などを複合的に展開している。若者グループからファミリー層まで幅広い顧客層を持ち、猛暑で屋外レジャーを敬遠する人々の受け皿となっている。
(9) 【インドア・巣ごもり消費】任天堂(7974)

2025年6月5日に発売となったNintendo Switch 2の売れ行きが絶好調な中、夏休みやお盆休みはソフトウェア販売の最盛期であり、猛暑による在宅時間の増加がこれを後押しする。特に今夏は、7月18日発売の『Nintendo World Championships ファミコン世界大会』、9月26日発売の完全新作『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』といった強力なタイトルにも期待が高まる。
(10)【ライフライン・小売】セブン&アイホールディングス(3382)
全国の店舗網を通じて、冷たい飲料、アイス、冷やし麺、さらには制汗シートや冷却グッズまで、ありとあらゆる夏物商材を販売。気温の上昇に合わせ、PB(プライベートブランド)商品の投入など、機動的な商品戦略を展開する。冷凍食品の品揃えを強化は、猛暑で料理をしたくない層の「巣ごもり需要」も取り込んでいるようだ。
「猛暑」や「天気」の情報やデータを聞き流さずに投資に活かしたい
本記事では、「季節性」をキーワードに掲げたが、株式投資の世界には、様々な分析手法が存在するし、「季節性」や「天候」は、非科学的として軽視されがちだ。
しかし、重要なのは、日々のニュースで語られる「猛暑」や「気象データ」を、単なる情報として聞き流すのではない。その裏にあるビジネスチャンスや、人々の経済活動を読み解こうとする視点を持つことが、不確実な時代を生き抜く我々にとって、新たな「武器」となるといえる。
文/久我吉史
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