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実は危険!使った食器を水に浸しておくのが絶対NGな理由

2025.08.08

夏の暑さが本格化する8月。高温多湿の環境は細菌の繁殖には最適な環境で、食中毒のリスクが高まっている。細菌は目に見えないからこそ「いるかもしれない」という意識を持ち、食品を扱ったり調理をしたりすることが重要なカギとなる。

いったいどのような対策が大事なのか、食材の買いものから調理まで、うっかりやってしまいがちな具体的なNG行動について、感染症専門医で藤崎メディカルクリニック副院長の佐藤留美先生に教えてもらおう。

食中毒対策で重要な「つけない」「増やさない」「やっつける」とは?

食中毒対策で大事な三原則は「つけない」「増やさない」「やっつける」といわれる。食品を購入し、帰宅する間もこの三原則を意識しよう。

(1)買い物の順番を工夫する

「買い物をしているとき、冷凍・冷蔵が必要なものはできるだけ最後の方にカゴに入れましょう。お会計をする直前がおすすめですね。そして、現在は外気温がものすごく高い。できるだけ寄り道はせずに早めに帰宅し、食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫内に保管をしましょう」

買ってきた食品をただ詰め込むのではなく、ひと手間を加えるといい。

(2)肉はチャック付きポリ袋で保存

「特に食中毒の原因となりがちな肉の扱いは気をつけましょう。購入してきた肉はチャック付きポリ袋にうつし、しっかり密閉して冷蔵・冷凍保存を。お肉はプラスチックにラップをかけるという形で売られていることが多いです。しかし、ラップが破れるなどして、汁が垂れることも。その汁がほかの食材についてしまうことで、肉についていた細菌がほかの食材に付着し、繁殖してしまうということに繋がりかねない」

(3)包丁やまな板は食材ごとに洗う

もちろん調理中にしっかり食材を洗うことはマストだ。とはいえ、そもそも食材間で細菌をつけ合わないためにできる対策は行おう。

「調理中は、包丁やまな板の使い方も意識してほしいです。これらは細菌がつきやすいアイテムです。肉を切った包丁や使ったまな板のまま野菜や魚を調理するというのは絶対にやめましょう。食材ごとに食器用洗剤で洗うなどして汚れを落とすこと。生野菜から肉にという流れであったとしても、食材が変わるのであれば、洗ってほしいです」

水洗いも有効ではあるが、食中毒対策という意味では、きちんと食器用洗剤をつけて洗おう。

(4)タオルや付近は一回使ったら洗濯する

「タオルや布巾も要注意アイテムです。細菌は水分を好み、アッという間に増殖します。例えばシンクに水が付着していたら、調理をするたびにしっかり水を拭いてください。そして、その濡れたタオルも繁殖しやすい状態です。細菌が付着したシンクを拭いたタオルで、別のところを拭けば、細菌をあちこちに広げていることに。ほか、布巾などで食器を拭いて、時間が経って生乾きのままそのまま使うという人もいると思うのですが、細菌が繁殖している可能性もあります。タオルや布巾は一回一回洗濯をして、しっかり乾かしてほしい。理想は使い捨てのペーパータオルの使うことですね」

(5)食器を水につけておくのはNG

食器を洗う際には、お茶碗などを水に浸けておくことで、ヌメリが取りやすいのでやってしまう人もいるだろう。しかし、水に浸すのは食中毒対策という意味ではNG行為のひとつ。

「食器に食べかすがついていると、それを餌にして細菌は増えます。それだけではなく、水の中ということで爆発的に細菌が増えてしまう。朝使った食器を日中に放置しているともなれば、外気温も高いため、細菌にとってちょうどいい繁殖温度にもなっている。細菌にとっての好条件が揃うことになるので、すぐに洗うようにしてほしい。つけ置きをして、その後にしっかり洗う、とおっしゃるかもしれませんが、増殖した細菌が水はねなどでシンク周りやほかの食材に飛び散るリスクもありますし、そもそも食器を洗う際に、しっかり細菌を落としきれないということもあり得ます」

(5)漂白剤でスポンジを殺菌

ちなみに、食器用洗剤はあくまでも食べかすなど汚れを落とすのが主な目的だ。除菌作用はありつつも、殺菌ではないため、完全に細菌を取り除けるとは限らないのだ。

「死滅させるには次亜塩素ナトリウム、いわゆる漂白剤を使う必要があります。これらの食器を洗うスポンジなどは、定期的に漂白剤で洗浄してほしい。スポンジは水を含み、水にある程度濡れた状態で放置されます。食器同様、スポンジも食器用洗剤をつけているから細菌が死んでいるという風に思わないでください」

(6)こまめに手を洗う

今挙げたような食材や食器の取り扱いだけではなく、大事なのが自分の「手」を清潔に保つことだ。

「料理をするとき、食べるときなど、こまめに手洗いを行いましょう。細菌は目に見えるものではありません。食器や食材、調理アイテムをしっかり洗っていても、ご自身が調理中にうっかり細菌が多く存在する場所を触り、その細菌を手に付着させてしまって広げていくということもあります」

家庭の食中毒対策を見直そう

食中毒は健康な人でも発症する可能性がある病気だ。特に健康状態が良くない人、子どもや高齢者だと重症化するリスクも高いため、日常的な予防を徹底することが大切となってくる。「つけない」「増やさない」「やっつける」の三原則を忘れないようにしよう。

佐藤留美医師プロフィール

2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック 副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。

文/田村菜津季

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