
ビジネスシーンでよく耳にする「BtoB」の意味を紹介。BtoBビジネスを成功に導く流れを解説します。
目次
「BtoBってよく聞くけど、実はよくわかっていない……」という人は意外と多いもの。
この記事では、BtoBの基本的な意味や、BtoCとの違い、マーケティングや営業での取り組み方を解説します。今後の仕事に役立つヒントが見つかるはずです。
BtoBとは何か?

まずは「BtoBって何?」という疑問を解消していきましょう。どんな仕事や会社がBtoBなのかを知ることで、自分の業務とどう関係があるかも見えてきます。
■BtoBの意味
BtoBは「Business to Business」の略で、「企業が企業に商品やサービスを売るビジネス」のことです。
たとえば、文房具メーカーが会社にオフィス用品を販売するような取引が該当します。これに対して、BtoCは「Business to Consumer」、つまり一般のお客さん向けのビジネスです。BtoBは一度の取引額が大きいことが多く、会社同士で長く付き合う関係になることが多いのが特徴です。
■BtoCとの違い
BtoC(個人向け)と比べると、BtoB(法人向け)は商品を買うまでの流れが長く、関係者も多くなります。
たとえば、ひとりでネットショッピングするのがBtoCなら、会社の中でいろんな人が相談して決めるのがBtoBです。
また、BtoCでは見た目や流行が重要ですが、BtoBでは「どれだけ役に立つか」や「信用できるか」がポイントになります。こうした違いを知っておくと、仕事の進め方に迷いが少なくなります。
■BtoBビジネスの代表的な業種と企業例
BtoBは製造業やIT、物流、建設など、いろんな業界で見られます。たとえば、工場向けに機械を売るキーエンス、電子部品を扱う村田製作所などは有名なBtoB企業です。
IT業界では、会社向けにソフトウェアを提供するオラクルやSAPがその代表です。こうした企業は、ほかの会社の仕事を支えるサービスや製品を提供しています。
BtoBマーケティングを成功に導く方法

BtoBでも「どうやってお客さんを見つけて、買ってもらうか」が大切です。そのために必要な考え方ややり方を、順を追って紹介します。
■リード獲得から育成までの流れ
BtoBでは、まず「興味を持ってくれそうなお客さん(見込み客)」を集めることが出発点です。これを「リード獲得」といいます。たとえば、資料を配布したり、ウェビナーを開いたりするのがその方法です。
そのあと、メールや電話などで少しずつ関係を深めていくことを「リード育成」と呼びます。こうすることで、「この会社から買いたい」と思ってもらえるようになります。
■コンテンツマーケティングの実施
「コンテンツマーケティング」とは、役立つ情報を記事や動画で届けることで、お客さんに信頼してもらう方法です。BtoBは商品が専門的でわかりにくいことも多いため、この方法が特に効果的です。
たとえば「このツールを導入したら、業務が何時間短縮された」など、具体的な事例やデータを紹介すると、お客さんの関心を集めやすくなります。
■広告やSNSの活用
最近では、BtoBでもSNSやネット広告を活用する企業が増えています。特に、ビジネス向けSNSである「LinkedIn」や「X(旧Twitter)」は、専門的な情報発信の場として便利です。
また、Google広告を使えば、関心のあるキーワードで検索した人に、自社のページを見てもらうこともできます。広告とSNSを上手に使い分けることが、成果につながります。
BtoB営業の特徴と成果につなげる戦略

BtoBの営業は、相手との信頼関係がとても大事です。売るだけでなく、「役に立つ存在」になることが成功のカギとなります。
(1)営業フローと意思決定プロセスの違いを理解する
BtoBの営業は、商品やサービスの説明をしてすぐに契約……というわけにはいきません。相手の会社では、いろんな部署の人が関わって、じっくり話し合ってから決めるのが普通です。
そのため、営業担当者は相手の組織や流れをよく理解し、それに合わせて進める必要があります。丁寧に段階を踏むことで、信頼を得ることができます。
(2)BtoB営業の成功に必要なスキルと視点
BtoB営業で大切なのは、「売りたい」ではなく「どうやって相手の困りごとを解決できるか」を考えることです。そのためには、相手の業界や仕事の流れをよく知ることが大切です。
また、「この会社は本当に信頼できる」と思ってもらえるように、誠実な対応や知識のある提案が求められます。
(3)インサイドセールスやSFAの活用方法
最近では、電話やメール、オンライン会議などを使って、外に出ずに営業する「インサイドセールス」が注目されています。
また、「SFA(営業支援ツール)」を使えば、営業の進み具合やお客さんの情報を整理して、チーム全体で共有できます。こうした仕組みを取り入れることで、より効率的に営業活動ができるようになります。
これからのBtoBビジネスに求められる視点

BtoBビジネスはこれからますます進化していきます。テクノロジーや考え方の変化に対応できる会社が、強くなっていくでしょう。
■DXとBtoB、営業・マーケの融合がカギ
「DX(デジタルを使って仕事を変えること)」が進む中で、営業とマーケティングの連携がますます大切になっています。
たとえば、見込み客の行動データをマーケが分析し、それを営業が活用する、といった流れが当たり前になりつつあります。デジタルを味方につけることで、より効率よく、効果的にお客さんにアプローチできます。
■顧客志向と価値提案型営業への転換
これからは、「自分たちの商品を売りたい」よりも、「お客さんに役立つ提案ができるか」が問われます。
そのためには、相手のことをよく知って、「こんなふうに使えばもっと便利になりますよ」といった提案をしていくことが大切です。
お客さんの成功を、自分たちの成果につなげていく考え方が求められています。
■自社での実践に向けた次のステップ
まずは、自社のお客さんが「どんなことで困っているのか」を整理してみましょう。そして、その解決にどう貢献できるかを考え、できることから少しずつ試してみることが大切です。
大きく変える必要はなく、小さな改善を積み重ねることが、次の成果につながります。
BtoBビジネスを理解しよう
BtoBとは、企業同士が取引するビジネスのこと。個人向けとは違う特徴があり、信頼や提案力が成功のポイントです。
実はBtoBの世界は、「地味だけど奥が深い」ビジネスの宝庫。
信頼を重ねて、じっくり関係を築くその姿は、まるで熟成チーズのような渋い魅力があります。マーケティングも営業も、テクニックより「人間力」が試される場面が多いのもBtoBならでは。
BtoBのしくみを理解して、ビジネスへの理解を深めていきましょう。
文/編集部