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脇か?手のひらか?熱中症になったら「冷やすべき部位」の正解

2025.08.02

めまいや立ちくらみ、手足の震えや頭痛や倦怠感など、いつもと違うな……と思ったら熱中症になってしまっているかもしれない。おかしいなと思ったら応急処置を速やかに行うべきだ。

中でも大事なことが「体を冷やす」こと。体内にこもってしまっている熱をしっかり放出させるためにどこを冷やせばいいのか、ちぐさ内科クリニック覚王山院長の近藤千種先生に教えてもらおう。

熱中症を疑ったらどこを冷やせばいい?

熱中症の応急処置で必ずやってほしいことのひとつが体を「冷やす」こと。体内に熱がこもって体温がどんどん上昇していくため、急ぎ下げる必要がある。

■首筋、脇、鼠径部を冷やそう

「熱中症かも? と思ったら、首筋や脇、鼠径部(太ももの付け根)を冷やしましょう。これらの部位には、太い血管が体表近くを通っています。私たちの体は血液が巡っており、体が熱くなっている時には、血液を冷やすことが重要です。首は頸動脈が、脇は腋窩動脈が、鼠径部は鼠径動脈が走っていて、そこを冷やすことで冷えた血液が流れるため、効率よく体温を下げることができます」

熱中症に限らず、風邪などで高熱の時も同じ部位を冷やそう。ただし、冷やす際に脇は片方だけにしておくといいそうだ。

「体温が上昇している場合は、体温計で定期的に体温を測ってほしい。両脇を冷やしてしまうと、体温が正しく測れないため、片方は測定用に残し、ほかの部位を冷やしましょう」

■手のひらや足の裏も効果的!

ほか、手のひらや足の裏も体温を下げるには効果的だという。

「これらの部位には、動静脈吻合と呼ばれる特殊な血管構造があり、熱の放出が効率的に行われるとされています。そのため、そこを冷やすことで体から熱が逃げてくれる。手足を冷たい水につけたり、保冷材で冷やしたりすることは、体温を下げる補助的な方法として有効です」

動脈を冷やして血液自体を冷やすこと、手のひらや足裏を冷やして熱の発散を促してあげることで、より効果的に熱を下げられるというわけだ。

■水や扇風機で冷やすのもOK!

「もし冷やすものが無い場合でも、体に水をかけて扇風機などの風を当てる気過冷却という方法も知っておくといいでしょう。熱中症の症状が出ていても意識がはっきりしており、軽症であれば、涼しい場所に移動し、服を緩め、体に風が入りやすい状態にする。そして水やお茶で水分補給を行いつつ、体を冷やしてゆっくり体を休めることで、回復してくるでしょう」

■救急要請も視野に対応

ただし、意識がぼんやりしていたり、痙攣が起きていたり、かなり熱が高いなどであれば、応急処置で様子見をするのは厳禁だ。

「応急処置はしつつも急ぎ救急要請をしましょう。特に気を付けてほしいのが、意識がはっきりしない人に無理に水を飲ませないことです。意識が朦朧としていると誤嚥してしまい、肺炎などに繋がりかねません。体を冷やすなどはしっかり行ってほしいのですが、水分補給だけは対応が違うので気を付けてください」

まだまだ暑い夏は続く。熱中症予防として、首元と手のひらを冷やす行為は手軽でおすすめだ。濡らすと冷たくなるタオルを首に巻いたり、冷たいものを手で握ったりといった工夫で、「体を冷やす」を意識してほしい。

これらを基本にしつつ、体調や状況に応じて経口補水液なども上手に取り入れたい。正しく対策をして夏を乗り切ろう!

近藤千種医師プロフィール
内科学会認定内科医、抗加齢医学会認定専門医。帝京大学医学部を卒業後、総合犬山中央病院、ちくさ病院副院長などを経て2023年10月名古屋市内に「ちぐさ内科クリニック覚王山」を開院。

取材・文/田村菜津季

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