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あの感動から9年「ポケモンGO」の進化を辿る!街歩きゲームから人と地域をつなぐプラットフォームへ

2025.07.22

2016年7月、『ポケモンGO』はスマートフォンの位置情報を活用した革新的なゲームとして登場し、瞬く間に世界的ブームを巻き起こした。リリースから9年、ポケモンGOは単なる位置情報ゲームの枠を超え、コロナ禍での外出制限を経て、現実世界での交流や地域活性化を支える存在へと進化している。その歩みを3つの時期に分けて振り返る。

2016~2019年:“街中でポケモンゲット”という新体験

『ポケモンGO』の情報が初公開されたのは、2015年9月のこと。位置情報ゲーム『Ingress』を手がけるNianticとのコラボにより、現実世界そのものを舞台としてポケモンの捕獲や交換、バトルが楽しめるコンセプトが大きな話題を呼んだ。2016年7月に北米などで先行配信され、日本でも22日にサービスが開始した。

まだ見ぬ珍しいポケモンを求め、大きな公園や観光地にプレイヤーが殺到し、社会現象としてニュースを賑わせた。発売初月の勢いは凄まじく、「初月で最も収益を上げたモバイルゲーム」「初月で最も多くダウンロードされたモバイルゲーム」「最も早く売上高1億ドル(約100億円)に到達したモバイルゲーム(リリース後20日)」など5つのギネス記録を達成した。

2016年のゲーム内マップ画面のスクリーンショット。ポケモンジムやアバターの見た目が異なるが、基本的なUIは現在と大きく変わっていない。

リリース直後は初代『赤・緑』に登場するポケモンのうち140匹程度のみが実装されており、伝説のポケモンも登場していなかった。筆者も16年11月に当時出現していたポケモンを全て捕まえており、コンテンツ不足感は否めない状態だった。また、運転中の操作による事故が発生するなど社会的問題も生まれ、速度制限機能の導入など安全対策が進められた。

その後16年12月には『金・銀』世代ポケモンが、17年12月には『ルビー・サファイア』世代ポケモンが追加され、捕まえる楽しさは大きく広がった。また17年6月にはポケモンジムの仕組みが現在と近いものにアップデートされ、他のトレーナーと協力してポケモンジムに出現するボスポケモンを倒すレイドバトルも実装された。

伝説のポケモンも17年6月に初登場。最初に実装されたのはルギアとフリーザーだった。

18年1月には毎月恒例のコミュニティ・デイがスタート。18年3月には与えられるタスクをクリアするリサーチ機能も実装し、現在のポケモンGOに近い遊び方ができるようになった。

初のリアルイベントが行われたのもこの頃で、17年8月に横浜みなとみらいで「Pokémon GO PARK」が開催、200万人以上のトレーナーで賑わった。18年6月にはフレンド機能や交換機能が、同年12月には他のトレーナーと戦えるトレーナーバトルが実装され、他のトレーナーとの交流ができるようになった。

コミュニティ・デイでは出現率の低いポケモンが主にピックアップされている。イベント期間中は色違いのポケモンに遭遇する確率が高くなるほか、期間内に最終進化形まで進化させると特別なわざを覚えるポケモンも。

2020~2022年:距離を保つゲーム体験への変化

2020年に入る頃には『ブラック・ホワイト』世代までのポケモンが実装されており、長く楽しめるゲームとしての基盤が整っていた。そしかし、新型コロナウイルスの流行で外出が制限され、ポケモンGOの最大の特徴である“歩いて遊ぶ”体験が大幅に制限されてしまった。

対抗策として、20年7月には離れたポケモンジムのレイドバトルに参加できるリモートレイドパスが導入された。また「Pokémon GO Fest 2020」はグローバルでのオンラインイベントとして開催され、21年2月からは新たなグローバルイベント「Pokémon GO Tour」もスタートした。他にも一定時間ごとにポケモンが出現するおこうの持続時間が30分から1時間に延長されるなど、自宅で遊べる工夫も次々と加えられた。

その間も様々な機能が追加されており、20年11月にはメガシンカ機能が実装され、12月には最大40だったポケモンのレベルとトレーナーレベルが50まで開放。レベル41以降のポケモンの強化にはポケモンのアメXLが必要となり、ポケモン収集の動機が強化された。

トレーナーレベル41以降はXP(経験値)だけでなくタスクのクリアも必要になる。難易度は段階的に上がっていく。

2021年にはシーズン制が導入され、約3か月ごとに出現ポケモンやイベントが切り替わる仕組みが定着した。そして22年にはリアルイベントとしての「Pokémon GO Fest」が復活し、札幌、ベルリン、シアトルで開催された。

2023年~:コミュニティ重視と新たな挑戦

コロナ禍が落ち着きを見せ始めた23年以降、リアルでのつながりを重視する動きが本格化した。「Pokémon GO Fest」と「Pokémon GO Tour」に加え、新イベント「Pokémon GO ワイルドエリア」がスタート。25年3月には街全体を舞台にしたイベント「Pokémon GO City Safari」がシンガポールで開催。9月以降はアムステルダムなど各地での展開も予定されている。

23年7月には、プレイヤーが経路を設定できるルート機能が実装され、公式ルートとして自治体や企業と連携する事例も登場した。24年1月からは日本でもコミュニティアンバサダープログラムが始まり、地域での対面交流イベントを主催するトレーナーを公式が支援する仕組みが整った。

ゲーム自体の進化も止まらない。24年9月から開始されたシーズン「マックス・アウト」ではダイマックスが登場。これまでのレイドバトルに変わる新たなダイマックスポケモンとのバトルや捕獲が楽しめるようになった。

「Pokémon GO ワイルドエリア」ではキョダイマックスストリンダーが登場。ポケモンの背景に映る特殊なイラスト(スペシャル背景)は24年7月以降実装されたもので、収集要素の一つとして人気だ。

9年目を迎え、10年という節目に向かって歩みを続けるポケモンGOは、「現実世界の冒険を促すARゲーム」という枠を超え、「人と人、そして地域をつなぐプラットフォーム」へとしんかしてきている。2025年3月にはNianticからゲーム開発企業のスコープリーへと事業売却されたことにより、そのノウハウを活かした機能や取り組みが期待されている。

まもなく10年を迎えるポケモンGOは、これからも現実とデジタルの両面で繋がりを広げていくことだろう。

取材・文/桑元康平(すいのこ)

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