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「古古古米」は本当にまずいのか?食べてみてわかった味やにおいの特徴とおいしくなる炊き方

2025.08.19

備蓄米の放出で手に入るようになった古古古米だが、SNSを中心に「まずい」という声が多く聞かれる。本記事では古古古米がまずいと言われる理由や実際のレビュー、美味しい食べ方を解説する。

2025年、令和の米騒動を受けて備蓄米が放出され、古古古米が店頭に並ぶようになった。しかし、ネット上では「古古古米はまずい」「古古古米って美味しく食べられるの?」といった意見や不安の声も少なくない。購入を検討している人にとって、味や特徴は気になるところだろう。

本記事では、古古古米とは何か、「まずい」と言われる理由や実際に食べた人の意見、美味しく食べるための工夫までを解説する。古古古米の特徴や活用法を知ることで、賢く食生活に取り入れるヒントを得てほしい。

古古古米とは?古米・古古米との違い

古古古米について正しく理解することは、味や活用法を考える上で欠かせない。まずは、古古古米の定義や古米・古古米との違いについて確認しておこう。古古古米が販売に至った背景や、市場での価格相場についても解説する。

■古古古米はいつの米か

古古古米とは、収穫から3年以上経過したお米を指す。一般的に「新米」は収穫から1年未満の米であり、「古米」は1年以上、「古古米」は2年以上、「古古古米」は3年以上保存された米をいう。つまり、2025年7月現在では古古古米は2021年産の米を指す。そして、秋に新たに米が収穫されるとその呼び名は1年ずつスライドするため、2025年の11月頃の「古古古米」は、2022年産の米を指すことになる。

<2025年7月現在の古米・古古米・古古古米>

古米:2023年産

古古米:2022年産

古古古米:2021年産

基本的に、米は長期間の保存で水分や風味が徐々に失われて味が落ちる傾向にある。しかし、玄米か精米後であるか、保管場所の温度など保存条件によって品質には差が出ることは覚えておきたい。政府によって整備されている備蓄米は品質の劣化を防ぐため玄米で保存されており、温度や湿度も厳格に管理されている。

■古古古米(備蓄米)販売の背景

2025年現在、話題になっている古古古米は、政府によって保管されていた備蓄米だ。備蓄米は、米の不作や災害など緊急時のために備蓄されているもので、必要に応じて利用される。通常、備蓄米は市場に出回らないものだが、前年から続く深刻な米の価格高騰を受けて政府は備蓄米の放出を発表。これにより古米や古古米、古古古米が販売されるに至った。

備蓄米制度は1993年の記録的な冷夏の影響で起こった「平成の米騒動」を受け、有事の際の蓄えとして1995年に制定された。しかし、実際に備蓄米が主食用として販売されるのは制定以来、初めてのことだ。

■古古古米の値段や販売価格の相場

古古古米は、一般的な新米と比べると安く購入できる。5kgで税込み2,000円前後が相場であり、通常の銘柄米が税込み4,000円を超えることを踏まえると半額以下の価格だ。コストを抑えたい人や、業務用としての需要が高い。

また、コンビニでは1kgや2kgの小分けサイズでも販売されており、価格は1kgで税込み400円程度、2kgで税込み750円程度。単身者や味に不安がある人のニーズに応え、少量から気軽に購入しやすくなっている。

古古古米が「まずい」と言われる理由

古古古米の味に関して「まずい」と評価する声は、少なくない。実際に味や香り、食感において私たちが食べ慣れていた米とは異なる特徴があるため、否定的な感想につながることもあるだろう。

ここでは、具体的に古古古米のどのような点が「まずい」と言われてしまうのか、解説する。

■古古古米特有のにおい

「まずい」と感じる理由で多く挙げられるのが、ひね臭さとも呼ばれる古い米独特のにおいだ。長期間保存されている古古古米は、米の表面の脂質が酸化することでにおいが発生しやすい。古新聞や段ボール、古い油のようなにおいと表現され、炊飯時や食事中に気になる場合がある。

私たちが味を感じる上でにおいは重要な役割を果たしており、舌で感じる味覚と鼻で感じる嗅覚が相まって「味」と認識されている。そのため、実際の古古古米の味がさほど悪くない場合でも、においがきついことが影響し、「まずい」と感じる場合もあるだろう。

■甘みや旨みの減少

米は、収穫から時間が経過すると、本来の甘みや旨みが失われやすくなる。炊飯しても新米特有の甘みや風味が薄れてしまい、味気なさを感じることが多い。これも古古古米が「まずい」と評価される理由の一つだ。また、古い米はでんぷん質も変化してしまい、粘り気がなくなる。日本人の多くは、日本の米の特徴であるもっちりとした粘り気のある食感に慣れているため、古い米の食感の違いに戸惑う人は多いかもしれない。

■水分の蒸発による硬さ

古古古米は保存期間が長いため、水分が蒸発して乾燥が進んでしまう。そのため、新米と同じ条件で炊いたときに水分を十分に吸収しにくく、「芯が残る」「ぱさぱさする」といった食感の変化が起こる。これも「まずい」と感じる一因であり、炊飯の方法や調理に工夫が必要となる。

実際に食べた人の声や専門家の意見

味の評価は主観的で人それぞれであるため、古古古米に対する反応も多様な意見がある。ここでは、実際に食べた人の声や、米の専門家や米農家などの見解を整理しながら、古古古米の実情を把握していこう。

■「まずい」と感じた人の意見は?

SNSやレビューには、実際に古古古米を食べた人のからの「臭くて食べられない」「食感が硬くてまずい」といった厳しい声も見られる。

特に家庭用の炊飯器で従来の米と同じように炊いた場合に、古古古米のにおいや食感が強調されやすいようだ。炊き立てでも独特のにおいやパサつきが際立つため、「まずい」と感じる人が一定数存在する。

■「普通に食べられる」意見も

一方で、「思ったほど気にならない」「味付けや調理法を工夫すれば十分食べられる」という前向きな意見も多い。

においを感じにくくなる調理法や、味を補う食材との組み合わせによって、古古古米でも食用として問題なく活用できる。工夫次第で美味しく食べられるのなら安価な古古古米で十分という声は少なくない。大家族や食べ盛りの子を持つ家庭など、コストパフォーマンスを重視したい消費者を中心に、古古古米の需要は高まっている。

■専門家の見解もさまざま

お米マイスターや農業関係者など、専門家の間でも古古古米に関しては多様な意見があり、味の評価は分かれる。保存状態や炊き方によって味や食感が大きく変わるため、一概に「まずい」とは言い切れない意見が多いが、「新米との違いは感じる」と冷静な見解も聞かれる。

古古古米の美味しい食べ方

古古古米を美味しく食べるためには、劣化してしまったにおいや風味、食感を良くするためのコツを押さえることが大切だ。ここでは、炊き方や調理法の工夫について、具体策をいくつか紹介する。

■研ぎ方を工夫する

古古古米を美味しく食べるためには、炊く前の研ぎ方から工夫してみよう。はじめに入れた水は、全体をさっとかき混ぜてすぐに捨てるのがポイント。研ぐ前の米は乾燥しており水を一気に給水するため、米の汚れや水の雑味を取り込んでしまう前に素早く捨てよう。その後は水を2~3回替え、力を入れ過ぎないよう、やさしく手早く研ぐ。

■炊く前にしっかり浸水させる

古古古米は通常の米より乾燥が進んでいるため、美味しく食べるにはしっかり水を吸わせることが大切だ。炊く前に1時間ほど浸水させると、芯まで柔らかくなり甘みも出る。

■水を多めに入れて炊く

古古古米の乾燥をカバーする手段として、水を多めに入れて炊くのも有効だ。従来の米より1.1~1.2倍を目安に、水を多めに入れてみよう。炊飯器によって炊き上がり具合が変わるので、まずは普段より少し水を増やしてから、好みによって調整すると良い。

■酒やみりんを加えて炊く

香りや甘みが減っている古古古米を炊く際に、酒やみりんを加えると甘みが増し、ふっくらと炊き上がる。酒は、古古古米特有のにおいを和らげて風味を整える効果があり、みりんは甘みと照りを出してくれる。米1合に対して各小さじ1~2をプラスしてみよう。入れ過ぎると香りが強くなり過ぎるため、こちらも少量から試して調整する。

■昆布を入れて炊く

だし昆布を入れて炊くことで昆布の旨味が古古古米にしみ込み、味に深みが出る。和風の香りも加わりバランスも整うため、においが気になる人は試してみる価値があるだろう。

■味の強い料理に使う

古古古米を普通に食べるのではなく、味付けの濃い料理や米が少し硬くても美味しく食べられる料理に使うのも方法の一つ。調味料によってにおいが気にならなくなり、他の食材と混ざることで食感の違和感も軽減する可能性がある。例えば、炊き込みご飯やカレー、丼もの、チャーハンなど。リゾットや雑炊など、水分を多く含ませる料理もおすすめ。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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