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40年も愛され続ける理由とは?知られざるグリコ「アイスの実」進化の真相

2025.08.09

梅雨が明け、本格的な夏がやってきた。暑さは堪えるが、アイスクリームがますます美味い!

そんな季節に見逃せないニュースが届いた。『江崎グリコ』が「アイスの実」を味変できるパウダーを、全国約2700店舗でプレゼントするという。

「アイスの実」といえば、一口でぱくっと食べられるボール状のアイスクリーム。子どもも大人も食べやすく、おなじみの人も多いだろう。1983年生まれの筆者が子どもの頃は、いろいろな味が入っていて楽しめた記憶がある。中でもチョコレート味が好きだったなあ。でも近頃は、フルーツ味のイメージが強いような?

長年愛される商品なのに、よく知らないかも……。社会人たるもの、何事も知ったかぶりはよくない! そこで、本商品の開発に携わった『江崎グリコ』健康イノベーション事業本部健康事業マーケティング部抗酸化マーケティンググループの神頭 渉さんを直撃してきた。

「アイスの実」って、なんぞや?

パッケージの変化。アイスの実の歴史は長い(画像提供:江崎グリコ)

まず「アイスの実」の始まりは、1986年にさかのぼる。「Candy Ball~アイスの実~」という名前で発売され、1989年に「アイスの実」と改名。2026年で40周年を迎えるロングセラーである。

『江崎グリコ』健康イノベーション事業本部健康事業マーケティング部抗酸化マーケティンググループの神頭(かんとう)渉さん

「発売当時、キャラメルやドロップなど、お菓子で一口サイズのものはありました。ただ、アイスクリームはカップ入りや棒アイスなどが一般的で、気軽にぱくぱくと食べられるものは多くはありませんでした。そこで一口サイズの新しい楽しみ方を提案しようと、着想から発売まで3年かけてつくったと聞いています」(以下「」内、全て『江崎グリコ』健康イノベーション事業本部健康事業マーケティング部抗酸化マーケティンググループの神頭(かんとう)渉さん)

この形も構造も大きさも変わっていない(画像提供:江崎グリコ)

「『アイスの実』をつくるにあたり、こだわった点が3つあります。一つは、キレイな丸い一口型にすること。当時はまだ新しく、技術的にかなり難しかったそうです。

二つ目が、2層構造にしたこと。『アイスの実』は中がジェラート、周りは氷の膜で覆われているのですが、開発を始めた当初、中のジェラートだけでは球同士が糖分でくっついたり、気温が上がるとすぐに潰れたりしていました。それを打破したのが魚の競りで見た光景。どうすればいいのかと考えていた当時の開発者が、凍ったマグロに水をかけて表面を氷の膜で覆い、鮮度を保つ様子を見て閃いたそうです。周りを氷で覆えばいいんだ!と。

そして三つ目が、粒のサイズです。食べやすいように、大きすぎず小さすぎず、ちょうどいいサイズにしたと聞いています。開発時からかなりこだわった点なので、この3つは進化を加えつつ、今も変えていないんですよ」

いろんな味が楽しめるよさ、好きな味だけが楽しめるよさ

通常、アイスクリームは1個につき1種のフレーバーを堪能するものである。しかし「アイスの実」は、1箱(袋)に4つのフレーバー入りという新しいスタイルで、他のアイスクリームと差別化をはかった。

初代パッケージ。箱を開けると袋に4種のフレーバーが入っていた。(画像提供:江崎グリコ)

「初代は縦型の箱入りで、赤色と青色の2種類を同時に発売しました。赤箱には、ミルク、チョコレート、アップル、乳酸パイン。青箱には、ミルク、チョコレート、オレンジ、ブルーベリーと、それぞれ4種のフレーバーが入っていて、“1つでいろんな味が楽しめる”とご好評の声をいただきました。

2013年、1袋につき1つのフレーバーに。(画像提供:江崎グリコ)

それを大きく変えたのが2013年です。ここで1袋に1種のフレーバーに絞り、ぶどう、もも、オレンジと、フルーツフレーバーをメインにつくり始めました。というのも、いろいろ食べられるのは楽しい一方で、4つの味が全て好きかといえばそうではないというお声も多く……“1つでいろんな味が楽しめる”からこその改善点も見えたんです。

2024年に登場。新定番となる『アイスの実 ぶどうマスカット』。(画像提供:江崎グリコ)

こうして好きな味をとことん楽しんでいただく時代を経て、2024年9月からは、1袋に2種のフレーバー入りの『アイスの実 ぶどうマスカット』と『アイスの実 白桃黄桃』も登場しました。これらは6粒ずつちがうフレーバーが入っているので、“選ぶ楽しさ”と“好きな味を楽しむ”の両方を叶えることができます」

本物を食べるよりも美味しい!?

筆者は『アイスの実 ぶどうマスカット』が好きなのだが、まるで本物のようにジューシーな味わい。そして、ともすれば本物以上にぶどうの美味しさが感じられることに、毎回驚きを隠せない。

「『アイスの実 ぶどうマスカット』は果汁を80%以上使い、素材の美味しさを凝縮しています。また、個体差による極端な苦味や酸味などもないのでバランスがよく、本物以上に美味しいと感じていただけるのかもしれませんね」

2001年の『アイスの実』には「すっきりフルーツがおいしい」のキャッチコピー。(画像提供:江崎グリコ)

ちなみに「アイスの実」がフルーツに注目し始めたのは2001年からなのだとか。

「クリーム系はいろいろなブランドから出ていますし、アイスクリームの王道ともいえる人気フレーバーです。しかし我々『アイスの実』という名前からは、どこかフルーツを連想できますし、メインをフルーツにすることで独自の路線がつくれると考えました。

現在は、フルーツ味とカフェオレ味が定番で、年に何度か季節のフレーバーも登場します。これまで作ったフレーバーは、のべ30種類以上です」

粉を後がけする『フリ食べアイスの実』はファンの声から生まれた

定番の2商品に、味変できるパウダーがプレゼントされる。

そして冒頭の、味変できるパウダーである。

今回プレゼントされるパウダーは2種類。該当する店舗で『アイスの実』を2個買うともらえるもので、『アイスの実 ぶどうマスカット』には『レモンパウダー』、『アイスの実 白いカフェオレ』には『抹茶パウダー』を合わせて楽しめるという。

実はアレンジも豊富。(画像提供:江崎グリコ)
※レシピ写真の「アイスの実」は現在販売していないフレーバーの可能性があります。

「より多くのお客様に、夏にお楽しみいただけるフレーバーをと開発しました。

この企画が生まれたきっかけは、ファンミーティングです。『アイスの実』は、2019年ごろからアレンジレシピの提案を行ってきましたが、2023年のファンミーティングでアレンジをもっと楽しんでいただきたいと、あらゆる食べ物を用意したんです。生ハム、プリン、チーズなど、いろいろある中で、パウダー系をかけるとおもしろいという声が集まりました。

そこで翌2024年には、多彩なパウダーを用意してファンミーティングを開催しました。すると、予想以上に“粉をかける”という工程も含めて盛り上がって。これは楽しいと、今回のキャンペーンに至りました」

『フリ食べアイスの実』を美味しく食べるコツ

2つの開け口がある。

『アイスの実』は、袋上部にある2種の開け口から食べられる。一つが「ワイドOPEN」というガバッと大きく開けられる口、もう一つが「プチOPEN」という1粒ずつ取り出せる口だ。

『フリ食べアイスの実』を美味しく食べるには、「プチOPEN」を活用するべし、と神頭さんはいう。

「プチOPEN」を開けること。

「小さく開けた口からパウダーを入れていただき、袋の口を折りたたんでよく振ってください。パウダーがまんべんなくついた状態が一番美味しくお召し上がりいただけます」

『アイスの実 白いカフェオレ』は色の変化も楽しい。

さっそくアドバイス通り、シャカシャカ振ってみると……おぉ、『アイスの実 白いカフェオレ』は、国産抹茶パウダーでグリーンに色が変わるのも美しい。『アイスの実 ぶどうマスカット』は、爽やかなレモンの風味を纏い、暑い日のクールダウンにたまらない!

『アイスの実 ぶどうマスカット』は爽やかで、酷暑のリフレッシュにぴったり。

「1粒ずつ食べられるからこそ、一度に食べ切るもよし、仕事や家事の気分転換に少しずつ食べるもよし。今回のパウダーを後がけして、通常のフレーバーと食べ比べるもよし。アイスという嗜好品の楽しさ、幸せを一層感じていただけたらと思います」

取材協力/江崎グリコ

取材・文/ニイミユカ

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