
Xで有名な「ファルコン(@falcon119268676)さん」。これまでまったくメディア露出をしてこなかった方が、「Webインタビューなら」と@ DIMEのインタビューを請けていただけました。初心者にもわかりやすい投資方法や、累計300万円以上受け取ったというQUOカード優待についても詳しく伺います!
東京在住、FIREしたファルコンさんにインタビュー!
――まず、年代を伺ってもいいですか?
40代です。
――Xの印象より実年齢がお若いと思いました!オフィスワークをされていたんでしょうか。現在はFIREされているんですよね。
はい、過去、サラリーマンをしていて、現在はFIRE(経済的に自立し早期リタイア)しています。会社(東証一部)で仕事をしていましたが、20代の頃に定年までこの会社にいるのは無理と思い、投資で成功する道を選びました。元同僚とは今でも仲がよく、愚痴を年に数回、聞いています(笑)。
投資歴は、2005年夏頃からですから、ちょうど20年ですね。20年前は小泉政権で日経平均が上昇していましたが、翌年のライブドアショックも経験し、リーマンショックや、東日本大震災などさまざまな「〇〇ショック」を経験して今があります。
今は、趣味の麻雀、旅行などをしていて、麻雀では大会運営やチーム戦にもかかわっています。また、退職後に知り合った人とも定期的に飲みに行っています。ただ、大人数は好きではないので少人数で、です。
人間関係が一番ストレスになると思うので、合わない人は、すぐに「損切り(※株の用語で損失拡大を防ぐために損を確定させて売ること)」します。
人の意見に流されず、健康なうちにとにかく自分がやりたい事、楽しめる事をするようにしています。楽しみは先延ばしにしない。
――そんな中、インタビューを受けてくださって本当にありがとうございます。そうそう、印象的なのはQUOカードで「塔」になっている写真です。推測200万円以上だそうで、すごいですね。
QUOカードの「塔」はここ10年以内のQUOカード分です。写真を撮った時は200万円以上で、更新していませんが、現在は300万円弱まで集まっています。
ただ、最初からQUOカードを株主優待で集めていたわけではありません。今でも、投資は株主優待メインではなくて、株主優待+配当金を見ていて、つまり総合利回りがいい銘柄がメインなんですよ。
――そうなんですか!
最初は資産を増やすことに注力。テンバガーを狙って成長株に投資をするほか、トレードも頻繁に行っていました。そのため、株主優待銘柄は飲食関連銘柄を少し集めていただけでした。最初に買った銘柄はスターバックス・ジャパンです(※現在は上場廃止、株主優待では、好きなサイズ、トッピング自由のドリンク無料券2枚だった)。
――なつかしい!私も、スターバックス・ジャパンの株を保有していました!
お持ちでしたか。スターバックスで一番大きなベンティサイズを知ったのはこの株主優待をもらった時です。2015年に上場廃止になるまで持ち続けて、株価は約5倍になりました。
――資産が増えた後の株主優待銘柄についても教えてもらえますか?
資産が増えて、余力が増えてから株主優待銘柄へシフトし、もらった銘柄は、ドラッグストアや家電量販店の金券、ホテル宿泊券、そのほか、自社製品やカタログギフトがもらえる銘柄、プレミアム倶楽部(PYC)などさまざま。その中に、QUOカードや図書カード、ギフトカード、おこめ券、ジェフグルメカードがもらえる銘柄も混ざっているくらいでした。
――ポートフォリオにも変遷があるということですね。
結果として、今は、株主優待銘柄保有数は700以上。買う株がなくなってきてからはQUOカード優待銘柄の収集を始めて、最初は年間36万5,000円を目標にしました。なぜなら、1日あたり1,000円分を使ってよいことになるからです。
QUOカード銘柄も集めていき、現在は、デジタルギフト(QUOカードPay、PayPayマネーライトなど)を含めて、年間150万円ほどいただいています(笑)。
――すごい額ですね!QUOカードは有効期限がないから選ばれているのかと思っていましたが、「買う株がなくなってきたからQUOカード銘柄にする」とはすごい発想と思います!QUOカードはマツモトキヨシやコンビニエンスストアなどでも使えますよね?
ええ。使えますが、私はQUOカードをコンビニエンスストアでは月に何度か使う程度で、マツモトキヨシはドラッグストアの株主優待があるので使いません。書店でも図書カードがあるのでQUOカードは使いません。
では、なぜQUOカードを集めているのかというと、一部のガソリンスタンドで使えるのが理由です。私は、自動車で年間3万km以上走るので。QUOカードのおかげでガソリン代は年間無料です。
――年間無料!!
あと、もし、現金がなくなったとしても1日1,000円のQUOカードがあれば餓死することはないだろういう算段から、当初の「1日1,000円、年間36万5,000円受け取る目標」を立てました。おかげさまで、計算してみると今は1日4,000円のQUOカードを受け取っています。
もらったデジタルギフトの例。街の多くのお店で現金のようにして使える。
今は、株主優待でも、これまでQUOカードがもらえていた銘柄がデジタルギフトへ変更したりして、 QUOカードPay、PayPay、dポイント、Amazonポイントなどのデジタルギフトで受け取ることでQUOカードが使えない場所でも使えるため、「最強の株主優待」になりつつあると感じています(※QUOカードPayは、成城石井、ウエルシア、ユニクロ、一部店舗を除くららぽーとなど多くの店舗で使える)
デジタルギフトやQUOカード優待が新設されたらチェック。場合によっては、すぐに買いたくなります(笑)。高配当銘柄も好きですが、優待銘柄の方がもっと好きかもしれません。
――わがままなお願いなのですが、お気に入りのQUOカード優待を3銘柄ほど教えてほしいです。
はい。お気に入りのQUOカード優待はたくさんありますが、中でも配当利回りもよく増配傾向の3銘柄を紹介します。
まず1つめは、共同印刷(7914)。3月9月権利で、6ヶ月以上の継続保有が必要ですが、年2回権利で、200株保有で500円分(年間1,000円分)のQUOカードがもらえ、希望者には3月権利、200株以上保有でカレンダーももらえます。
2026年3月期に大幅増配(年間76円)があり、好感視しています。200株保有の場合、初年度でも配当+優待利回りは6%を超えます。
2つめは、ニチリン(5184)。12月権利で1年以上継続保有が必要です。100株で1,000円分のQUOカードがもらえます。そして、100株保有でも3年以上だと3,000円分になり、長期になると増額します。
3つめは、サカタインクス(4633)。こちらも12月権利ですが、保有期間によって増えていきます。1年未満なら500円分ですが、1年以上3年未満なら1,000円分、3年以上なら2,000円分のQUOカードがもらえます。
――株を買う時のポイントはありますか?
買う時のポイントは、株主優待が新設された場合は財務と、配当+優待利回りを見ます。 配当銘柄を選ぶ時は、(1)まずは減配していないこと、そして、(2)配当性向が高すぎないこと、(3)利益剰余金もしっかりあり増配傾向で余力がある企業。この3点を見ています。
赤字企業、利益剰余金がマイナスの企業で、大盤振る舞いの株主優待を発表した場合は買いません。ただ、昨年、新設したメディア工房(3815)のような少額投資で貰える企業は例外的に、赤字でも買いました(笑)。なぜなら戦略があったからです。
株価455円で100株買い、配当利回りは0%。昨年4,000円のQUOカードPay、今年5,000円のQUOカードPayをもらえば、投資金額4万5,500円中の9,000円分は回収できたことになり、買値は実質365円という感覚です。
株主優待が廃止濃厚な気はするものの、もらった優待の額を考えて365円より株価が下に下がらなければ“勝ち”。そういう感覚で買った高額デジタルギフト・QUOカード優待銘柄もちらほらあります。
株価は予知できなく、割安だと思った高額QUOカード銘柄を買って放置していると、数年後に思わぬ上昇もあったりしますよ。
あと、余談かもしれませんが、日本インシュレーション(5368)も仕込んでいます。株主優待制度の導入を発表、8月頃までに内容の発表を予定しているからですが、こういうのも情報をチェックしていないと気づかない内容かと思いますね。
情報を取りこぼさないために、どんなに忙しくても適時開示情報、新高値新安値銘柄は必ずチェック。株主優待新設、拡充、改悪、廃止、増減配を見逃さないことです。
――ありがとうございます!@ DIME読者にアドバイスいただけますか?
もし、投資に躊躇しているならやってみるべきだと思います。若い頃から投資している人と投資してない人で将来大きな差がつくと思います。ここ数年のインフレで一番暴落しているのは現金ですから(現金を預金しているだけでは、モノが高くなる一方で”現金の価値が落ちてしまう”数年前とは同じ金額で買える量が激減している)。
その事にようやく気づいてきた人もいますが、まだまだ投資はギャンブルのイメージが根強い。
実際、株主優待や配当金をどうやったらもらえるのかを学び、少額から始めて、面白さがわかれば投資額を増やしていけばいいと思います。
――なるほど。最初は少額でいいんですね。
投資を始めれば今まで見落としていた街の店や企業に興味を持ったりしますし。小売・飲食銘柄の成長を見守る楽しみもあります。また、 年金+αの資金をコツコツ作っていけば気持ちに余裕ができ、豊かな老後が送れるはず。
お金があれば人生の選択肢が増えますし、お金の為に諦める事が減るという意味でも資産運用は必要だと思います。
これまでメディア取材を一切受けずにいたファルコンさん。40代にしてすでにFIREを達成し、かつ、金銭的な余裕もあるため、欲しい優待があれば次々と買える神様のような域にまで達している方でした。@ DIME読者へのありがたいメッセージもいただいたので、きっと参考になるはずです。
文/谷口久美子