
睡眠は身体の健康やリラックスに欠かせない時間。寝具環境を整えることは、心も身体も健康でウェルビーイングな状態を目指すことの近道になるかもしれない。
大暑の7月22日を「スリパの日」に制定 「クラウドセル」が特徴の3種類のマットレスで寝心地や通気性を追求
オーストラリア発の寝具ブランド『コアラマットレス』は、「スリープパフォーマンス」(以下、スリパ) というコンセプトを掲げ、睡眠の質を向上させるためのさまざまな取り組みを行っている。「スリパ」とは、限られた睡眠時間でもしっかり眠った感覚を実感できる「睡眠の質の最適化」のこと。コアラマットレスは2024年から、睡眠不足大国の日本において「スリパ」を高めるための啓蒙活動を行っている。
睡眠時間が十分でも、室温・湿度・寝具環境・ストレスなどにより深い眠りが妨げられている場合、本来の回復効果は得られないという。コアラマットレスは、こうした“目に見えない眠りの質=スリープパフォーマンス”の向上を目指して活動を続けている。この度コアラマットレスは、二十四節気の「大暑」の初日(2025年は7月22日)を「スリパの日」と制定。スリパ(睡眠の質)向上の重要性啓発と、快眠環境の再考を呼びかけていく。
コアラマットレスは、オーストラリアで2015年に創業。創業者であるダニーは学生時代にラグビー選手だった。選手としての経験から「体のコンディションを整えること」に気を遣ってきた中で、怪我による腰痛をきっかけに睡眠の重要性に気づいたという。自分に合うマットレスが見つからなかったことから、自ら作ることに。高価格帯と低価格帯の間のミドル価格なマットレスが見当たらないことにも気づき、コアラマットレスでは価格をミドル帯に設定している。
日本での展開は2017年から。オンラインでの販売が主流で、東京・表参道にショールームもオープン。この7月12日にはショールームが移転し、外苑前に青山ショールームがオープンした。
青山ショールームの店長・伊熊拓氏によると、コアラマットレスに使用されているウレタンの特徴は、独自開発素材の「クラウドセル」にあるという。
「コアラのマットレスの中身は、全てウレタンフォームが重なってできています。『オリジナルコアラマットレス』と上位モデルの『コアラマットレス PLUS』、そして最上位の『コアラマットレス SUPREME』があります。我々がクラウドセルと呼んでいるのは、重なっているウレタンフォームの一番上の部分、一番身体に近い部分です。たくさんの気泡(穴)を施したことにより、ウレタンマットレスの弱点と言われた通気性を高めました。ウレタンというと、手で押したら手の形が残るような“低反発”のイメージが強いかと思いますが、クラウドセルは低反発と高反発をかけ合わせた“いいとこ取り”になっています。これを実現するために、さまざまな大きさの気泡が役立っています」
通常の低反発マットレスの場合、身体とウレタンが密着して空気が通らないため、暑さを感じる。また密着しすぎることで身体が寝具にはまった状態となり、寝心地が悪くなることもあるという。クラウドセルは寝心地を考えて低反発と高反発をバランスよく配合し、通気を配慮して製造されている。
「身体は部位によって重さが違うので、それぞれを支えるのに必要な力も違います。マットレスの奥行は195cm。『ゾーニング』といって、この195cmを分割して支える力を変えています。例えば『オリジナルコアラマットレス』は3分割で、足・腰・頭を支えます。これが『コアラマットレス PLUS』と『コアラマットレス SUPREME』になると、5分割、7分割になり、より細かく体を支えてくれます。マットレスの中身も、マットレスの種類によって3層から、最上位モデルで6層になっています。この層も目に見て分かりやすく、コアラマットレスの特徴といえます」
さらに『コアラマットレス PLUS』と『コアラマットレス SUPREME』は、クラウドセルの表面と裏面で硬さを「ふつう」と「かため」に変えている。リバーシブルにすることで、「ふつう」と「かため」を入れ替えて、好みの硬さで寝ることができるのだ。
「ニュートンという、ウレタンフォームの硬さや柔らかさを表す数字があります。オリジナルモデルのマットレスは70ニュートン。『コアラマットレス PLUS』と『コアラマットレス SUPREME』は、「ふつう」が80ニュートン。裏返した「かため」は120ニュートンで、硬いマットレスが好きという方はこのモデルを選ぶ方が多いです」
またマットレス表面部分にあたるマットレスカバーも、『Summer』と『Winter』でリバーシブルになっており、生地感が違う。『Summer』はひんやりする生地、『Winter』は暖かみのある生地で、使い分けて通年使い続けることができる。1台でマットレスの硬さやカバーの寝心地をカスタマイズできるのだ。
「実はマットレスカバーの素材は『コアラマットレス PLUS』と『コアラマットレス SUPREME』で少し違います。『コアラマットレス SUPREME』にはコッパーという銅の素材が入っていて、より熱伝導率を高めています。また銅はアンチウイルスの力もより強いです。『コアラマットレス PLUS』は竹炭でアンチウイルスしています。こうした素材の開発も含めて、商品開発はすべて自社で行っています」
またコアラマットレスのサービスとして、「120日トライアル」も好評だ。マットレスは120日お試しすることができ、合わなければ無料で返品・返金できる。
「店頭でほんの数秒横になるのと、実際に自宅で7時間眠るのでは感じ方が違うと思います。ご自宅に帰って120日間しっかり試していただいて選んでもらう。もし合わなければ返品していただいて大丈夫です。そうした安心感もあって選んでいただいていると思います」
コアラ保護やアップサイクルでサステナ活動も 7月19日からは「スリパの日記念セール」も開催
コアラでは、サステナビリティの取り組みも行っている。例えばマットレスを1枚購入することで、コアラを1匹保護できる金額を『WWF(世界保護基金)』に寄付している。その証として、マットレスを購入するとコアラのぬいぐるみ『ココちゃん』がマットレスと一緒に届くそうだ。また売上の一部を『1% for the Planet(自然環境保護の必要性を理解する企業の同盟)』などの団体に寄付し、地球環境の保護にあてている。
「我々がコアラという名前だからコアラのぬいぐるみをプレゼントするわけではなく、お客さまにご購入いただいた金額が、実際にコアラを1匹保護して助けている活動につながっているので、そこに対して『素晴らしい』というメッセージをこめて、お渡ししています。弊社のホームページでは『インパクトレポート』も作っていて、購入いただいた金額の中から、『この金額をこういう活動に使っています』というのを明確化しています。こうした活動が、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる国際認証『B Corporation』の取得にもつながっています。日本のオフィスメンバーでは、海にゴミ拾いに行ったり、植林しに行ったりという活動もしていますし、Tokyo Pride 2025にもブースを出展し、パレードにも参加しました」
また、「120日間トライアル」で返品されたマットレスも有効活用。ペット用のマットレスにアップサイクルする取り組みも実施した。
「返品が全くないわけではないので、それを捨ててしまうのはもったいない。何かしらの形にできないかなと思い、たどり着いたのがこのペットベッドです。マットレスの中身を裁断してもう1回成形しました。日本の社内で『何か使えないかな』と考えたどり着いた、国内工場で作った、日本オリジナルの商品になります。この他にも、以前は返品されたリネン類をトートバックにアップサイクルしてイベントなどでお客さまに配布していました。マットレスのアップサイクルはなかなか難しく、ペットベッドはようやく完成することができた逸品です」
こうしたサステナビリティ活動も行いながら、“スリパ”の重要性を消費者に届けているコアラマットレス。7月19日から「スリパの日」の22日の前日までは、『スリパの日記念セール』を展開する。この期間はマットレスカバーを外して洗濯機で洗える限定マットレス『コアラKLOUDKOMFORT』を、シングルからクイーンまで各サイズ3万円オフで販売する。
「コアラマットレスが日本に上陸した2017年当時は、日本人の平均睡眠時間が6時間半と、オーストラリアや欧米の7~8時間に比べると少なかった。マットレスでこの社会課題を解決したい、という思いで日本での展開をスタートしました。この『スリパの日記念セール』でより多くの方に自分の睡眠を見直してもらえたらいいなと思います」
睡眠時間が短いといわれる日本人だからこそ、ウェルビーイングな生活を送るためにも睡眠を見直すことは重要だ。大暑を乗り越えより良い睡眠を体感するために、マットレスを変えてみるのも手かもしれない。
取材・文/コティマム