
東京電機大学の工学部が新入試制度を開始する。〝とがった〟経験や個性を持つ受験生が対象の試験だ。
自分でやりたくて極めてきた〝とがった〟経験や個性を評価
吉田俊哉工学部長は導入経緯を次のように話す。
「従来のAO入試では『学生時代に何かを頑張ってきた人』のように抽象的な表現で募集をしてきました。こういうお題だと周りの大人から教わった〝受験のための〟個性をアピールしてくるケースが多いです。それが悪いわけではありませんが、自分でやりたくて極めてきた〝とがった〟経験や個性を持つ人が、大学で輝く姿を見てきました。そういう人にもっと出会いたいと思い、受験生像を具体的に示したのです(下表参照)」
受験生にとっては、自分自身が夢中になってきたことが魅力のひとつだと気づけていないこともある。だからこそ「求めている学生像を明示することで門を叩いてくれるのでは」と考えたそうだ。
「技術者は淡々と決まったものを作るのではなく、人を驚かせるものを生み出すことが求められます。
〝とがった〟素養のある学生は、アイデアの種をまいてくれたり、起爆剤的な力を発揮してくれたりします。一般入試などで入学してきた学生にもいい影響を与えてくれるのではと期待しています」
【DIMEの読み】
大学側が具体的に出会いたい学生を明示し、それに当てはまる学生が集まるという形が実現すれば、それは「相思相愛の関係」だ。今後、他学部そして他校にも同様の動きが広がるかもしれない。

とんがりAOの対象は工学部の6学科

電子システム工学科(写真)を含む主要工学分野の6学科が対象だ。
求めている生徒像をビジュアルでも表現!

「〝とがった〟熱い思いがある人に刺され」との願いを込めている。
取材・文/田村菜津季 編集/田尻健二郎