
〝オーバーツーリズム〟という言葉が身近になったのは、ほんの数年。思えば年間の訪日観光客が初の1000万人突破したと話題なっていたのが2014年だが、それから10年後の年間訪日観光客は3600万人を超えた。中でも深刻なのは外国人訪問者数が県人口418%超えの京都。だが世界のオーバーツーリズム事情を調べてみると、それ以上に深刻な国がいくつも存在していた。
世界ナンバー1は年間1億人の観光客が訪れるフランス。昨年のパリ五輪の際は観光税を大幅に引き上げるなどの対策をとっており、観光客の抑制に力を注いだ。2位のスペインでも昨年、バルセロナ市民がオーバーツーリズムへの抗議デモを起こしている。
日本でも今後の対策が必要となってくるのは間違いなく、中でも「インバウンドへのマナー啓発」は急務となっているが、言語の壁も立ちはだかる。このまま観光立国として突き進むのはもはや限界。これからはインバウンドに頼らない観光戦略が求められそうだ。
2024外国人延べ訪問者数における都道府県の人口比率ランキング

※観光庁「インバウンド消費動向調査」をもとに本誌が算出
清水寺の参道には外国人がいっぱい

2023年の国際観光客数ランキング

資料:UNツーリズム ※カッコ内は19年比(%)
バルセロナには「反対」の看板も!

オーバーツーリズム対策で必要なこと

2024 リクルート じゃらんリサーチセンター調べ
取材・文/高山 惠