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新生FCNTのスマホ第1弾「arrows Alpha」実機レビュー!レノボの傘下に入って〝arrowsらしさ〟はどう進化した?

2025.07.17

FCNT(旧富士通)は、自社スマホシリーズ内の新たなブランド「arrows Alpha」を立ち上げた。ファーストモデルは、ブランド名と同様のarrows Alphaで、2025年8月以降の発売を予定。オープン市場向けモデルに加え、ドコモでの取り扱いも発表されている。

FCNTは、2023年5月に民事再生申請を正式発表し、同年10月より、レノボ傘下として、新体制での経営をスタートしている。再スタート後、arrows Weシリーズといったミッドクラス端末の展開を行ってきたが、このタイミングで新ブランドを立ち上げ、盛り上がりを見せるミッドハイクラス市場に乗り込む格好となる。

FCNTとしては、arrows Alphaを「手が届くハイエンド」と表現している。多くの人がストレスなく使えるレベルのスペックを備え、数年前には最上位モデルが購入できた、8万円台での販売を想定しているためだ。

本記事では、メーカーからお貸出しをいただいた端末での実機レビューを行っていく。握り心地やバッテリー性能、耐久性といったarrowsらしさと、レノボ傘下となったからこそ出せる特色の融合を見ていこう。

手になじむ程よいサイズ感とarrowsらしい耐久性

まずは本体デザインについて。サイズは高さ約156mm×幅約72mm×厚さ約8.8mm、質量約188gとなる。近年のスマホとしては大きすぎず、小さすぎずといったサイズ感で、扱いやすさと画面の広さが両立された、程よいサイズという印象。特に約72mmという幅にこだわられており、人間工学に基づいた、最も握りやすいサイズ感になっているとのことだ。厚みはそれなりにあるが、背面の左右がカーブしていることもあり、しっかりと手にフィットする。

背面はかなりさらさらとした手触りで、指紋の付着が目立たないのは利点。一方で、フィット感に優れてはいるものの、滑りやすくなっているので、扱いには注意が必要だろう。側面は金属素材となっており、高級感があるものの、こちらには指紋が若干つく。

本体カラーはホワイトとブラックの2色。今回はホワイトを使用しているが、左上にカメラ、下部にarrowsのロゴ、カメラ脇にFeliCaロゴが薄く印字されているだけの、シンプルな色味とデザインになる。個人的には、コンセプトカラーのような、尖った色が1つあってもよかったと思うが、万人に使いやすい2色をしっかりと用意したととらえられる。Alphaブランドのファーストモデルという段階なので、今後の展開に期待したい。

素朴ながら高級感もあるシンプルなデザインに、arrowsらしい堅牢性を落とし込んでいるのもポイント。MIL規格23項目に準拠し、1.5mの高さから落とすFCNT独自試験も行われている。IP66/68/69の防塵防水性能も有しており、浴室やキッチンなどでも、比較的安心して使えるのが魅力。泡タイプのハンドソープでの洗浄、アルコール除菌にも対応する、きれい好きにもうれしい仕様となっている。

レノボグループらしさを感じる高水準なディスプレイ性能

ディスプレイは約6.4インチで、こちらも扱いやすさを感じる、絶妙なサイズ感となる。上下のベゼルが若干太くなっているが、実用上気になるほどではなかった。有機ELパネルということもあり、かなり鮮やかな色味の表現ができる。

ピーク輝度は3000ニトとなっており、屋外での視認性も非常に高い。最大リフレッシュレートは144Hzとなっており、Webスクロールや動画視聴は快適。ゲームアプリも滑らかに操作でき、非の打ちどころがないディスプレイ性能だと感じている。

144Hzという高いリフレッシュレートは、専売特許とまではいわないものの、レノボ傘下のスマホメーカーであるモトローラの端末によく採用される仕様だ。FCNTも、レノボグループが持つ、グローバルでの調達力といった資産を活用していると話しているように、仕様にはモトローラ端末と被る部分も多い。個性がなくなる懸念がないとはいわないが、耐久性や後に紹介するバッテリー性能といった面にarrowsのDNAは残されており、今後も共生と個性の両輪で成長していくのが楽しみになる。

優秀な2眼カメラと高解像度なインカメラを搭載

アウトカメラは約5030万画素広角、約4990万画素超広角、インカメラは約4990万画素広角のシングルカメラで、ディスプレイ上部中央にパンチホール型として備えられる。

正直、arrowsシリーズにカメラのイメージはそこまでなかったのだが、実機を試し、いい意味で裏切られた。広角カメラでの撮影は、解像感の高いきれいな写真が、手早く取れるのに加え、AIによる色味の補正もばっちりと入ることで、映える写真に仕上がる。超広角カメラも、歪みや白飛びはほとんど見られず、精細な写真が撮影できた。

超広角撮影

色味補正以外にもAIが活用されており、ポートレートモードでのボケ感の演出や、ナイトビジョンモードでの画質補正、人や犬、猫の動きを検出して、動きに合わせたシャッタースピードで撮影する機能などが利用できる。AIを使ってガツガツと編集をするというよりは、普通に写真の撮影をしているところに、さりげなくAIの助けが入っているようなイメージになっている。

ゲームも快適なスペックを採用 独自AI機能にも期待

搭載SoCは、MediaTekのDimensity 8350 Extreme。日本で発売されているスマホとして、採用機種自体は少ないが、試していても、比較的高性能かつ安定した動作をする印象だ。内蔵メモリは12GB、ストレージは512GBで、ミッドハイクラスのスマホとして、標準的な仕様になっている。

アプリの起動や写真の連続撮影といった操作でももたつくシーンはなく、非常に快適。原神のようなヘビーなアプリゲームを、最高画質でプレイしていても、比較的安定している。長時間のゲームプレイだと、本体がほんのりと熱を持ち始めるが、持てなくなるほどではなく、十分許容範囲内だと感じる。

バッテリーは5000mAhで、画面サイズを考えると、比較的大容量になっている。公称値では2日持つバッテリーと謳われているように、バッテリー持ちはかなりいい印象を受ける。購入時には90Wの充電器も同梱され、1%~100%までの充電が、約35分で済む急速充電に対応している。バッテリー持続時間、充電速度の両方からアプローチされているおかげで、使いやすさは抜群だ。

AI機能としては、Google Geminiやかこって検索に対応。arrows独自の「arrows AI」も搭載されており、スマホの設定項目について、「文字を大きくしたい」といった形で、自然言語で質問し、調整ができる。そのほか、通知の要約機能や、文章から画像を生成する機能には、アップデートにて対応予定となっている。

本体左側面には、AI機能にアクセスできる「AIキー」が搭載されており、デフォルトでは単押しでGemini、長押しでarrows AIが起動するようになっている。2回押しも合わせ、計3つの操作それぞれに、別のアプリ起動に設定することもできる。

Arrows独自の機能として、カメラ下に搭載されているセンサーにて、自律神経の計測ができる機能を、arrows We2シリーズより踏襲。数値の基準は独自のものになるが、毎日継続して計測することで、健康状態の指標にできる。画面端からスライドして、アプリや機能にアクセスできるスライドインラインチャーや、画面に触れずにスクロールや拡大表示の操作が行えるExliderなど、arrows独自の便利な機能もしっかりと搭載されており、従来のシリーズ愛好家にも納得の使い勝手だろう。

そのほか、顔、指紋の両方が利用できる生体認証や、おサイフケータイ機能にも対応する。画面出力ができるDisplayPort 1.4も利用できるなど、細かな仕様にも抜かりがない。強いていえば、スピーカー音質が軽く、重厚感があまりないのが少々引っかかるポイント。動画視聴やゲームアプリを頻繁にプレイするなど、スピーカーをよく使う人は、事前にチェックしてほしい。

今後の最上位モデル展開にも期待したくなる完成度の高さ

シンプルではあるが、取り回しがよく、フィット感に優れた本体デザイン、arrowsらしい堅牢性やバッテリー性能、便利機能の数々に、優秀やカメラや処理性能が加えられ、arrows Alphaは非常にきれいにまとまったスマホだと感じる。正式な販売価格は未発表だが、8万円台での展開であれば、コスパ面でも優秀だ。

近年のハイエンドスマホの価格高騰に合わせ、各スペックが総合的に進化していることで、盛り上がりを見せているミッドハイ市場において、価格、性能のバランスに優れた、競争力のあるスマホに仕上がっている。価格帯を見ると、Pixel 9aやiPhone 16eといったブランド力のある端末と勝負することになるが、独自機能の利便性から、十分選択肢になり得るだろう。

また、個人的には、arrows Alphaの完成度の高さに感嘆するとともに、今後スペックを最大限盛ったフラッグシップモデルの登場にも期待をしたくなっている。今後、レノボグループの利点と、日本市場で培ってきたノウハウを活かしたFCNTの躍進が楽しみだ。

取材・文/佐藤文彦

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