
X(旧Twitter)で、株主優待を使った毎日の食事風景をアップする「とんかつ(@ton_ka_to)さん」に聞く人気企画、第2弾。今回は、株の買い時についてです。
雰囲気投資家に聞く投資のルール
今回もカラオケのまねきねこでインタビュー敢行です。自称“雰囲気投資家”だと言うとんかつさんですが、買うタイミングがよく、話を聞いたところ、株購入にあたって自分なりのルールを守っていることがわかりました。

――とんかつさんは投資方針とかありますか?
いえ、特に何も考えずに、そのときの気分で売買している雰囲気投資家です。
※雰囲気投資家とは…相場の流れなどを見ずに雰囲気で投資を行なっている人
最近は自分で調べるのが面倒なので、いわゆる「コバンザメトレード」をしていて、Xのポストでおすすめだと言われた銘柄を見ることが多いです。
こういった「コバンザメトレード」ができるのは株が好きな人が周りにいっぱいいるからでしょうね。
――気になったものは直感で買っちゃうんですか?
いやいや。おすすめされた銘柄の財務も見てはいます。自己資本比率が高く、キャッシュリッチ企業がよいと思うので。あと決算もチェックはしています。やはり「増収増益」の企業がよく、減益なのに株主優待が充実しているとキケンだと思います。
ただ、DOE(株主資本配当率)、そして、増配銘柄・累進配当銘柄かどうかまでは見ていないです。
最後は雰囲気ですけど。
――桐谷さん(桐谷広人さん)は配当利回りと優待利回り合計で4%以上のルールがあるようです。とんかつさんはいかがですか?
私も配当利回りが高く、株主優待の内容も充実しているものがやはりいいですね。でも、明確に4%以上とルール化はしていません。
雰囲気投資家なので、なんとなくで買ってしまっている銘柄もあるんですよね。
買い値が「安すぎる」?ビックカメラの株価は買い値から4.6倍に
――(スクショされた銘柄一覧を見て)ビックカメラを329円で買われているのは驚きでした!
株主優待が新設された年にすぐ買ったもので、「長期利回りが10%超えていて本当に貰えるのか不安でしたが、株主優待はずっと続いていて、今だと年間5,000円分の株主優待券がもらえています。

ビックカメラの株主優待は長期保有特典もつく
――100株では投資資金3万2,900円で年間5,000円の株主優待、配当金もあるので(税引前だと4,000円)、あとは持ち続けていればいいわけですね!
ビックカメラの株は高くなって追加買いはしにくいけれど、売らなくてもよいかな。
補足説明:ビックカメラの株主優待では、100株保有すると2月に1,000円券2枚、8月に1,000円券1枚がもらえ、さらに1年以上保有では1,000円追加、2年以上保有では1,000円券2枚が追加。とんかつさんの場合は長期保有のため年間5,000円分がもらえる。
教訓:株主優待新設の発表で、思い切って買ってみたら成功!株価は4.6倍に。株主優待と配当金を長期間受け取りながら投資資金を回収することもできる。
――DDグループ(3073)も買い値は725円なんですか!
DDグループ(3073)はコロナ禍を過ぎた2022年に買いました。コロナ明けなのにこの価格で「安いかな?」と思って。そこまで昔ではないですね……。
――買ったのは昔じゃなくても買いタイミングがとてもお上手ですね!(現在の株価は1,469円。※2025年7月10日終値)
まあ、株主優待と配当金を毎年もらい続けていれば、含み損も気にならないので……。この株は、含み損になっても持ち続けようと思っていたら株価も上がっていきました。
――第六感が冴えていますね!
教訓:「安いタイミング」と思った時に買うことが大切。含み損でもずっと持ち続けるつもりでいれば株主優待がもらえ、株価も時間が経てば上がっていくこともある!
――外食のお店などは、利用したいお店ありきで買っていますか?
私はケチなので、株主優待が来ない限りは行かないので、「下見には行かない」ですよ。現金は基本的に払わないです。しかし、株主優待がもらえるお店はしっかりと調べます。そして、自分が食べたいなら優待銘柄を取る。ただし、行きたくない外食銘柄は買わないです。
株数を増やすのは、株価が安くなっていれば。一方で、株価が高くなっていれば、どれだけ気に入っているお店でも買い増ししません。
――なんだか、これって賢い買い方ですね!株主優待を使いにお店に行ってみる。「新しい投資スタイル」のような気がします。
ははは(笑)。優待がない銘柄も保有しているのですが、自分の中で「お安いと思ったら買う」ようにしていて、そして、株価が高くなれば売ればいいと思っています。
ただ、株主優待をもらうためには300株必要なのに、安いタイミングでとりあえず100株買ってそのまま放置のこともありますね。株価は大きくプラスになっているものの追加買いをするには高くなりすぎてしまって。でも、利確はせずにそのまま100株保有したままというものもあったりするんです。
とんかつさんからの教訓:
「株主優待が来たらお店を利用してみる」、つまり「現金はお店で基本的に払わない」。そして安いタイミングで買った銘柄が割高になってしまったら無理には追加買いしない。株主優待がもらえない株数でも「安くなるいつかのチャンス」を待つべし!
――今回もありがとうございました!
役に立ったかな(笑)?ありがとうございました。
文/谷口久美子