
人気IPを題材にした様々なゲーム作品を取り扱い、TCG業界の市場拡大に大きく貢献しているブシロード社。2012年の『大ヴァンガ祭』を皮切りに、TCG関連のイベントを毎年のように開催してきた。2025年5月3日、4日に行なわれた『カードゲーム祭2025』は、この10年間で最大の来場者数を記録! 昨今におけるTCG市場の盛り上がりを証明するかたちとなった。どのような人が同イベントに参加し、各TCGにどんな魅力を感じているのか。『カードゲーム祭2025』の各ブースを取材した。


(上)『ゴジラ カードゲーム』のコーナーではゴジラのグリーティングも実施! (下)5月3日のイベント初日には『ヴァイスシュヴァルツ』のコーナーで、ゲストプレイヤーの深川瑠華さん、渡瀬結月さん、立石 凛さんが登壇。同ゲーム大会の開始コールを行なった。

ブシロード
代表取締役社長
木谷高明さん
山一證券を経て、1994年にはブロッコリーを起業。2007年にブシロードを設立した。2013年より新日本プロレスリングのオーナーも兼任。ファンが多いことから『カードゲーム祭2025』では本人が登場するイベントを開き、アクスタの発売も行なった。
様々なIPの商品を展開し『カードゲーム祭』を開催する
ブシロードの戦略とは!?
大盛況に終わった『カードゲーム祭2025』について、木谷高明社長は次のように振り返る。
「来場者数は過去最高を更新する約2万2000人に。当初の目標を上回る結果となりました。要因に挙げられるのは、2024年よりイベント名称から自社名を外したことで他社の出展が増えたこと。そして、弊社のTCGが順調に伸びていることや、2024年に新発売したTCGが人気となって新たなユーザーの呼び水になったことも大きかったと思います」
同社のTCGにおける現在の売れ筋を次のように挙げる。
「弊社のTCGの売り上げは、1位が『ヴァイスシュヴァルツ』、2位が『カードファイト!! ヴァンガード』、3位は弊社が販売・運営協力をし、2024年から国内発売する『hololive OFFICIAL CARD GAME』です」
最近は海外からの注目度も高い。
「今や日本のアニメや音楽は世界中で親しまれる人気コンテンツです。弊社のTCGは売り上げの約40%が海外で、絵柄なども含めて日本のTCGを受け入れる素地が世界的にできつつあります」
今後の市場はどう展望するのか。
「国内では、かつてTCGで遊んでいた世代が大人になってマーケットの拡大に寄与しており、短期的・中期的にはまだまだ伸びると見ています。一方、少子化などの影響により、TCGで遊ぶ子供が減っていることが国内での長期的な懸念材料のため、海外進出にも力を入れています。今後も、楽しく遊べる環境の充実化を図りつつ、新規や既存のIPを活用し、新しくておもしろいゲーム作品を創出し、TCG未経験者の層にも魅力を訴求していくつもりです」