戦うだけがカードの楽しさじゃない!マジック:ザ・ギャザリングを彩る「イラストやテキストへのこだわり」
TCGの元祖として今なお世界中で愛されるマジック:ザ・ギャザリング(マジック)は、美麗なイラストや物語を彩るフレーバーテキストも魅力のひとつだ。その根底には、マジックを形作る重厚なストーリーが広がっている。
マジック:ザ・ギャザリングとは?
ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが1993年に発売した、世界初のTCG。異なる次元に広がる、多彩な宇宙を旅する魔法使いたちの壮絶な物語が、カードを通じて描かれている。
『「久遠の終端」『プレイ・ブースター』
※2025年8月1日発売 オープン価格(実勢価格1パック627円)

GAME SPEC
難易度 難 カードの種類 2万以上 平均プレイ時間 15〜30分
マジックの世界を作るのは膨大なボリュームの設定資料集
世界中で5000万人以上のプレイヤーに親しまれているマジックは、高い競技性を誇る一方で、ファンタジー要素あふれるイラストや文章も魅力のひとつだ。これらを支えるのは、マジックの世界を形作る重厚な物語だと、シニア・クリエイティブ・アート・ディレクターの小泉優貴さんは語る。
「カードを制作する際、まず世界観や設定をまとめた『ワールドガイド』が作られます。物語が追加されるたびに新たなガイドが用意され、時には150ページを超えることもあります」(小泉さん)
カード下部のフレーバーテキストはアメリカ本社の制作チームが担当する。イラストは世界各国のイラストレーターが手掛けており、日本人も参加している。
「ガイドの範疇での自由な表現を目指しています。羊皮紙に描いたイラストもあります」(小泉さん)
イラストやテキストを通じて、カードに宿るマジックの物語を感じ取る──そんな楽しみ方も、カードゲームならではの魅力だろう。
【イラスト】物語の世界へと誘う美麗なアート
イラストにはカードが属する次元や物語の背景が描かれている。写実的なタッチが多いが、カードによってはアニメ調や民族風など、異なるスタイルも採用されている。

アートとデザインにこだわったショーケース版も人気だ。

2025年6月13日から『ファイナルファンタジー』シリーズとのコラボカードが発売中。
© SQUARE ENIX ©2025 Wizards.
【フレーバーテキスト】ゲームには不要ながらもなくてはならない名脇役
フレーバーテキストはカード下部に小さく記載され、プレイには影響しない。ファンタジー小説の一節のように、登場人物のセリフや伝承、事件の断片が綴られている。

謎の文字列、カッコの上には90°の表記。90度傾けて解読すると「NIV-MIZZEt=1」(私はニヴ=ミゼットだ)というメッセージが隠されている。

取材・文/桑元康平=すいのこ 撮影/木村圭司(ポケカ) 編集/千葉康永
※本記事内に記載されている商品の価格は2025年5月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。