電動者のニュル最速記録を樹立したXiaomi「SU7 Ultra」にTrack PackageとNürburgring Limited Editionが登場
2025.07.13
中国のXiaomi(シャオミ:小米汽車)は、フラッグシップモデル「SU7 Ultraシリーズ」の正式市場投入と納車開始を発表した。ラインアップには、サーキット仕様の「Track Package(トラックパッケージ)」、および希少な「Nürburgring Limited Edition(ニュルブルクリンク限定版)」の2つの高性能バージョンが含まれている。
スタンダードモデルの「SU7 Ultra」は529,900元(約1079万円)からから。サーキット走行に特化した「Track Package」は追加オプションとして100,000元(約203万円)からで提供され、フル装備での価格は629,900元(約1280万円)からとなる。さらに、究極のコレクターズモデルである「Nürburgring Limited Edition」は、814,900元(約1658万円)からというプレミアム価格で提供される。その価値は、サーキットで鍛え上げられたエンジニアリングと希少性に裏打ちされている。
この「SU7 Ultra」は、その開発当初から「ニュルブルクリンク北コースを制する」ことを目標に掲げてきた。ニュルブルクリンクのラップタイムは、技術力の極致を試す究極の舞台。最先端の技術、プレミアムな品質、そして妥協なき信頼性が求められる場所となる。Xiaomi EVは、この聖地に拠点を構え、技術を徹底的に磨き上げ、その成果を量産モデルにも反映している。
そして量産モデルの「SU7 Ultra」が、ニュルブルクリンク北コースにて最速の電動エグゼクティブカー記録を樹立した。ラップタイムは、7分04秒957であり、高性能EVの分野における揺るぎないリーダーとしての地位を確立した。
なお、今回は最適なコンディションのもとで、「SU7 Ultra」のプロトタイプがさらに高速なラップタイムを記録。従来より24秒短縮し、6分22秒091を達成した。これにより、ニュルブルクリンク北コースの総合ランキングで3位にランクインし、プロトタイプ車両としての新記録を打ち立てた。
究極のサーキット仕様「Track Package」
「SU7 Ultra」は、標準仕様の時点で既に卓越したパフォーマンスを発揮する数々のコンポーネントを搭載している。Xiaomi Hyper トライモーターシステム、サーキットグレードの高出力バッテリーパック、サーキット向けに最適化された冷却・ブレーキシステム、デュアルチャンバー式エアスプリング、高性能アダプティブダンパーなどを備え、工場出荷状態でそのままサーキットに臨める仕様となっている。
この構成により、最大出力1,548PS、0-100km/h加速はわずか1.98秒(※ローンチ時の「ワンフット・ロールアウト」なし)、最高速度は350km/hを実現。ニュルブルクリンクで鍛え上げられたシャシーシステムにより、卓越したコントロール性能と限界を超えるハンドリング性能を発揮する。
さらにサーキット性能を極めたいエンスージアストのために、オプションの「Track Package」を用意。このパッケージには、Bilstein製「EVO R for Ultra」車高調ショックアブソーバー、ENDLESS製高性能ブレーキパッド、ピレリ第5世代「P ZERO」高性能タイヤ、ピレリ「P ZERO TROFEO RS」セミスリックタイヤ(別途1セット)、21インチU字型鍛造ホイール、カーボンファイバー製リアフェンダー、1.7平方メートールのカーボンファイバー製ルーフが含まれる。
究極のパフォーマンスを誇る「Nürburgring Limited Edition」
Xiaomi EVは、ニュルブルクリンクでの記録達成を記念し、公道走行が可能な特別仕様車「SU7 Ultra Nürburgring Limited Edition」を発表した。この限定モデルは「Track Package」に加え、カーボンファイバー製デュアルベントフード、カーボンファイバー製リアスポイラー、フルカーボンファイバー製エクステリアトリム、カーボンファイバーインテリアパッケージ、そして「Ultra Lightning」専用デカールを標準装備している。
その性能は、極限スペックのさらに先へいざなうもの。前席には、FIA認証のカスタムカーボンファイバー製レーシングバケットシートと、競技仕様の6点式シートベルトを標準装備。後部座席は取り外され、代わりにセミロールケージを搭載することで、ねじり剛性を12%向上、車両重量を30kg軽量化、さらにルーフの耐圧性を57%強化している。また、サーキットでの空力性能を高めるため、カーボンファイバー製アンダーボディエアロパネルを採用。これにより、走行時には最大44kgのダウンフォースが追加され、トラックパフォーマンスをさらに高次元へと引き上げる。
【仕様一覧】
構成/土屋嘉久