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もしかして別れのサイン?恋人と別れたい人が企みがちな3つの戦略

2025.07.12

つきあいはじめた頃はどんなに親密なカップルでも、時の経過によって関係の終わりを迎えることは決して珍しいことではない。

親密な関係を終わらせる理由は数え切れないほどありそうだが、その根底にあるのはどちらか一方、あるいは両者の“気持ちの変化”にあるのだろう。

いったん“気持ちの変化”が起きてしまった以上、ほぼ関係は終了することになるとは思うが、人々はその別れ話をどのように切り出しているのか。

“別れ話”はどのように切り出されるのか

カップルが別れる理由を研究した研究はこれまでにも数多く行われてきたが、特定の文化圏においてどのように別れ話が持ち上がってくるのかを詳細に調査した研究はほとんどない。

キプロス共和国のニコシア大学とギリシャのクレタ大学の合同研究チームが今年5月に「Personality and Individual Differences」で発表した研究では、ギリシャ人を対象に人々がどのように別れ話を切り出しているのか、また特定の性格特性が関係を終わらせる戦略に影響を与えるかどうかを実験を通じて探っていて興味深い。

研究チームは2つの実験を行った。1つ目の実験ではギリシャ語を話す成人228人(女性122人:平均年齢約30歳、男性105人:平均年齢約31歳)に、自分が不幸なカップルの関係にあると想像してもらい、どのように関係を終わらせるかを詳しく記述することが求められた。

研究チームは参加者の回答を検討し、類似した回答をグループ化した結果、パートナーと別れる45通りのパターンを導き出した。

2つ目の実験では、女性185人(平均年齢約34歳)、男性201人(平均年齢約38歳)、その他2人、回答なし4人を含む392人の参加者を対象とし、45種類の別れ方をそれぞれどの程度利用する可能性が高いかを問われ回答が求められた。

また性格特性を測定するため、ビッグファイブ理論に関連する特性(開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)とダークトライアド特性を評価する課題も行われた。

“別れ話”の最終的な3つの戦略

収集した回答データを分析した研究チームは、45通りの別れ方を9つの戦略に分類した。その9つとは次の通りだ。

●冷たく遠ざける(徐々に距離を置く)
●理由を説明する(率直で誠実な会話を提供する)
●ゴースティング(予告なしに姿を消す)
●責任を取る(責任を認めながら関係を終わらせる)
●浮気(浮気や他の異性への関心を理由にする)
●しばらく休む(関係中断を申し出る)
●友達として見る(友情を申し出る)
●別れた方が良い(別れるのが最善だと説明する)、
●直接会うのを避ける(電話やテキストメッセージを使う)

研究チームはこれら9つのアプローチをさらに普遍化し、3つのより広範な戦略に当てはまることを突き止めた。

最も多く用いられた1つ目のアプローチは「衝撃を和らげる」という戦略で、調査対象者の約86%が選択した。この方法は別れの理由を説明し、一部またはすべての責任を受け入れ、そして別れることが双方にとって有益であることを相手に納得させる行為を組み合わせた戦略である。

2つ目のアプローチは「少し距離を置く」で、約24%の人が採択した。これは関係を終わらせる側が一時的な別れを提案し、双方が自分の気持ちを整理し、関係を続けるべきかどうかを決める機会を設ける戦略である。

3つ目の最も人気のないアプローチは「対立を避ける」で、約16%の人が選んでおり、あまり話し合うことなく関係が静かに終わるまで一方が姿を消したり距離を置いたりする戦略である。

性格特性は“別れ話”にあまり影響しない

研究チームは、これらの戦略が参加者の性格特性とどのように関連しているかについても調査したが、有意な関連性はわずかしか見つからなかった。

たとえば他者への優しさや思いやりに関連する特性である協調性が高い者は「冷たく遠ざける」アプローチを取る可能性が低かった。

逆に操作性と関連のあるマキャベリズムの度合いが高い者は「冷たく遠ざける」アプローチを採用する傾向が強かった。

一方、衝動性と共感性の欠如に関連する特性であるサイコパシーの度合いが高い者は、別れの原因をパートナーのせいにする傾向が強かった。

しかし一般的に性格特性は、人々が用いる戦略にほとんど影響を与えていないことも示された。

ともあれ性別、年齢、性格特性に関わらず、人々は関係を終わらせる際にかなり予測可能な方法、つまりほとんどは「衝撃を和らげる」か、「少し距離を置く」ことでなるべく波風を立てないような戦略を選ぶ傾向があることが今回の研究に浮き彫りになったといえる。

別れを“破局”にしてはならない

この研究結果は、人々が社会規範を踏み外さないことも示唆している。人類は長きにわたり、生存と繁殖のために親密な関係に依存してきたため、別れは潜在的に危険なものであった。そこでなるべく対立を軽減する戦略を採用することで、個人は新しいパートナーを見つけられ、長期的な社会的評判を維持できる可能性を高めようと意図していることになる。

今後の研究では、これらの戦略が実際にどのように機能するか、そして特定のアプローチが双方にとってより良い結果をもたらすかどうか、また愛着スタイルや文化的背景といったほかの要因が人々が関係を終わらせる方法にどのように影響するかを検証することなどが見込まれている。

これらの力学を理解することは、特に子供が関係している場合や将来の関係が避けられない場合など、カウンセラーやセラピストがクライアントのダメージを最小限に抑えながら別れに導くのに役立てられる可能性もある。

別れは仕方のないものだが、カップル関係は解消しても社会的関係は続くケースも少なくない。別れが“破局”にならないよう別れ話は慎重に切り出し、その後のプロセスを念入りに進めて行かなくてはならないのだろう。

※研究論文
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886925002351

※参考記事
https://www.psypost.org/how-people-end-romantic-relationships-new-study-pinpoints-three-common-break-up-strategies/

文/仲田しんじ

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