
頭が痛い時にはマクドナルドに行く習慣のある私にとって、これほど共感できるニュースは他にない。
海外のメディアが「Why your migraine might be making you crave a large Coke and fries」(片頭痛でコーラとフライドポテトが欲しくなる理由)という記事を掲載し、その理由を解説している。
コーラのカフェインと砂糖、ポテトに含まれる塩分が偏頭痛に有効

SNSでは私と同じように「頭痛がするからマックに行く」という投稿を度々見かけることがある。私も半ば冗談で人に話すことはあるものの、個人的には本気で効果があると信じている。しかし、これはプラシーボ効果、すなわち私がそう思い込んでいるからだと思っていた。
しかし、海外メディア「THE CONVERSATION」は、この裏ワザには科学的根拠があると報じたのである。
イギリスのダラム大学の脳神経科学教授のアマンダ・エリソン氏は次のように説明をする。
「コカ・コーラに含まれるカフェインは、血管収縮作用を持ち、血管を狭める働きがあります。片頭痛の際に血管が広がるのを抑制するこてゃ有効で、血管の拡張こそが偏頭痛の痛みの引き金の一つです」
なぜ、血管が拡張されると頭痛が起こるのか。
「血管が広がると、その周りの痛みを感じる神経、特に三叉神経が圧迫され、活性化されます。三叉神経は、頭部や顔から脳への触覚や痛覚、温度感覚を伝える役割を持っており、この神経が刺激されることでおなじみのズキズキした頭痛が引き起こされます。だからこそ、カフェインは市販の頭痛薬にも含まれていることが多いのです。
一方、コカ・コーラとフライドポテトに含まれる砂糖や塩分は、片頭痛の発作中に乱れることがある血糖値や電解質のバランスを回復するのに役立ちます」
予防にはチョコレートも効果あり
さらに、アマンダ・エリソン教授は次のようにも述べている。
「片頭痛は4つの異なる段階(前兆、オーラ、痛み、ポストドローム)があります。そのうちの2つは痛みが発生する前に現れる段階です。つまり、痛みが始まる前にそのエピソードを止めることができるチャンスがあるということです」
一番初めに現れる「前兆期」では、頭痛が始まる数時間、あるいは数日前に始まるという。この時期、疲れ、イライラ、気分が落ち込みなどが現れる。
「前兆期では、特定のものを欲しがることがよくあります。多くの片頭痛患者は、ドーパミンの調整を助けるためにあくびを多くする、あるいはセロトニンを高めるためにハグや愛情を求めることが報告されています。その他にも、自律神経を落ち着けるために冷たい水を飲む人もいます」
これらの反応は神経系のバランスを取り戻すための無意識の試みなのだ。アマンダ・エリソン教授はこの時期に有効なのは「チョコレート」だと述べる。
「チョコレートは、片頭痛の引き金として疑われることもありますが、セロトニンレベルを上げる化合物が豊富に含まれているため、実はセロトニンが低いことが片頭痛の引き金であるため、チョコレートの欲求は脳が化学的不均衡を修正しようとするサインかもしれません。初期の段階で少量のチョコレートを摂取することで、片頭痛を防ぐ助けになることがあります」
コーラ、ポテト、そしてチョコレート。それらの食品がどのように片頭痛に働きかけるのかを知ることは、偏頭痛持ちにとって非常に有益な情報である。科学的根拠に基づいた対処法を取り入れることで、片頭痛をより効率的に管理し、より快適な日常を送る手助けしてくれる。
ぜひこれからは偏頭痛に苦しむ友人を見かけたら「マック行く?」と声をかけてみてほしい。
文/峯亮佑