
土用の丑の日は、2025年では7月19日と7月31日の2日ですが、うなぎは高級品ということもあり、食べに行くのを迷っている@ DIME読者もいるかもしれません。でも、大丈夫。株主優待があれば、中にはお金を払わずとも飲食できるお店があるからです。
うなぎは高級品だから…株主優待を使おう!
支払うと高くなりがちなうなぎも、株主優待を利用すれば安く食べられたり、家にうなぎそのものを配送してもらえたりするわけで、今年は無理だとしても、来年以降のために用意してみましょう。
※株価は2025年7月5日時点
■クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)(株価1,417円、最低投資額14万1,700円)
まず、磯丸水産などの飲食店で使える株主優待、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)を挙げておきたいところです。

居酒屋のイメージがある磯丸水産ですが、うなぎもおいしいと評判で、グランドメニューではうなぎ蒲焼きハーフは税込1,176円、フルサイズなら税込2,188円。そして、ランチメニューではうな丼並ならお新香、お吸い物付で税込1,396円と割安です。また、店内利用をしなくても鰻をテイクアウトできる点も注目です。
クリエイト・レストランツ・ホールディングスの株主優待は、100株で2,000円(4,000円)、200株で4,000円(8,000円)、400株で6,000円……と保有株数によってもらえる優待券の額面が増えていき、9,000株では3万円分(年間6万円分)。また、継続保有の株主には400株以上、3,000株以上、6,000株以上、9,000株以上で株主優待券の追加進呈もあります。権利月は8月と2月。株主優待券が1円単位で支払えることになったことにより、現金の支払いなしに飲食ができるようになったことも朗報で、優待族の間では使い勝手がよくなったと満足する人が増えています。
■ジェイグループホールディングス(3063)(株価730円、最低投資額7万3,000円)
ジェイグループホールディングス(3063)は、東海地方を中心に居酒屋を展開する企業で、そのうち、うなぎを食べられるのは「うな匠」や「名古屋名物名古屋めし食堂丸八」などがあります。特に、東京の優待族には、都内でうなぎを食べられる秋葉原の「うな匠 ヨドバシAKIBA店」が有名かもしれません。

権利月は8月と2月です。100株で2,000円(年間4,000円)、200株で4,000円(年間8,000円)と増えていき、1,000株であれば1万2,000円分(年間2万4,000円分)の優待券がもらえます。
「うな匠」での価格を調べたところ、名古屋名物ひつまぶしは3,550円なので、1,000円の優待券を3枚出せば550円で食べられることになります。もし、2人で同メニューを頼めば7,100円なので、1,000円の優待券を7枚出せば100円で食べられることになり、これにより現金での支払いも少なくなるわけで、節約できたと感じられるのではないでしょうか。
■ヨンキュウ(9955)(株価2,280円、最低投資額22万8,000円)
うなぎ好きの優待族が、「うなぎ優待」と聞いて、まっさきに思い浮かべるのはヨンキュウ(9955)でしょうか。このヨンキュウ、養殖業者への稚魚を販売するほか、飼料の販売も行う愛媛県本社の会社です。
株主優待は、西日本養鰻で洋食した「薩摩の若うなぎ」蒲焼きで、200株以上なら3,000円相当、500株以上なら6,000円相当がもらえます。権利は9月と3月。現物を保持していれば、うなぎが年2回、定期的にもらえる株主優待です。
■木曽路(8160)(株価2,367円、最低投資額23万6,700円)
日本料理の木曽路(8160)にも、うなぎメニューがあります。例えば、東京都内の店舗では、ランチタイムに「国産うなぎ」を使った鰻ひつまぶしがあり、松だと税込4,070円。国産うなぎ弁当であれば税込2,916円です。
木曽路よりも少し割安の価格帯のかごの屋では、東京都内の平日ランチタイムのメニューはひつまぶし膳、税込3,190円でした。

木曽路の株主優待では、100株で1,600円+税分(年間3,200円+税分)の株主優待券がもらえます。これは少額に感じるかもしれませんが、それでも国産うなぎ弁当であれば約1,000円を加えれば国産うなぎがテイクアウトできるわけです。権利月は9月と3月。
木曽路では支払いに電子マネーやQRコード決済も利用できるので、100株では額が足りないと思う人も、貯めておいたポイント払いなどを駆使してお得に支払うこともできそうです。
■ルックホールディングス(8029)(株価2,444円、最低投資額24万4,400円)
うなぎがもらえる株主優待で意外なのは、ルックホールディングス(8029)。企業名を聞いただけでは何をしている会社かわからない人もいるかもしれませんが、「Marimekko(マリメッコ)」や「IL BISONTE(イルビゾンテ)」などの服飾雑貨を扱う会社で、株主優待は100株で3年未満は4,000円、3年以上は5,000円の株主優待券がもらえます。権利月は12月。
そして、2024年12月の権利から、選べる株主優待商品交換サイトに、“なぜか鰻が出現”しています。「俺じゃなきゃ見逃しちゃうね」……。

株主優待券は「Marimekko(マリメッコ)」などの店舗で使うこともできますが、Web申込で、フードカテゴリから、うなぎを選べました。

蒲焼きのたれつきのうなぎ蒲焼きが届き、“お金を払わずに” 交換できました。
■SRSホールディングス(8163)(株価1,238円、最低投資額123万8,000円※株主優待取得の1,000株取得時)
「和食のさと」や「にぎり長次郎」を運営するSRSホールディングス(8163)の株主優待は、1,000株保有で3月、9月の年2回1万2,000円相当の食事券をもらえます(年2万4,000円)。1,000株には100万円以上必要ですが、もらえれば外食費用を大きく節約できそうです。
「和食さと」では、6月26日から鹿児島県産のうなぎフェアを行っていて、うなぎ御膳(税込4,070円)やうな重(<上>は税込4,180円)を販売。テイクアウトだと値段が安くなり、上うな重では税込2,806円。前日までに予約すると15%オフで税込2,385円になるため、食べたい日はあらかじめ予約しておくのがよさそうです。
決まった店舗でのうなぎを食べたい人には…

うなぎについてこだわりを持つ人が多いのも事実で、「関西風と関東風の調理の違いがある」とか、「行くならこの店じゃないと」と決めている人もいそうです。そんな人には、ポイントや電子マネーがもらえる株主優待をおすすめしたいところ。
例えば、写真はうなぎの名店「菊川」で、支払い方法は、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済が利用可能です。このうち、iD(アイディ)やQUICPay(クイックペイ)の電子マネーが使えることから、「アレ」が使えます。

株主優待を新設したトヨタ自動車(7203)ではTOYOTA Wallet(トヨタウォレット)残高が株主優待で、これはトヨタのスマートフォン決済アプリなのですが、iD(アイディ)やQUICPay(クイックペイ)の支払いができる店舗で使えます。
100株では1年未満500円分ですが、1年以上1,000円分、3年以上で3,000円分がもらえます。また、1,000株では5年以上の保有で3万円分がもらえ、なかなか重宝します。
専用アプリが必要で初期登録は少し面倒に感じるかもしれないものの、1円単位で支払えるので、“ほぼ現金同然”。おすすめメニューの「一本ひつまぶし」は税込5,900円でもあるので1食あたり5,000円オーバーの食事は高級だと思いますが、iD(アイディ)やQUICPay(クイックペイ)を使い、株主優待のポイントで支払えたらよいと思うはずです。
また、紹介した木曽路では、2025年2月権利のPRTIMES(3922)の株主優待が使えました。

PRTIMESの、2025年2月権利では、100株で、木曽路で使えるチケット1,000円×5枚が選べました。
木曽路(8160)で株主優待をもらうとするなら100株約24万円で、半年に1度1,600円+税(年間3,200円+税)券がもらえますが、一方、PRTIMESは100株で約23万円と木曽路100株を買うより少し安く、しかも年間でもらえる株主優待券は5,000円です。もちろん、配当利回りの違いや、PRTIMESでは、毎年、「顧客企業の商品・サービス」を株主優待にしているため、来年も木曽路の株主優待券があるとは限らないものの、PRTIMESの株主優待は、2025年の権利でいえば「京王ギフトカード」や「京急百貨店商品券」がもらえたため、デパ地下のうなぎを買うことだってできました。
こういったワザを知っておけるとよく、「この株主優待もあの株主優待も、うなぎを買うために使える!」とアイデアを思いつけば、お金を使わずに高級品のうなぎにありつけるというわけです。頭の体操として取り入れつつ挑んでみましょう。
文/谷口久美子