
ここ数年、腰元にファンがついたナイロンジャケットを見かけるようになった。工事・建築現場などで働く人たちが着用しているのだ。
暑がりの私は興味津々だったのだが、なかなか試す機会がない。街中で見かけるそれは、見るからに“プロ仕様”の素材と形。しかも、調べてみるとなかなか高級で、気軽に試すのは腰がひける。
がしかし、今年の夏も暑すぎる。少しでも快適に過ごすために、ネッククーラーを使ったり、ハッカ油のスプレーを振りかけたり、対策はいくつもしているのだが、それでも耐え難い。
そこで改めて調査したところ、あるではないか!私服でも使えそうなファン付きのベストが!
というわけで、即購入した「キウ エアコンディションドベスト」についてレビューしていく。


キウ(KiU)×空調服のベストは、私服としてもいいデザイン
「キウ エアコンディションドベスト」は、アウトドアファッションブランドKiUと「空調服」のコラボレーションアイテムだ。製品単体だとただのベストで、ファンは別売り。『キウ ×「空調服(R)」キウ スターターキット(1万1330円)』を購入してセットしよう。
そもそも「空調服」とは、株式会社空調服が展開するファン付きの衣類のこと。腰元のファンで外気を取り込み、体の汗を蒸発させて気化熱で体を冷却。襟元や袖口からその空気を排出する仕組みを特徴としている。

プロの現場でも使われる技術を採用しているだけあって、冷却効果は確かなもの。ファンの駆動音も思っていたより気にならなかった。
汗っかきあるあるだと思うが、暑い中歩いていると背中全体がじっとり濡れ、汗の滴が流れていくのがわかる。
しかし、「キウ エアコンディションドベスト」を着て20分程度歩いたところ、その嫌な感じがまったくない。当然、暑くはあるのだが、汗の不快感が大幅に軽減された。


効果に満足だが、操作性には課題もあり
ベストにファンを装着するのも簡単だった。ベストに空いた穴にファンを差し込み、専用パーツで挟み込むように固定すればいい。あとは付属のケーブルでバッテリと接続すればOK。


ケーブル類はベストの内側にくるので、外見を損なうこともない。ただ、バッテリの収納位置もベストの内側なのはちょっとマイナスポイントだと思った。


バッテリのボタンを押してファンのパワーをコントロールするのだが、内側に収納していると操作しづらい。私服で使う場合、周囲の環境に応じてオン/オフを切り替えたり、ファンのパワーを調整したりするシーンは当然ある。その際、ジッパーを下ろして…とするのは面倒だしスマートではない。

“私服としてアリ”かどうかは、正直個人の好みにもよる。だが筆者としては断然アリ。アウトドア趣味はなく、私服の趣味とも少々異なるのだが、この地獄の暑さの夏を少しでも快適にしてくれるなら拒む理由がない。ほぼ毎日、ヘビーユースすることになりそうだ。
取材・文/関口大起(https://x.com/t_sekiguchi_)