
今年も夏詣の季節がやってきた。
夏詣とは一年の半分となる折り返し地点、7月1日以降に神社・仏閣に参拝する新たな習慣のことで、2014年に東京・浅草神社から提唱され、今や全国津々浦々の神社・仏閣へと拡がりを見せている。

今年は全国500以上の社寺で夏詣が行われるというが、ここで是非今夏行ってほしいおすすめの寺社を紹介したい。この夏限定の魅力的な御朱印めぐりを楽しんで欲しい。
【生田神社/兵庫県神戸市】
神戸の守り神として知られる生田神社では、縁むすびの神である御祭神「稚日女尊」や社紋の八重桜、本年の干支「巳」、清らかに咲く朝顔、彩り豊かな花火を配した夏季限定御朱印【夏詣】が授与される。

授与期間:令和7年6月1日~8月31日
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000102769.html
また、夏の花のひまわりや百合、コスモスの花束の中に夏詣の文字を配した切り絵御朱印も美しい。8月には海運守護、道開き、交通安全の神、猿田彦命を祀る生田神社の末社、大海神社の夏祭が3日間にわたり開催される。こちらも要チェックだ。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000102769.html
【大本山 寛永寺/東京都台東区上野】
徳川将軍家ゆかりの寺、大本山寛永寺では切り絵ならではの透け感と立体感のある美しさが特徴の夏限定『徳川切り絵御朱印』が6月14日からスタートしている。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000070047.html
【龍泉寺/埼玉県熊谷市】
関東で唯一、厄除けと開運のご利益を同時にいただける「日本の厄除け開運本山」埼玉厄除け開運大師・龍泉寺。切り絵御朱印発祥の寺でもある龍泉寺では、2種類の夏限定重ね切り絵御朱印『水風船 -涼彩(すずさ)-』『花器 -ひまわり-』の授与が行われている。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000070047.html
また、京浜急行電鉄株式会社は、浅草神社、富岡八幡宮、北野天満神社など関東の20神社、関西の8神社、合計28神社が参加する「京急夏詣キャンペーン」を実施中。
28神社の全てで御朱印(+駅スタンプ2個)を受けた方には東西達成賞として「御朱印帳ポーチ」がプレゼントされるという。
毎年好評のトレインジャック「京急夏詣号」は今年も運行。気になる神社の夏詣巡りにピッタリなキャンペーンだ。
参考:https://www.keikyu.co.jp/company/news/2025/20250624HP_25041TE.html
話題の言霊おみくじの秘密
そして最近、全国の神社で話題になっているのがアニメの人気声優が運勢を読み上げてくれる「言霊(ことだま)おみくじ」。

これは、おみくじの紙を開くとQRコードが記載されており、スマホで読み取ると人気声優さんたちが運勢を読み上げてくれるというもの。
兵庫県・西宮神社などが昨年から授与を始め、今や全国に拡がっている言霊おみくじだが、言霊にはいかなるパワーが秘められているのか?今回、昨年の男性声優に続き、女性声優が読み上げるおみくじの授与を始めた、徳島県鳴門市・大麻比古神社に話を聞いた。
――「言霊おみくじ」を始めたきっかけを教えてください
「人気声優さんがおみくじの内容を読み上げてくれるという今までにない新しいスタイルに興味を惹かれ、数量限定で始めました。昨年の男性声優さんの言霊おみくじは好評で、学生さんや若い方を始め、県外からお越しになる方もいらっしゃいました」
言霊おみくじを読み上げた主な男性声優は、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」でグエル・ジェタークを演じた阿座上洋平さん、「鋼の錬金術師」でスカーを演じた置鮎龍太郎さん、「ONE PIECE」でゾロを演じた中井和哉さんなど。
現在、男性声優のおみくじは授与されていないが、5月から10人の女性声優による言霊おみくじの授与が始まっている。
「子供の頃に見ていたアニメや近年人気のアニメで主役や人気キャラをされている女性声優さんを始め、幅広い層に人気のある実力派声優さんが読み上げてくれます」
女性声優は「ルパン三世」峰不二子役の沢城みゆきさん、「ポケットモンスター」リコ役の鈴木みのりさん、「アイカツ!」大空あかり役の下地紫野さんなど。
ちなみに女性声優の言霊おみくじも数量限定のため、無くなり次第終了となる。

ところで、「言霊」というのはいかなるパワーが秘められているのか?大麻比古神社の方に伺うと…
「古来より言葉に霊力が宿るとされ、言葉に願いを込めて発する事でその願いが叶うと考えられてきました。発した言葉が良い事でも悪い事でも現実に影響を与える力があると考えられています」
「日常でも普段から前向きな言葉を積極的に口にしたり、小さな事でも感謝の気持ちを持って相手に伝える事を心掛けると良いかと思います」
そんな古来からの言霊信仰は現代技術と融合し、新たな文化を生み出そうとしている。それは今こそ必要な護持運営の一つの手段かもしれない。
というのも近年、全国に約8万もあると言われる神社が高齢化や参拝者の減少により存続の危機に直面している。いわば経営難で減少の一途を辿っているというのだ。
約1100年の歴史がある大麻比古神社も他人事ではない。
「コロナ過の期間は参拝者が減少し、その後も以前のようには戻ってません。外出する機会が減り、そのまま足が遠のいたように感じます。また、少子化により安産祈願、お宮参り、七五三詣などの人生儀礼のご祈祷も減少しています。核家族の増加により、年配者の信仰心を受け継ぐ機会が減ったことも理由のひとつかもしれません」
大麻比古大神と猿田彦大神、二柱の神様が祀られ、地元の方々に愛されている大麻比古神社が、「神社の運営」として今やるべきことは何なのか?
「昔からの祭典や行事を絶やさず続けていきながら、神社から遠ざかっている方々にも興味を持っていただけるような新しいことにも取り組んでいきたいと考えております」
取材協力
大麻比古神社
文/太田ポーシャ