
ついに本格的な夏がやってきた。毎日うだるような暑さの日が続いているが、多くの親御さんたちは我が子が外遊びに熱中するあまり、熱中症にならないか不安に感じているのではないだろうか?
キリンホールディングスはこのほど、幼稚園および保育園に通う子ども(3歳~6歳)とその親500組を対象に「夏の子どもの外遊び」についての意識・実態調査を行い、その結果を発表した。
1、子どもの外遊びと夏
■子どものほぼ全員が「外遊びが好き」なのに、夏は子どもの外遊びの頻度が最も少ない季節と答えた親が、冬の約1.5倍にも
調査対象の親子に、子どもの外遊びの実態について聞いた。まず外遊びが好きかどうかを子どもに聞くと、「外遊びが好き(すごく好き+好き+まあまあ好きの合計)」と回答した子どもは96.2%となった[グラフ1]。
一方、親に対して子どもの外遊びの頻度が少ないと思う季節を尋ねたところ、「夏」(49.6%)が圧倒的に多く、「冬」(35.2%)の約1.5倍という結果になった[グラフ2]。
実際に昨年1年間の1回当たりの子どもの外遊び時間を、季節別で尋ねたところ、1回につき1時間未満と回答した割合は「夏」が最も多く(54.8%)、5割を超えている[グラフ3]。
■夏、外遊びの頻度や時間が少ないのは気温や暑さが原因
昨夏、気温や暑さを理由に子どもの外遊びを止めたことのある親は93.4%(時々ある+たまにあるの合計)となったことに対し、親自身は子ども時代に外遊びを止められたことは「全くない」(51.4%)と対照的な結果になった[グラフ4]。
そのため、今の子どもは「夏の外遊びが制限されている」(91.2%)と多くの親は感じているようだ [グラフ5]。
親の夏の外遊びを制限された経験・した経験について年代別でみると、年代が高いほど止められた経験が少ない傾向が見られ、日本の夏が近年猛暑化していることが夏の子どもの外遊びの制限に影響していると考えられる[グラフ4]。
2、子どもの夏の外遊び制限の影響
■親が最も「遊ばせ方に悩む」(57.8%)夏に、親が子どもの外遊びを止める基準は「自分の体感」
ここまでで、多くの親が暑さを理由に子どもの夏の外遊びにストップをかけている状況が見えてきた。そのため、親が子どもの遊ばせ方に最も悩む季節は「夏」(57.8%)となっている[グラフ6]。
また、具体的に夏の外遊びを止める基準は、「自分の体感で暑いと感じる日」(61.7%)がトップとなっており、次いで「熱中症警戒アラートが発出した日」(51.4%)、「天気予報などで猛暑日と言われた日」(51.2%)が続き、「暑さ指数を見て」と回答した人はわずか3.4%となった[グラフ7]。
親はこのように外遊びを制限することが、「子どもにとってストレスだと思う(そう思う+まあそう思うの合計、以下同)」(68.2%)、「子どもがかわいそうだと思う」(61.0%)、「子どもの体力づくりに悪影響だと思う」(59.6%)と、子どもに我慢をさせて気の毒に思う他、体力面への影響も懸念しているようだ [グラフ8]。
実際、子ども自身に一番思った通りに遊べない季節を尋ねると、「夏」(66.0%)を挙げる子が圧倒的に多く、約3人に2人にもなった[グラフ9]。
■子どもは熱中症弱者、WBGT28℃以上で、外遊びなどの運動は控えることが推奨されている
環境省と気象庁は、熱中症リスクが高いと予測される際には「熱中症警戒アラート」を発表し注意を呼びかけている。「熱中症警戒アラート」は、気温や湿度などから算出される「暑さ指数(WBGT)」を基準としている。
公益財団法人日本スポーツ協会による「熱中症予防運動指針」では、WBGT28℃以上で「厳重警戒」としている。また、日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防指針」では、高齢者、病人・薬剤服用者や乳幼児などは熱中症を発症しやすい「熱中症弱者」と定義し、WBGT28℃以上では、不要な外出、屋外での作業などは控えることを注意喚起している。
3、夏の親のダブル不安の実態
■「熱中症」と「運動不足」。夏の子どもの健康に関する親の“ダブル不安”の実態が明らかに
遊ばせ方が悩ましい夏、親は子どもの「熱中症」への不安が強くなっている(92.2%) [グラフ10]。
一方で、「室内遊びばかりになりがちなので不安」(73.8%)[グラフ11]、それによる「運動不足が不安」 (77.2%)でもある[グラフ12]。熱中症も運動不足も怖い、「ダブル不安」を抱えていることがわかる。また、「体力低下」(77.6%)、「免疫力低下」(69.8%)、「自律神経の乱れ」(62.2%)、「情緒不安定」(60.8%)など、心身の機能低下への不安も強く、6割以上の親が挙げている [グラフ13]。
4、夏の室内遊びに関するニーズ
■9割の親が、暑さを気にせず、子どもが室内でできるスポーツや運動に関心あり
子どもが室内でできるスポーツや運動へ親がどの程度関心があるかを聞くと、暑さを気にせず、室内でできるスポーツや運動があれば子どもに遊んで欲しいと思う」(91.2%)[グラフ14]、「夏も外遊びと同様の効果を確保できる遊びがあれば興味がある」89.0%という結果となった[グラフ15]。
<調査概要>
調査対象 :全国の3~6歳の子どもを持つ親およびその子ども 500組
調査方法 :インターネットアンケート調査
調査期間 :2025年6月11日(水)~6月12日(木)
子どもの回答は、親が子どもに回答を聞き、親が入力。子どもに関する親の回答は、複数子どもがいる場合、一番下の子どもに関する回答を入力。
出典元:キリンホールディングス株式会社
構成/こじへい