
三菱自動車の欧州事業統括会社であるミツビシ・モーターズ・ヨーロッパ・ビー・ブイは、欧州市場向けの新型コンパクトSUV「グランディス」を2025年内より欧州で順次販売を開始することを発表した。なお、同車はスペインのルノー社バリャドリード工場で生産される予定となっている。
この新型「グランディス」は、2023年に欧州で販売を開始したコンパクトSUV「ASX」、コンパクトハッチバック「コルト」に続いて、アライアンスパートナーであるルノーよりOEM供給を受けるCMF-Bプラットフォームを採用したコンパクトSUVで、マイルドハイブリッド(MHEV)モデルとハイブリッドEV(HEV)モデルをラインアップしている。「グランディス」の車名としては13年ぶりの欧州市場投入となり、広々とした利便性の高い室内空間がコンセプトとなっている。
新型「グランディス」の特長
■エクステリア
新型「グランディス」の車名は、ラテン語で「大きい」「雄大な」という意味に由来し、広々とした室内空間と堂々とした力強いエクステリアデザインを象徴している。フロントフェイスには、三菱自動車のデザインアイデンティティである「ダイナミックシールド」を採用。サテンシルバーのアクセントをあしらった光沢のあるブラックグリルが、安心感とパフォーマンスの高さ、そして洗練された上質さを演出。
またルーフラインが後方まで流れるようなサイドシルエットは、ダイナミックさと広い室内空間を両立し、新設計の19インチアルミホイールが大胆かつプレミアムな印象を与える。リヤにおいては「スカルプチュアル ヘキサゴン」というデザインアイデンティティを採用。彫り込まれたような六角形のモチーフが、力強さと三菱自動車のDNAを表現するとともに、水平に配したリヤコンビランプが、洗練とモダンな印象を表現。
■インテリア
インテリアには、使い勝手の良さと積載性にこだわった2列5名乗車シートレイアウトを採用。リヤシートは最大で160mmの前後スライド機能を備えており、ラゲッジスペースの積載容量は434Lから、リヤシートを一番前にスライドさせた状態で566L、リヤシートバックを倒すと最大1,455Lまで拡大することができる。
また、テールゲートはハンズフリー機能付きエレクトリックテールゲートを採用。インストルメントパネル上のスイッチ、またはテールゲートのスイッチ操作による開閉に加え、キーレスオペレーションキーを携帯した状態でリヤバンパー下に足をかざすことでテールゲートの開閉が可能。
さらに、スイッチ操作でガラスの透過と調光の切り替えが可能なパノラマガラスルーフ(調光機能付)は、日差しの眩しさや熱を抑え、開放的かつ快適な室内空間を実現。あらかじめ設定されたパターンに基づき、全面透過や全面調光に加え、フロント透過・リヤ調光、フロント調光・リヤ透過の調整をすることが可能となっている。
■パワートレイン
今回の新型「グランディス」では、MHEVモデルとHEVモデルの2種類のパワートレインを設定。1.3L直噴ガソリンターボエンジンを搭載したMHEVモデルは、6速マニュアルトランスミッション仕様と、7速デュアルクラッチオートマチックトランスミッション(7DCT)仕様から選択でき、エンジンはいずれも最高出力103kWを発揮。
一方、HEVモデルでは、最高出力80kWの1.8L自然吸気4気筒ガソリンエンジンに36kWの駆動用と15kWの発電用の2つのモーター、2つのインバーターとコンバーターを内蔵したパワーエレクトロニクスボックス、1.4kWhの駆動用リチウムイオンバッテリー、走行状況に応じて駆動を最適化するスマートマルチモードギアボックストランスミッションを組み合わせ、最高出力115kWを実現。このHEVシステムは、リアルタイムで走行状況を解析し、パワートレインの状態や電力使用量に応じてエンジンとモーターの最適な動力配分を自動で制御する。
さらに走行モードは、モーターの力だけで走るEVモード、モーターとエンジンの出力を活かしたハイブリッドモード、減速時に回生ブレーキによって減速エネルギーを回収して電力変換し、駆動用バッテリーに蓄電する回生モードの3つが用意され、走行状況に応じて最適な走行モードが自動で選択される。加えてドライバーが任意で選択可能な「Eセーブ」モードを搭載。駆動用バッテリーの残量を40%以上に維持することで、EV走行をしたい場面や登坂路などのモーターによるエンジンアシストが必要な場面に備えて、電力を確保しておくことが可能となっている。
■デジタル化・コネクティッド機能
縦型の10.4インチスマートフォン連携ディスプレイオーディオ(SDA)を採用するとともに、Google搭載車として先進的なコネクティッドサービスを提供。音声認識機能を使い、通話や音楽の再生、エアコンの温度調整などができるGoogle アシスタントや、ナビゲーション機能やリアルタイムの交通情報を提供するGoogleマップ、スマートフォンのように音楽やゲーム、ビデオストリーミングなどの100以上のアプリを利用できるGoogle Playの利用が可能。
スマートフォンと連携したい場合は、Apple CarPlay、Android Autoがワイヤレスで接続できる。また、SDAを通じ、ドライバーの好みや走行状況に合わせて「パーソナル」「エコ」「コンフォート」「スポーツ」の4つのドライブモードを自在に選択することが可能。さらに、モバイルアプリ「Mitsubishi Motors」は、スマートフォンから駐車位置の確認ができるカーファインダーや遠隔で車両のロック、アンロックやエンジンを操作できるデジタルキーなどでコネクティッド機能を強化し、日常の利便性を向上させてくれる。
■安全機能
新型「グランディス」は、先進の予防安全技術を多数搭載している。超音波センサーやカメラ、前方レーダーにより、車両周辺の状況を常にモニタリングし、ドライバーの運転をサポート。また、後退時交差車両検知警報システム[RCTA]をはじめとする先進安全装備を充実。ドライバーの運転をサポートするとともに、安全・安心なドライブを提供する。
関連情報:https://www.mitsubishi-motors.co.jp/
構成/土屋嘉久